1.4話
「キャッー。」
「どうしたミキ?なんだよ。ゴブリンかよ。ゴブリンごときで悲鳴とかやめろよな。」
『おいっ!おまえら
話を聞いてくれ、ここはどこなんだ!なんでオレはこんなカッコになってるか教えてくれないか?』
「なんだこいつ。キーキーいって。リン。オレパスっ!こんなの倒しても経験値あがんねーから。おまえの弓の練習にちょうどいいんじゃね?」
…何を言ってるこいつら。
『おまえオレの話がわからないのか?おいっ!』
「しょうがないなカズキ私が拳だけじゃないってとこも見せてやろう。下がってな。」
…こいつら何をやってる?
…オレはおまえらの言葉がわかるんだぞ。
…オレの言葉だけが伝わらないのか?
「死ねー。」
射抜かれた矢がこっち目掛けて飛んでくる。
『おいっマジか?』
避けるひますらないスピードだ!
『痛っーー!』
『痛ったーーーー!腕刺さった!マジ痛い!おい!ただ質問聞いただけなのに?なんだオメーらおいっ!』
「おーいリン!お前、下手で一発で仕留めないからゴブリンがキーキー怒ってんぞ」
『このクソ人間ども殺してやる!』
オレは射抜かれてない方の腕を掲げ立ち上がった。
「リン、カズキ、駄目だ!こんな何も出来ないゴブリンだって必死に向かってきてるんだ、遊んじゃいけない。」
そういうとリーダーらしき人間の腰から2刀流の剣が出てくる。
こいつから出てる殺気は半端ない!
それはこっちも殺る気で向かっていってるからのせいだろうか?
『この話も聞かないクソ人間ども!』
使った事もない爪を立てて、無我夢中で、首をかっ斬りにいった!
それは一瞬だった。
自分が斬られた事すら始めはわからなかった!
しかし、激痛で気がつく!
声も出ない!
左を見るとゴブリンの身体から下が見える。
それは斬り離された自分の体だった。
この世とは思えぬほどの痛みだ。
…こんな痛いのか。
…オレは死ぬんだな。
そう思ってると、ヤツが近づいて来た。
「お前さ、ゴブリンで何も出来ないくせにシャシャリでてくんじゃねーよ。バカ。さっさと死ね」
涙がこぼれた。
もう死ぬのに涙がこぼれた
悔しくて、
何も出来ない、
何一つ思い通りならない事に、
涙が、、、。
「シン!今ゴブリンになんか言ったの?」
「切っちゃって、ごめんね。ちゃんと成仏してください。って言ってきた」
「さ、さ、さすがっ、シンさん。!」
そう言いながら歩いて去っていった。
悔しくて悔しくてしょうがなかった!
悔しくて悔しくて涙しか出なかった!
何も出来ない事、何も伝わらない事が
悔しくて悔しくて
悔しくて、、、。
…ちくしょう。
そして意識は遠のいて、行ったのだった。