裏4.1話
木曜日 AM6:00
今日僕は復習戦リベンジマッチだ。
向こうは何も思って無いだろう。
ただ、体育館裏に呼び出し、罵倒し、殴り満足しただけのいつもな感じなのだろう。
僕は今日、仲間に教えられた、スタンガンを買いに街に繰り出す。
そして、アイスピックもだ。
カッターより、アイスピックだ。
モンスターでも、人間でも恐怖感で言うとアイスピックの方が貫通力があるから、恐怖だろうと思うし、
昨日モンスターでも試したが、少ない力でも意外とブスブス刺さる。
斬るより、刺すの方がより、強固な恐怖感を与える事が出来るはずだ。
僕は昨日の僕よりステップアップしてると自負して、自分を奮い立たせ明るい街に飛び出して行った。
そして、自宅から少し離れた駅で
スタンガンを買った。
スイッチを、入れると先端が、バチバチ言っている。
スタンガンに見るのも触るのも初めてだ。
買った最寄り駅のトイレの個室で無駄にスイッチを入れたり、切ったりして見た。
…これは凄い。
…こんな便利な物があるなんて。
僕はジュンの一撃必中パンチに匹敵すると思われるスタンガンと、アイスピックを購入し、3時間程遅刻して、学校に着いた。
周りの生徒は昨日も僕が不良に呼び出され連れていかれたのを知っている。
しかし、その事に触れようと言うものは誰もいない。
触らぬ神に祟りなしとはまさにこの事!
みんながみんな見て見ぬ振りだ。
まあそれもしょうがない!僕も異世界に行ってなかったら、未だに家に引きこもって勉強していたのだろうから。
誰もこんなしがらみに巻き込まれたくないのは当然であり、
みんなは、みんななりに自己防衛本能なんだろうと思う。
僕自信、あの時なんで、トイレに行ったんだろうと何回家で思ったか、
あのタイミングでトイレから出たか、
なぜあの時メガネを洗って、先輩を濡らしてしまったかと、
引きこもった家で何度自分をせめたかわからない。
自分で自分をせめればせめるほど、
学校への敷居は高くなり、より、行けなくなった。
今日はあの時捨てた、自尊心、プライド、普通な日々を取り戻す為の決意の日だ。
昨日も同じ決意だが、作戦があまく失敗した。
今日は用意は万端だ!
負けない!
【キンコンカンコン】
授業終了の鐘の音がなる。
みんなにとっては終了の鐘の音は、
僕にとっては、始まりのゴングだった。