裏3.2話
村を出る時に、アイスピックみたいな武器を見つけた。
細剣の武器に入るかもしれない。
誰かが、弱い武器でかなり前に捨てたんだろう。
僕は捨てたそのアイスピックを拾い、右手に握った。
その日はあんまり、強くないモンスターエリアで、
左手で麻痺させる魔法を撃ち込み、
右手でモンスターの足を刺す練習を、何10回と繰り返していた。
そうだ、これは明日への練習だ。
どのタイミングで人間界でこれが使えるかわからないが、
体に感覚を覚えさせる為、非道にモンスターを狩りまくった。
狩ってるうちに、昨日の不安は消え、
僕はやれるって気持ちになってくる。
明日への練習って事もあったが、
置いて来た自信を拾う目的もあったのかもしれない。
「左手で麻痺!右手で刺す」
1人言をいいながら
何時間も一心に狩り続けた。
どのくらい時間が過ぎたかわからない。
そんな時だった。
マップに赤い点が光る!
…星4?
マップには星4の赤い点が北に移動している。
…丁度いい。最後の自信をつけるのに、僕が狩ってやる!
マップが光ってる先には洞窟がある。
後方から、女プレイヤーの声が聞こえる。
…さすが、は星4モンスター!みんな行動が早いな、、。
…ただ星4クラスのモンスター1人で倒せるかな?
マップ上の赤い光がが洞窟内に入って行った。
…いける。出口に先回りしたら、いける!
僕は左ルートから、洞窟を迂回して、
先に出口に回る計画を立てた。
まずい間に合わないと、
思ってたが、洞窟の中で一度赤い光が止まった。
この機会ををチャンスと捉え、出口に急いだ。
また赤い点が、出口に向かって移動を始めた。
誰からに下から追い上げられているのだろうか?
…さっきの女プレイヤーかな?
とりあえず出口が見え始めた。
…誰かいる!
そこには、女ばかりのパーティで自分だけが、男のリーダーセシルが出口に剣を振りかぶって陣取っていた。
赤い点が出口に近づく!
後3秒!
2秒!
1秒!
赤い点が、マップ上の洞窟から、出る瞬間!
セシルの決め技2連撃!
…先を越された!!
…星4ってゴブリンだったのか?
…それにしても仲間に追わせて、自分は待ち伏せで確実に2連撃なんて、流石は同じ村で1番大きい大人数パーティ!作戦が凄いな!
セシルが、洞窟から追ってきた女プレイヤーと合流していた。
…1人じゃやはり限界があるかな。
…さて、今日は、色々練習も出来たし村へ帰ろう。
こうして、人間界でデビューし、
敗北をしてから、初日の僕の異世界の旅を終えた。
やはり、人間界でも強い仲間が欲しいと少しそんな感情が芽生えたそんな異世界での1日だった。




