7.9話
オレはやはり赤い光が4つ。
そして、青魔族の光を初めて見たが、マイとキッドは右手が青に光っていた。
『もうこんな時間か?じゃあジュン!おまえがまだスキル慣れてないだろうから、見ててやるから、自分にかけてみな。』
『おぅ。まかしとけ!』
そういうと慣れてはいない手付きだが、習った通り、やってみた。
『はぁー。』
体の光が消えていく!
『マイ!キッド!やったぜ!これで、みんな死ななくて、済む!早く2人ともスキルを自分達に!』
マイもキッドもうつむいている!
『ジュン君!よーく怒らないで聞いて!スキルって言ってなかったけど、1日1回しか使えないの!』
『おい!マイ!1日1回って、違うモンスターになら大丈夫だから使ってくれたとかじゃなくて、、、?それじゃおいまさか、、。』
『アホジュン今日はここまでだ。これ以上一緒にいると、やばい!オレらの青い光もプレイヤーのマップにうつるから!』
『おい!キッドおまえなに言ってるかわかってんのか?』
オレはみんながとった行動の意味を把握して、キッドの胸ぐらを掴んだ!
『オレは、自分が助かる為に仲間を犠牲にするような事絶対に認めない!ましてやおまえら2人がオレの為に、そんな、そんな、、オレはそんな事をしてもらう資格なんてない人間なんだ、、。』
『アホジュン!よく聞けよ!これはな、オレとマイミが自分で決めたんだ!だから、アホジュン!おまえが何か、思う必要は無いんだ!』
『聞いてジュン君!うちらは痛覚1/3だから、大丈夫だよ。うちらが、やってあげたいの。だから、今日の事をお願い、無為にしないで、、。』
『そんな、おまえら、、、。』
涙で前が見えない!
『キッド!感覚でしかわからないけど、プレイヤーかなり近くまで来てると思う。足音聞こえる!』
『これ以上はやばいな!じゃあまた明日な!アホリーダー!』
2人が、ちょっと先にいる、プレイヤーに向かって出ていく。
『そんなんいかせる訳ねーだろ!』
…そんなん認められる訳いかない!
…みんなの犠牲に自分が助かるなんてダメだ絶対!!
…オレが死んでもみんなを守るって決めたんだ!
…仲間じゃないか、、。
…オレの為に痛い思いなんて、させるの見ていられる訳ないだろーが、
後を追って走ろうと立ち上がった!
「ジュン君ごめん!」
振り返ると、
オレの後ろから、右手を伸ばしてるアキねぇがいた。
その手から閃光が走る!
…なんだこれ?動けない!
「ジュン君ごめん!さっきキッドに2人っきりになった時に頼まれたのあいつは、必ずオレらの後を追って、プレイヤーに戦いにくる!そういうやつだから、オレらが、行ったら、足止めしてくれないか?魔法でもなんでもいいから、って言われて、、。」
…そんな、あいつオレの為にアキねぇと2人っきりになってたのか?
…なんだ、口説いてとか、考えてたオレはバカか?
…いや、大馬鹿だ。
…あんないい仲間いるんだな、、。
涙で涙で前が見えない!
ちょっと先で
キッドとマイの悲鳴が聞こえる!
…マイ、、、。
…キッド、、、。
…オレの為にごめん、、。
…オレの為にごめん、、。
…痛い思いさせて、ごめん。
動けない体で顔を覆う事も出来ず、涙だけをボロボロ流した。
2人はオレの見える位置で
斬られ、
魔法で、攻撃され、
斬殺された。
隣では、しっかりオレの肩を抱きアキねぇも泣いていた。
「私も強くなるよ、、。」
「理不尽すぎるあなた達を守る為に、もっと強くなる、、。」
…アキねぇ、、。キッド、、。マイ、、。
戦闘が終わった、1人のプレイヤーがこちらに近づいてくる。
「なんだ?まだモンスターいるのか?」
プレイヤーの1人が近づいてくる。
「ジュン君!君は私の魔法で異世界が終わるまで、動けないと思うから、奥でこの藁を被って、ジッとしてて。」
そういうと、オレを抱え奥に引っ張って行って、たまたまあった、藁をオレに被せた、、。
…アキねぇ。
…アキねぇプレイヤーと話すと吐き気が、するって、言ってたじゃないか?
…みんな守るつもりでいたのに、、。
…結局なに一つオレは出来ない半端ものだ。
…ダメだもっと強くならなきゃ。
…もっと強く、。
…みんなの笑顔を守る為に、
「なんだ、プレイヤーかよ。こんなとこで、何してるんだ?」
「い、、、や、、、たた、、、か、、いが、、、すごす、、、ぎ、、て、、、怖く、、、て、、、うぇー。」
「おぃおぃ、大丈夫か?吐くくらい、そんなに怖くて、緊張したのか?ちょっとこっち来い。介抱してやるから。。」
「はい、、、。うぇー。」
アキねぇも行ってしまった。
絶対に話したくない、人間と話をしながら、
絶対に近づいて欲しくない人間に介抱されて、
寝てる事しか出来ないオレは
藁の下で、涙を流す事しか出来ない自分を、呪った
こうして、
初めてオレは異世界から、生きて人間界に戻った、、。