裏1.3話
仲間が弱々しいゴブリンを馬鹿にして、
まだ慣れてない弓を射って
遊んでいる!
別にかわいそうとは思わなかった。
その時ふと人間界での記憶がフラッシュバックで入って来た。
そして思った!
…このゴブリンはあの時の僕だな。
…あいつも僕に全力でパンチしにきたんだっけか?
…絶対僕が勝てないのわかってるくせに
そして僕は言った
「リン、カズキ、駄目だ!こんな何も出来ないゴブリンだって必死に向かってきてるんだ。遊んじゃいけない。」
そうだ。全力でいかないといけない。
力こそ全てだと。
異世界と人間界で学んだんだ。
そして僕は両腰から2刀を抜き
ゴブリンを自分だと思い、
全力で斬ってやった。
ゴブリンが真っ二つに裂かれ苦しがっている。
…あの時のあいつも近づいてきたな。
いまならあいつの気持ちがわかるかもしれない。
そう思いゴブリンに近づいたら
勝手に口が開いていた。
「お前さ、ゴブリンで何も出来ないくせにシャシャリでてくんじゃねーよ。バカ。さっさと死ね」
僕自身が驚いた発言をしていた。
…そうか強いってこういうことなのか?
…あいつ僕に近づいて来て心配してたんじゃない!こんな風に思ってたのか!
…許せん!明日見とけよ!もう僕は強いんだ!勝つ奴だけが正義って事をわからせてやる!絶対!
そんな事を考えていたら、
リンに聞かれた。
「シン!今ゴブリンになんか言ったの?」
「切っちゃってごめんね。ちゃんと成仏してください。って言ってきた」
「さ、さ、さすがっ、シンさん。!」
…僕は異世界では頼りになって誰からも嫌われない人間なんだ!
…人間界での僕とは違うんだ!
そう思いこの日もいつもと同じ4時間の異世界が終わった。




