√139.1話
〜〜〜〜ルート's side story〜〜〜〜
みんなを引き連れて、魔族村ってマスカットが言っていた遺跡のような場所に来た。
遺跡の奥に山があり山の中に入れ、またその山の頂上は丘になっているみたいだった。
…なんだ既に僕が連れて来た以外にも20体くらいいるじゃないか?
…マスカットか?
…マスカットが、ここにみんなを集めて村を作ろうとしてるんだな。
…そんなことさせるか!
…魔族村!そんな物未来に繋がせる訳に行くもんか!
…絶望を与えてバラバラにしてやる!
…考えている!未来なんか全て!
…僕の未来のようにバラバラにしてやるからなマスカット!
そうして、僕は遺跡に入って行った。
「ここがそうですか?」
『そうです。ここなら安心です。みんな青魔族と言う自殺者の集まりです。でもこれだけいたら、月の神様に言われた初日から死ぬ痛みなんて味あわなくて済むかもしれないじゃないですか?30日力を合わせてみんなで、やれば必ず上手く行きますよ。僕は他に、はぐれて困っている魔族がいないか探しに行きます。みんなと頑張って下さい。』
「ありがとうございます。神様の様な人だ。あなたは。」
そうみんなに言われ10体みんなに感謝されながら握手をして入っていった。
その顔は安堵。
感謝。
希望。
みんなそんな感じだった。
僕はそんなみんなを背にして体が光ったまま、魔族村から南下を始めた。
なんの為?
それはすぐにわかる。
今は殺さないのかと?
殺さない!
まだまだだ。もっと希望を持たせてから殺す為に。
『ふっふっふ、ふぁっふぁっはっ。』
…失うものが無い者は無敵だぞマスカット!
…未来ではあそこに魔族村があるんだろ?マスカット!
…おまえが見た未来の通りには進ませてやるもんか!
…レールの上から外してやる!
『はぁー!雨が気持ちいい!最高だ!みんな土砂崩れで死ねばいい!はっはっはー。』
そして僕は南下した。体が光ったまま。
どこに向かったか?
それはあの池を越え、右に曲がり赤いモンスターがたくさんいる狩り場へ。
そう初心者プレイヤーがたくさんいつもいる、プレイヤーなら誰でも見つけられるモンスターが50匹位いる、いつも赤い狩り場へ走った。
日が大分落ち始めている。
雨で日が出てなくても、日が沈む位はわかる!
…後1時間切っているかもしれない!!
…急がないと!!
僕は狩り場へ急いだ。
そしてつき、草むらからプレイヤーの人数を、数えた。
…1、2、3、、、、11人?
…11人もいる!
…最高だ!
僕は弓を構えて出て行くと、全員がマップを見ていた。
多分僕が射程圏内に入り、マップに、星6と写ったんだろう。
とっさに11人が目の色を変えて走って来る!
まるで僕がはぐれメタルの存在かのように。
…まだだ。
…まだだ。
僕はプレイヤーが走って来るのを待ってる間に会話のスキルを使った。
…よし!これで言葉は通じる!
プレイヤーとの距離が200mを切る!
そして、大きく息を吸った。
『人間の負け犬野郎!群れないと何も出来ないクズ野郎!悔しかったら、殺してみろよ!カス共!遺跡までに追いついてみろよ!人生落ち込んでばっかのおまえらには、まぁ、無理だろうな!はっはっはー!』
「クソゴブリン!殺してやる!」
…よし!狙い通り!かかった!
僕は狩り場から、魔族村の方へ走って逃げた。
挑発されたプレイヤー!
しかも1番言われたくない事を言われた訳で、そんなあいつらが追ってこない訳ない。
追わないそんな奴はプライドのかけらも無いやつくらいだ!
「待てよーこのゴブリン!」
『遺跡で11対1で戦ってやるよ!ほらまだか?人間界でもウスノロは異世界でもウスノロだな。はっはっは。』
「おまえ絶対殺すからな!」
『口だけじゃなく早く来いウスノロチームの、アホ共!ゴブリン1体捕まえらんないのか?お笑いだな。』
更に焚き付けてやった。
プレイヤーの目に殺って漢字が見えそうな気がした。
…マスカット!いるのか?
…プレイヤー連れて来てやったぞ!
…殺しなれてるんだろ?
…殺せよ!
…リッカや、ノームや、シェリーの様に、、、。
『ふっふっふふぁっふぁっはっ。異世界面白いぜ!無敵だ僕は!異世界じゃもう失う物など何も無い!来いマスカット!』
僕は全速力で逃げながら、プレイヤーを焚き付け続け、11人が殺意を持ったまま魔族村まで追っ掛けて来た。
…なんだ、マスカットいないのか?
…じゃあしょうがない作戦変更だ。
僕は魔族村の中にダッシュで入って行った。
周りには青魔族がみんな、青く体が光った状態で、和気あいあいと話している中をダッシュで突っ切って隣接してる山の入り口に向かった。
みんながどうした?って顔で見ていたがそんな事はお構い無しだ!
山に入った瞬間!プレイヤー達が魔族村の入り口に着いた。
「なんだこりゃ、星1だらけの魔族の山じゃねーか?」
「すげー!これ倒せば何日分のレベルが上がるかわかんねー。」
【シャキシャキシャキシャキーン!】
プレイヤーがみんな目を丸くして武器を抜く。
「キャー!」「いやー死にたく無い!」「キャー!」「うわー!」
さっきまでの和気あいあいモードはどこにやら。
魔族村がパニック状態になった。
…まぁ、そうなるよな!
…魔族は狩り場のモンスターより星1ですら通常より、経験値1.5倍だもんね。
…さて舞台は整った!
『みんなー!こっちに逃げるんだ!』
僕は偽善者を演じ青魔族を非難させる様に声を出した。
その偽善者っぷりに
「またあの野郎か?」
と、プレイヤーが僕の行動に怒りをあらわに出していた。
そして、全青魔族が僕の方に走り始めた。
それは偽りの希望とも知らずに、、、。
それを追って、プレイヤー11人もすかさず逃すまいと追って来る!
…クックック
『はっはっは!』
僕は希望にすがる者共に弓を向けた。
『貴様らに希望など必要ない!希望など僕が消してくれる!五月雨アロー!』
5本の矢を技で放つ!
それは1本1本が5本になり、計25本の矢になり四方八方に青魔族が走って来る方向に飛んで行った。
【グサっ!グサっ!】
僕の行動にプレイヤーの足が止まる!
そして、青魔族から罵声が投げつけられた。
「おまえなにしとんやー!」
『僕は殺人者だ!おまえらなんて生きてる価値がないんだから、みんな死んじまえ!』
…馬鹿共この異世界に希望は必要ない!
…必要無いんだそんな物は!
僕はまた弓を構えた。
目の前には裏切りの赤魔族!
反対には狩る気満々のプレイヤー!
どっちにも動けない青魔族はどちらにもいけず頭を抱える様な青魔族が、1撃目でたくさん殺したとは言え、まだたくさんいた。
『五月雨アロー!』
『五月雨アロー!』
『そら!もう一丁だ五月雨アロー』
青魔族のみんなが僕を睨みながら、死んでいった。
…マスカット!やってやったぞ!
…マスカットの希望を潰してやったぞ!
事の顛末が理解できないプレイヤーが立ち止まって、僕を見ていた。
その時だった!
魔族村の入り口にマスカット!ジャイ!そして一緒に行動してたと思われる青魔族がもう1体!
…いるじゃないか!もう一体!
…やはり、安達さんが言ったこいつが救急隊のやつなんだろ?
僕はすかさず隣接してる山の洞窟に身を隠した。
もう夜だ。
光さえ漏れなければバレないはず。
マスカットが魔族村の様子に怒り涙を流してる様に見えた。
そしてマスカットとジャイがプレイヤー11人に対して武器を構えた。
プレイヤーの11人も後ろのマスカットと、ジャイと、もう1体の青魔族に気がつき、そっちに武器を構えた。
…これは面白い展開になった。
そしてこの光景を見てて、こうなるんでは無いかという方向に時が進む!
ジャイとマスカットがなんの罪も無い、プレイヤー11人をバッサバッサ斬っていったのだ。
まるで青魔族を全員殺したのがプレイヤーだと勘違いして。
…知るがいい!
…マスカットおまえも絶望を。
プレイヤーが1人も魔族村に居なくなった頃、自分のした行動に膝を落とすマスカットがいた。
僕は間髪入れず、暗影から矢を5本に思いっきり弓の弦を引いた!
そして、その3人めがけ放った!
『五月雨アロー!』
弓が25本に分裂し3人めがけ勢いよく飛んでいく。
その弓矢にジャイが気が付き、マスカットの盾になり大剣でマスカット側に飛んで行った矢を斬りつけ回避するも、ジャイに1本、マスカットに1本が刺さり悲鳴をあげた。
その隣にいた、青魔族は見事に僕の弓矢で昇天した。
「ごめん今日から一緒に頑張ろって約束したのに。もう辛い思いはさせないからって約束したのに。私のせいで、、、。」
マスカットが消えた仲間の方を向いて悲しんでいた。
その弓矢で、ジャイが山の暗影に隠れてた僕の方に大剣を向けて構えた。
その時、マスカットから悲鳴の様な声が聞こえる。
「ルートいるんでしょ。」
僕はこの声を知ってる。
思い通りにならず絶望した時にでる声だという事を。
僕は遺跡に隣接する山の洞窟から出て来た。
『マスカット!よく聞け!青魔族をみんな殺したのは僕だ。さっきいたプレイヤーはなんの関係もないただのプレイヤーだ!この人殺し野郎共が!』
マスカットがそんなまさかみたいにうずくまった。
…もっと絶望したらいい。
…僕の未来が断たれたように。
「それ以上言うな!言うならおまえを斬る!」
『斬りたきゃ斬ればいい!どうせ、ノームも、リッカも、シェリーも何食わぬ顔で斬ったんだろージャイ!!マスカット!!』
その言葉が相当効いたのかマスカットが頭を抱えていた。
…苦しむがいい。
…魔族に気持ちの軽減は無い!
…むしろ、この異世界がマスカットのトラウマになってしまえ!
…この裏切り者!
…返せ!幸せな未来を!
「マスカットをこれ以上傷つけんじゃねー!うぉー!」
ジャイが大剣を持ち僕に走って来た!
…上等だ!ジャイ!
…僕は青魔族全員を、殺した分、大分強くなってるはず。
…簡単に殺せると思うなよ。
昔あんな仲良く話した仲間に僕は弓を向けた。
「辞めてーー!ルート!お願い話を聞いて。」
そのマスカットの言葉にジャイが走るのを辞めた。
…今更そんなもの信じれるか。
…人間界の刑事さんすら騙してる癖に、、。
僕は山沿いに歩き崖のとこまで来た。
「ルート辞めて。そんな事しないで訳を聞いて。」
『マスカット!おまえと話す事など何もない!明日僕の実力で殺してやるから夜になったら、1人で青い狩り場に来い!来なければ来ないまま僕は卒業だ!まぁそれでもかまないけどな。』
そうして僕は崖の上から飛び降りた。
話をする事など無い!
嘘ばかりつかれ、
人間界で刑事さんすら騙す人間の話など何を聞く必要がある?
僕はあいつらに殺されるくらいならと、山から飛び降りて残り2日の星6の異世界を終了した。
…明日は実力で殺してやる!
…殺してやるからな、マスカット!!