√139話
〜〜〜〜ルート's side story〜〜〜〜
異世界!
2013年6月1日 AM2:00
マスカット以外の青魔族が転生されてくる当日!
ルート卒業まで後2日!
…来たか。後2日の異世界!
僕が星6になった時点で、赤神様と会話が出来なくなった。
そもそもどこに月があるのか、あの砂漠の屋上からわからない。
星5までは話は出来たが、6になった途端会話すら出来ないし、そもそも月があるのか、見えないのか、それすらわからない状態になった。
…昨日より、雨が強いな。
僕は昨日殺されたから、東のダンジョンの前に転生された。
そこには雨が昨日より、降っていた。
この調子だと明日は多分土砂降りになり、僕が居なくなった日から次の赤魔族が星6になるまで晴れの天気が続くと思われた。
…早くみんなに、、、、。
そしてダンジョンの前で待った。
30分!
45分!
雨だから日の長さがわからないから時間がどれだけ経ったかわからない。
そんな中じっと体操座りで待った。
1時間!
1時間15分
時間がわからないまま、それでも待った。
きっと来ると泣きそうになる自分も押し殺して、
じっと雨に打たれ、座り続けた。
1時間40分が経った。
…もう行こう。
僕は立ち上がった。
どういう事か理解した。
マスカットがここに転生されて来ない!
それに、みんながここにいくら待っても来ない!
それが意味する事!
…みんな殺されたんだ、、、。
…ちくしょう!
それは無いと信じたいと思った自分を憎んだ。
昨日の安達さんと話して人間を少し信じてみようと少し心が揺れた。
あの、甘いパンのせいかもしれない。
なにより人の優しさを味にしたような甘いパン!
僕は弓をしっかり握り殺意を持って立ち上がった。
時間がわからない状態で今が1時間40分過ぎたのがわかった。
そう待ってる間に体6ヶ所が光ったから。
右手右足左手左足が20分ずつ!
体、頭が30分ずつ、
星6になると全部光るから!
異世界終了から逆算して、2時間20分前に体が光る!
つまり、雨に打たれ座ってる間に1時間40分過ぎたという事だ。
…マスカット!
…キッド!
…ジャイ!
…清算の時間だ!
…殺してやるからな!
僕は東のダンジョンから上に北上して、そこから魔族しか入れない北のダンジョンの方へ歩き出した。
「すいません!」
誰かに声をかけられ振り返るとモンスターがいた。
…青魔族か?
…青魔族なんてマスカットみたいなもんだ!
…今すぐ殺し、、、。
…ちょっと待てよ!
…いい事がある!
…マスカット青魔族達を救いたいとか前に言ってたし、あの遺跡の事、魔族村とか言ってたな。
…クックック。
…マスカット地獄絵図みせてやるからな!
『どうしました?』
と、僕は何食わぬ顔で応待した。
「いや、ここどこですか?初日は殺されるって、、どういう、、」
『不安なのもわかります!僕はこの異世界にもう2ヶ月居ます。魔族村ってとこがあります。一緒に行きましょう。みんなそこに集まりますから。』
「本当ですか?ありがとうございます。」
…付いて来るがいい!
…クックック。
…マスカットと、同じ青魔族という運命を呪えばいい!
さっきの青魔族を引き連れて歩いていたら、また出会った。
青魔族に。
「あのーすいません!ここって、?」
『あっ!女の方の青魔族さん?行きましょ行きましょ。みんなが待ってる村があります。1人じゃ不安でしょう?』
「そうだったんです。付いて行っていんですか?」
『是非付いてきてください。皆さん被害者ですから、、。案内しますよ』
「ありがとうございます。嬉しい。こんな言い方に巡り会えて。」
…案内するのは地獄だ!
…クックック。
…さぞ今は安堵するがいい!
…クックック。
僕はこの時、復讐で笑うパンタのようになっていた。
自分ではそうなっている事に気が付いていなかったけど、
側からみたらパンタっ変わらなかったと思う。
後から思い返した時に復讐のパンタの気持ちを理解する事になる。
だが今は陥れる!
ハメて、絶望を味合わす!
それしか考えられず、そんな事をする事を目標とする自分がいたのだった。
歩いていく度に、青魔族が桃太郎の家来みたいに声をかけてきて、僕の後ろにどんどん増えていった。
その数10体!
みんな後ろでワイワイ遠足みたいな状態で楽しそうだった。
『ふっふっふ。』
その笑顔を見て、心で笑うのを堪えきれなく、つい顔に出して笑ってしまった。
「あなたも楽しそうですね。」
『僕がですか?楽しいですよ!みんなに会いたかったから。1人ぼっちでしたからね。異世界は。』
「あんさんの、その体が光るのはなんなん?」
『あっ!これですか?まぁ、強くなれば、光るようになるんですよ!初めは青から段々僕みたいに赤くなり、光の数が増えていきます!』
「おっーーー!!」
他の青魔族から歓声があがった。
そんな時だった。プレイヤー3人がマップを持って走って来た!
多分僕の星6がプレイヤーのマップに写り慌てて走って来たのだろう。
僕もそこらへんは赤神様に聞いていて、自分が今経験値6倍モンスターっていう事を理解していた。
…丁度いい!
…ただの赤魔族と思うなよ!
…最先端近くまでレベル上げだんだ!
…そう簡単に負ける訳が無い!
「おいっ!マップの点に向かってきたら、星6以外もいっぱいいるぜ!最高だツイてる!」
プレイヤー3人が武器を抜いた!
後ろの青魔族が怯え、怖がっているのがわかる。
『みんな大丈夫だから!僕がみんなを守るから!』
僕はみんなの前で全員を守りますオーラ全開で弓をオーバーアクションで構えた。
「こいつ弓で戦う気だぜ」
プレイヤーが僕の実力を知らずに馬鹿にする。
「早く倒してガッツリ経験値ゲットしちゃおうよ!」
「星6は初めてだな!ワクワクする!行くぜオラ〜!」
そういうと3人が全力で武器を構え走って来た!
…来た!
…あの武器シェリーが大分前に使ってた武器だな!
…って事は弱いなレベル10〜15くらいか?
…殺さない程度で行こう。
『五月雨アロー!』
僕が、まとめて放った矢3本が技で15に増え
【グサっ!グサっ!グサ】
プレイヤーの足に刺さる!
当たり前だ足を狙ったから。
「痛っーー!」
「こいつ技使えるのかよ!めっちゃ強えー!」
「ダメだ勝てないよ!逃げよ逃げよ!」
【タッタッタッタッ。】
足付近に弓が刺さったプレイヤーが、HPカプセルを飲みながら矢を投げ捨て逃げていった。
「おっーー!すげー!」「カッコイイ!」「素敵!」
色んな歓声が湧き上がった。
『みんなわかってると思いますが、自殺してここに来てるんですよね?』
青魔族のみんなが後ろめたそうに顔を見合わせみんな一言も話さなかった。
『自殺して、異世界でも殺されるなんて、おかしい!強くなるんです!僕のように!』
「そうだ!」「もう負けない!」「やってやりますわ!」
みんなが奮起して、僕をまるで神様のように見ていた。
…もう負けない?
…クックック。
…負けるんだよ。
…やってやりますわ?
…クックック。
…何も出来ず、マスカットの手の上で遊ばれていた昨日までの僕と同じなんだよお前たちは。
…アホ共め!
…マスカット!処刑場までみんな連れてってやる!
…待ってろ!
…シェリーの恨み!
…クックック。
…ノームの恨み!
…クックック。
…リッカの恨み!
…クックック。
…クリアスキル4の恨み!
…クックックックック。
…オレから未来を奪った恨み!!
『ふっあっはっはっはっは。』
…雨音よ。お願いだ。頼むから僕の笑い声を消してくれ。




