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ゴブリン魂  作者: チャー丸
ユッティ's side story
275/534

114.2話 キッド's side story



〜〜〜〜キッド's side story〜〜〜〜



「後どんくらい待つんすかね?暇っすねー。待つだけって暇なんで隣のダンジョンでも行くっすか!オレらだけで。」


パンタが草をむしり、ホイホイ投げながら話していた。


『そーいうわけにもいかないだろ?勝手に入ってパンタ死んだらオレがルートにキレられるだろ?』


「そうっすかー?意外とキッドっち真面目っすねー!!」


『そういう訳でもないけど。』


確かに、パンタが言うように待つ方は暇っちゃ暇なのは事実だ!


『なぁ、パンタ!』


「なんすっか?キッドっち。」


『パンタってさ、レベルいくつなんだ?』


「オレっすか?いつもダッシュで村出てくからよくわかんないっすけど、多分っすよ!前25だったんで今は28くらいっすかねー。キッドっちとジャイっちはどんくらいっすか?」


『オレもジャイも多分37くらいだと思う。』


「バリ強いっすねー!」


『リッカと、シェリーは?』


「私は24くらいだと思う。魔法使いはあまり前に出ないから、パンタとシェリーの方が上がるの早いのよね。」


「オレは、、多分、、26くらい。」


『なんだよ、みんなたまにはゆっくり村でステータス体重計に乗れよ!』


「でもキッドっちも多分37って言ったっすよー。」


『オレもそんなに頻繁に乗ってる訳じゃ無いけど、パンタ達ほどじゃねーよ。おまえら他のプレイヤーのみんなに、なんて呼ばれてるか知ってるか?』


「なんて呼ばれてるっすか?」


『Bダッシュ4人組だぞ!』


「あははは。面白いっすね。言われるのわかる気がするっす。」


【ギーーー!!!】


その時、扉が内側から開く。


「随分と早かったっすね。全滅したら帰ってこない事もかんがえてたっすけど。」


『パンタ縁起でもない事を言うなよ。』


そして、3人が無事に出てくる姿が確認出来た。


「お待たせ!みんな!ルートが中でギブアップ板に乗って終わった!」


『乗りたくて乗った訳じゃないし、そういう作戦だったから、、、、』


『ルートとりあえず失敗だった訳か?』


『そうなるね。』


『じゃあ話してもらおうか?中の様子を。とりあえず3人共座れよ。』


そう言われたルートとパンタが座り、


マスカットが、歩きオレの横に来てちょこんと座った。


『マスカット!大変だったか?』


マスカットは首をブンブン縦に振っていた。


…とりあえず無事でよかった。


『じゃあ話すよ。』


そう言いメガネゴブリンのルートが話し出す。


『ここも魔族のダンジョンと同様!ランダムダンジョンとは全然違う!まずマップとかいらない!入ったら下に降りる螺旋階段があるんだ。僕達はその階段を降りて行ったらモンスターの巣みたいな場所だった。』


『どのくらいいたんだ?』


『100以上はいると思う。』


「キュキューキュキュ」


マスカットが何か言いたそうに鳴いている。


『ジャイ!通訳してくれ!』


「おう!あのな!ピッタリ200匹だそうだ!」


『マスカットなんでそんな事がわかったの?数える暇なんてなかったのに』


「キュキューキュキュュキューキュキュュキューキュキュュキューキュキュ!」


「階段に数字があったでしょ?そこの数字はモンスターの数字で5体倒す事に1段ごとに光が消えていってたから。だそうだ。」


「キュキューキュキュュキューキュキュュキューキュキュュキューキュキュ!」


「何々?始めの25匹は赤い狩場と同等の敵だった!で次の25匹の時はもう少し強そうだった。25匹単位で敵が強くなりそうな感じだって。」


『ははは。全部マスカットが説明したね。中はそんな感じ。』


『でさ、ルート!今のまま、明日またここに来て、入ってクリア出来そうか?』


『まずそんなモンスターだらけのモンスターボックスだと思って入って無いからノームを後衛として連れて行ったけど、ねぇ、ノーム。』


「ありゃダメだ。オレみたいな魔法使いより、カプセル持っていきながら、前衛みたいのがバサバサいかないと!このダンジョンはオレには役違いだな。それにしても、マスカットかっこよかったな!1人で前方全部引き受けて任せろなんて男惚れしちまうぜ。」


「キューー!」

「(女だし!)」


『ジャイ!マスカットなんだって?』


「いやーなんだか、、聞き取れなかったかな?ははは。」


『ルート聞こえたか?おいっ!ジャイ!何横目でルートに合図してんだよ?前も車乗っててオレの事見つめてたけど、おまえ男もモンスターもイケるのか?』


みんながオレの発言を聞きジャイを見て座ったまま一歩後ずさりした。


ルートに至っては3歩くらい下がった気がした。


「やめようぜプライベートのカミングアウト的なの異世界で暴露とか。じゃあ言うけどよ、キッドおまえ見つめられて顔真っ赤にしてたろ?」


「『えっーーー!!』」


「そうなの?2人?」


『B、、、、。』


「キュキュキュ」


みんなが次はオレの顔を見て一歩引いたように後ずさりする!


マスカットだけはなぜか大笑いしていた。


『んな訳ねーよ!BLでも無い!』


「そうか?キッドおまえ美容室のニューハーフの千尋さんに見つめられた時も顔真っ赤にしてあん時は鼻の下のばしてだろ?」


「私BL興味はあるけど、まさかこんな身近にいるなんて。」


『リッカ!違うから!ジャイおまえ、前オレが家でやった倍返ししたな!』


「なんのことかな?因果応報って言葉知ってるか?ははは。」


『ちょっと待てみんな、まずそんな、ばい菌を見るみたいな目でオレを見るのを辞めよう!』


「なんか犯罪者の釈明会見だな。」


『ノーム!いや、オレの場合、今被害者だからな!』


「キッドっち喧嘩売ってボコボコに返り討ちにあった感じっすねー。」


『いやいや喧嘩売ってないから、ってか喧嘩負けた事ねーし!』


「喧嘩負けなしのキッド君がジャイさんとBLなの?普通に萌える。」


『リッカどんな性癖してんだよ!残念だがその性癖の期待に応えてあげられなくて残念だ!』


「キッド君ちょっとだけでいいから見つめて見てよ。」


『嫌だよ!なんでだよ!どんなドラマに男同士が見つめるドラマがあるんだよ。なぁ!ジャイ!』


「いつでもいいぞ!」


『「おっーー!!!」』


『おっーーじゃねーし!感心して声出すな!ジャイ悪ノリが過ぎるだろ?』


「いや キッドが赤くならなきゃみんなが信じるかなって。」


「ちょっとやるの?」


リッカがグイグイ前に来る。


『リッカってこんなキャラなの?』


『僕も初めて見た。』


「滅多に見れないじゃない!しかも見て、超イケメン同士だよ!もう完璧!早ーく。」


『見てもいいけど、ちゃんと赤くならなかったらおまえらオレの言った事信じろよ!』


ジャイが寄ってきた。


『ジャイ近いんだが。』


「いやお客様の期待に応えるサービス精神が親父のウリだ。」


すでにリッカの頰が赤くなっている。


いつの間にかリッカの隣にマスカットが座っている。


「いつでも来い!」


『なんでだよ!何を間違えてこうなった!不良だったんだぞオレはこないだまで!』


覚悟を、決めて一歩前に出た。


…顔ちけーよ!


…綺麗な顔だな。


立ち上がりジャイとハグする近さで目があった。


…イケメンだ。


…はっ!ダメなんだこれ!前も同じ男も女も無差別に落とす目にやられたんだ!


その時ジャイが、目を瞑る!


「キャッー!するの?」


オレはすぐジャイと離れた。


『するわけねーだろ!はい終了だ!満足したか?これでオレは女が好きだってわかったか?』


「キッド君!真っ赤だよ!顔!」


…マジか?


『じゃあリッカおまえがジャイと見つめてみろよ!どれだけ殺傷能力のある視線か感じてみろ!』


「えっー?私は大丈夫だよ。そこそこ遊んでいたし。」


『ジャイまだ大丈夫か?』


「大丈夫も何も、オレは立って見てるだけだからな!」


『本気でやってみてくれ!ジャイ!あの緑さんと、小林先生にやった懇親会の会場みたいに。』


「わかった。」


オレとタッチして、リッカが立ち上がる。


「リッカ、キッドが本気でやれって言うから腰に手を回していいか?」


「いいけど、別にそのくらい!」


『じゃあよーいスタートで開始な2人とも!見つめあって、行くぞ!よーい、、』


【ドサッ!】


リッカが頭から湯気を出して、昔のマイミみたいに顔を空焚きヤカンのように真っ赤にして倒れた。


「あははは。半端ねー!!」


ノームやみんなが大騒ぎしている!


『どんだけだよジャイ!まだスタートもしてねーし!』


「本気でやれって言ったろ?」


倒れたリッカがマスカットに支えられ起き上がる。


「これ絶対無理!性別関係なく無理!私今一瞬だけどジャイさんの為なら死んでもいいやって感覚になった、、、。」


「『どんだけーー!!』」


『人間凶器だろ?リッカ!』


「これは信じるしか無いかな?キッド君は悪くないかも。」


『だろー!!』


そんな話をしていたら、うちのチーム1負けず嫌いがジャイの前に立つ!


『マスカットやんのかよ?おまえ本当負けず嫌いだな!そのノリ好きだわ!おいっ!ジャイモンスター化した青魔族にもイケるのか?おまえの熱視線は!』


「わからん!やってもいいけどマスカット腰デカくて手が腰にまわんねー。マスカット中腰になってくんない?」


『ヤバイ伝説が生まれる気がする!ジャイ!用意はいいか?マスカットも!』


2人が今にもキスする距離感で見つめあった。


『行くぞ!よーいスタート!』






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