112.2話
またもハニワと土偶との戦闘になった。
氷の槍みたいな魔法が、ルートが引きつけてるおかけで飛んでこないだけでこんなに楽なのかと思ってしまった。
私はハンマー側を多用して、飛ばし、飛ばしを10回フルスイングした所で、ハニワが透明な宝石1つに変わった。
そんな所でルートと合流し、
状況は2対1の形成逆転になり、超強力雷魔法も唱える暇さえ与えなければ土偶なんて大した事もない。
私達は追い詰め、結局土偶も最後は肉弾戦になり、斧でトドメを刺し透明な宝石1つに変化した。
そして倒した瞬間七色に光っていた壁の器の炎が普通の色に戻り、巨大釜の前に宝箱が出る。
巨大釜の虹色の炎はそのまま、1:38:48から1秒ずつ減っていた。
「ルート!終わったね。」
『そうだね。マスカットがいてくれたおかげだ。ありがとう。』
「いやいや。私は全然。青神様のおかげだから。ルート、続き聞いてもいいのかな?」
『わかった。でも必ず誰にも言わないというマスカットを信用して話すんだからそこは守ってほしい。でないと僕達は全員逮捕される。』
「えっ?そうなの?、、、、、わかった。絶対言わない。」
そして宝箱を開ける前に約束していたルートが重い口を開いた。
『教室で先生が倒れたとこまで、話したよね。先生は自分の講演があって、別荘に泊まってから帰ってくる所をうちらが実験を成功しそうだと連絡したら、別荘に泊まらず帰ってくる連絡が来たんだ。ただ泊まらず帰るから大学の研究室に着くのは21時になるって着いたら電話するって言われた。そして寮で待っていても何時になっても連絡が来ず日付けが変わる頃コンビニに買い出しに出たノームと、パンタが研究室に明かりがついている事に気が付いて、寮でその話を聞き、みんなで研究室に行ったら先生が泡を吹いて倒れていて、もうすでに死んでいたんだ。そこで薬品間違いに気が付いた。みんな絶望した。もう未来は無く殺人者としての未来しかない事に。そんな中パンタが、別荘の側において来ちゃえば大丈夫っすよ。って言葉に僕達は死体遺棄の罪を更に追加した。その日全員パンタ以外ご飯すら喉を通らなかった。パンタだけは普通だった。そして神様なんとかしてくださいと祈り続けた。その夜全員が転生された。僕だけが赤魔族だった。初めの質問でこの状況をなんとか出来るのかと聞いたら方法は3つあると言われた。その日はその回答で終わった。』
「ふーん。そうなんだ。」
『なんだ。意外とビックリしないんだね。』
「人の死とか間近で色々経験してるから、私も青魔族だし、、、。」
『そっか、マスカットも自殺者だもんね。』
「で神様3つの方法はなんだって?」
『クリアスキル、2、3、4、を使う事だって言われた。そして1日1つの質問しか出来ない中、時間をかけて全部聞いた。その中で過去に行くクリアスキル4が1番リスクが少ないってなったから、、。』
…4はキッドが持ってるやつでしょ?
…じゃあ2と3は?
「2と3でも助かるの?」
『、、、、、、、、、、。』
「どうしたの?言いたくないの?」
『2と3は、、、、死ぬんだ、、。』
「どういう事。」
『このダンジョンの中で話した事全て人に話さないなら話すけど、スキルも含めてこれはうちらが時間をかけてやっとここまで来たから、、、。』
「わかった。話さないまま私は青魔族を卒業する。」
『じゃあ話そうか、、、。まず2のスキル表紙に滅って書いてあるスキル。意味的には破滅の滅。もう1つ代の本があってこれがクリアスキル3になるんだ。両方赤魔族しか使えない。赤魔族はなんで転生されるか知ってるよね?』
「殺人関係でしょ?」
『そう。この殺人をなかった事に歴史を改変してくれるスキルそれがこの2つ。そのまま卒業となるんだ。』
「最高じゃん!1番最高なんじゃないの?」
『そうでもない、、、2は使うと赤魔族の人間界の命、存在そのまま消える対価で殺してしまった人を生き返すんだ。僕は初めから生まれてなかった存在となる、、、、。だから使ったらいきなり死ぬ事になるにはなるんだけど、でも、この場合クリアだから、100万倍辛い死後の世界に行かなくて済むんだ。僕は赤魔族だからクリアしない限り、100万倍辛い死後の世界が待ってる。諦めて恨みを買いまくって卒業しても、人間界で死んだ後そんな世界が待ってるなんて思うと生き地獄でしかない、、、。赤魔族だけが、クリアしない限りその誓約がつきまとうんだ。ずっと。赤魔族はだから自分が死後100万倍辛い未来に行かないように頑張るしかない。』
「2、3は一緒なの?」
『2、3の違いは自分が死ぬか、自分にとって1番大事な人が死ぬかなんだ。3の代は漢字の如く代わりに死んで貰う自分の1番大切な人に、その対価で、赤魔族になった人が生き返り殺人がなかった事として、歴史が進む。2、3の大きな違いは2を使えば僕はいなくなるのに対して、3は死ぬだ。ちゃんと大切な人は存在事なかった事にはならない。ちゃんと自分で殺した想いを背負って一生生きなければいけない。2、3も使えば100万倍辛い未来には行かなくて済むは済む。』
「ふーん。4はあれでしょ?過去に行くやつでしょ?」
『凄いね。マスカット僕以外知らないと思ってた。』
「わ、、わ、、私は青神様の特別な存在だからね。初めて転生される時に好きなだけ質問できたからね。はははは。」
…知ってたって言わなきゃよかったかな?
…もう言っちゃったよ。
『まぁ、そんな感じかな?』
…キッドがスキル本持ってるのに大丈夫かな?
キッドが過去に行くスキル本を持っているのに、私はルートの方を向き
「上手くいくといいね。応援する。」
『ありがとう。』
というやりとりをした。
私はこの時キッドがスキル本を持っているのを隠し、嘘の応援をした。
この偽りの優しさが、応援が、後々悲しみを生む。
私は後悔するんだ。
後悔は先に立たない。
立つとわかっていれば、この時こんな偽りの優しさなんて言わなかった。
この時の私は、キッドのスキル本の数が減るのを懸念して、キッドの為に偽りの言葉をはいた。
この時の選択はこれがベストだと思ったから。
「じゃあ宝箱を開けようか?」
『そうだね。これがクリアスキルならいいな。』
私とルートは宝箱の前に立ち2人で宝箱を開けた。
奥の巨大釜虹色炎が普通の火に変わり時計のカウントダウンが消えていき、入り口の扉が開き、炎が逆の順番で消えていく。
私は宝箱にあるなんだかわからない本を手に取った。
そしてルートに見せた。
『そんなに人生甘くないかぁ。』
「そうだね。ルートこれいる?」
『いらないかな?なんとかする方法を知ってるんだ。僕は。大分裏技みたいな卑怯なやり方だけど、今は星4だけどその裏技のせいで余裕かな?リッカが覚えてくれれば無敵かも覚えたらもういらないけどいる?』
「頂戴。」
『わかった。とりあえず出よう。』
私とルートは明るく外が見えない逆行の出口に向けて戦利品を持ち歩き出した。
外に出るとみんなが立って待っていてくれた。
私は自分で戦利品で得た本を上にあげた。
「『おーー!!』」
『やったかマスカットさすがだ。』
「マスカットよくやった。」
「ルートっちナイスっす!」
「念願叶ったか?ルート!」
「ルートさん。やったね。長かったね北のダンジョン制覇まで。おめでとう。」
「おめでと、、、、ルート。」
『なんの本だった?ルート。』
『魔族しか入れないだけあって、これ光を消すスキルだって。』
…キッド!
…キッドが覚えたやつだよ。
…あの昔の青魔族の時キッドが覚えたやつだよ!キッド!
キッドが、気がついたようだ。
『ルートおまえ、これいるのか?』
『マスカットが欲しいって言うからマスカットにあげる事にした。ただその前にリッカ!これ覚えてくれないか?レベル27のリッカならそんなにかからないんじゃないか?リッカが覚えたら、マスカットにあげるよ。僕はクリアスキル以外興味が無い。』
『そうか、、わかった。どこで覚える?』
『そうだね。この側に青い狩場があるからみんなで倒しに行かない?その間リッカが外でそのスキル覚える感じでどう?』
『わかったそれで構わない。ただオレの地図にはその狩場載ってなくて知らない場所だから連れてってくれ。』
『わかった。じゃあ行こう。』
みんなで5分位歩きそこから森に入って行った。
『すげーなこんなとこ入って行ったのかよ。』
『そうだね。昔プレイヤーから逃げて入って行ったんだ。そしたらたまたま見つけたんだ。追ってきたプレイヤーは狩場見つけた嬉しさで僕を追うのをやめて狩りをして、僕は逃げられたって話なんだ。ついたよ。』
…めっちゃ広い!!
…私とキッドが狩りに行った村の側の赤い狩場より大きいかもしれない!
『めっちゃ広いな!』
『でしょ?赤以外で青い狩場でここまででかい狩場は無いと思う。多分70体はいる!僕は赤魔族で魔法も使えないから弓しか使えないけど、いいかな?後、マスカット、うちのリッカに本を渡してあげて。』
私はスキル本を唯一の女プレイヤーのリッカに渡した。
『ルート、最先端のヤバさみせてやるよ!なぁジャイ!マスカット!』
キッドが細剣を抜いた。
「肩慣らしに丁度いいな。ただこれだけの人数で狩る事が初めてだから少し大人気なくワクワクする」
ジャイがまだ慣れてない大剣を抜いた。
「キューキューーー!」
「(私もワクワクするー!)」
アックスハンマーを構えた。
「おい!マスカットだっけか?昨日は悪かったな。おまえが死にそうにならないように援護する!おまえの張り手最強だった!まさか、一緒に戦う仲間になるなんて思わなかった。おまえが何言ってるかオレは会話のスキルを使って無いからわかんないけど、昨日の敵は今日の友って事でルート組も全力で行く!マスカット!それにその2人もよろしくな!」
…ノーム、、、。
…意外といいやつじゃない、、。
私は片手で親指を立ててノームにOKサインを立てた。
「ノームっちが自ら謝罪なんて明日は雪っすかね?」
パンタが鎌を構えた
「見せて、、、やるぜ、、。」
シェリーが珍しい先が3本に分かれてる槍を構える。
『みんなやる気満々だね。じゃあリッカ頼むね。』
「わかったわ。早く終わったら私も参戦するから。」
「リッカがいなくてもオレが全員死なせねーから大丈夫だ!回復補助は任せろ!」
全員の用意が万端だ。
待てなかった。
「キューキュキュキュキューキュー」
「(マスカット様の参上だぞー!)」
『またマスカットかよ、、、ったくしょうがねーなー。』
『僕はこのセリフを聞くのは2回目だ。ははは。』
私の跳躍からみんなが70体の青い狩場のモンスターに向かって走って行った。
全員が、笑いながら狩りを楽しんだ。
ここは異世界だから、、、。
辛い気持ちも嫌な気持ちがあっても、、、
軽くなりみんなが笑顔になれる。
ルート組はこのモンスターを一掃したことはなかったようだが、私達が加わりカプセルは使用はしたものの全てのモンスターを倒しに円状に立ちハイタッチした。
みんな嬉しいが凄い顔に出てて、笑顔だった。
多分全員がこのまま、人間界に戻らないで異世界で狩りをしていたいと思ったその想いで更に意識が繋がっていたような気がした。
こうして狩りを終わらせて、リッカが光りを消すスキルを覚え、
みんなでまた魔族ダンジョンまで戻り、そしてワイワイ話しながら南下し、池まで戻り、そこでルート組みとは別れ、時間は過ぎて行った。
明日はもう1つの池で待ち合わせとなった。
キッドがルートと別れる時にルートにどこにいくんだよ?と聞いたら、僕は赤魔族だからと答え、東側に歩いて行ってしまった。
私とキッドとジャイは池で色々話しながら、とはいえ私は聞くのと頷くだけだけど楽しく時間を過ぎていった。
未来に向けて少しだけど光を消すスキル本を、ゲットし前に進んだ私の異世界4日目だった。