110.3話
私達は3人ではちゃめちゃで、暴れまくった。
『いやー暑いー!!』
「だな!真っ青って言っても結構疲れるのな、、、。」
2人が上着を脱ぎ始めた。
…ちょっと、、、。
目を覆いたくなる光景に、目を覆いたくない本心が嫌々と言いながら顔を隠した指の間から見てしまう。
…2人共腹筋割れてるー。
上半身裸なキッドが近づき
『マスカット!おまえが1番暑そうだな?脱ぐなら手伝ってやろうか?』
そういい手を伸ばして来た。
…変態!
…来るな、、、。
『って近づいたけどあまり脱ぐとこねーじゃねーか?』
「意外と後ろにチャックでもついてて着ぐるみみたいに脱げるかもよ」
『そうなのか?』
…そんな訳ないでしょ!
…ってか近い!
…肉体が近いよ、、。
私はキッドの方を見ないようにして首を横にブルブル振った。
『だよなー!!』
そう言うと私の前からやっと離れていった。
…めっちゃドキドキした。
「キッド!おまえキャラの癖に筋肉凄いな!」
『だろ?人間界でも筋トレでもやろうかな?』
「マッスルっぽいポーズして見ろよ!」
『こうか?』
キッドの筋肉が異世界の太陽に反射して輝いている。
…私はこの光景を見てていいのかな?
…こないだまで小学生だった私。
なんだろう。
男子がいやらしい本を見て鼻血を出すのなら、
私は今多分鼻血を出してもおかしくない状況にあると思う。
凄い刺激に、私は人間的に大人の階段を1段登ったような気がした。
上半身だけ脱いだ2人がそのまま、狩場の真ん中の芝生の上で寝っころがる。
私だけがその寝っころがる2人を見て座ってるそんな感じ。
『気持ちいいな。最高だ』
「そうだな。揃ったなこの3人が
。」
『楽しみっちゃ、楽しみだった3人で冒険できるのをオレは待っていた様な気がする。』
「はははは。異世界に来て、3ヵ月!久しぶりに増えた仲間が魔族とはな。笑えるけどな。」
そういい2人は暫く空を寝た状態で眺めていた。
私はそんな青春のように思いにふける2人を見つめていた。
『そうだ!ジャイ』
そう言いキッドが飛び起きる。
『ジャイ会話出来るスキル覚えたよな?』
ジャイもゆっくり起き上がって来た。
「あっ?!覚えたぜあの時!」
『わりぃんだが、マスカット話しするのめっちゃ嫌がるんだわ!スキルなるべく使わないでくんないか?』
「そうなのか?」
そう見るジャイに私は強く頷いた。
「そういう事だ。オレは会話したかったんだけど、勧めたら怒って本捨てられて懲りた。オレは嫌がる事を絶対強制しない!それが仲間だろ?」
「わかった!じゃあ明日から使う時は言う様にすれば問題ないな?」
…私にきいてるんだよね?
私は頷いた。
…ジャイ会話のスキル覚えてるんだ!
…過去のジュンって人が死んじゃった異世界の話は事細かく話聞いたけど、
…今の異世界の話キッドあまりしないんだもん!
…私さっき叫んじゃったよー!
…聞かれたかな?
…私って気がついてたら、私の前で上半身裸になんかならないか、、。
…でも明日からはより一層気をつけなきゃ。
「そーいえば、キッド村からいつも真っ先に飛び出して行く4人組知ってるか?」
『あー!あいつら有名だよな。』
2人が上着を着ながら話をしていた。
「オレな、あいつら今日つけてみたんだよ。どうせキッドとは冒険できないと思ったから。」
『ふーんそれで?』
「聞いて驚けよ!あいつら魔族のゴブリンとつるんでる!」
『マジか?それ?』
「しかももっと驚く事がある!あいつらゴブリンとプレイヤーで会話をちゃんとして、しかもクリアスキルを探していたんだ!」
『マジか?どこからその情報を、わっ?ヤバイもうこんな時間か?』
周りをみると倒したはずのモンスター達が、透けて復活する寸前だった!
そしてどうする間も無く、モンスターが戦闘体制に入る!
『ここはマズイ!真ん中だ!この狩場の全モンスターが真ん中に向かってくる!西側10体はオレが引き受けとくから、ジャイ!マスカットで魔族通り側倒してこっちに加勢に来てくれ!クッ!話しし過ぎたなうりゃー!』
キッドが10体に1人で向かって行った。
「マスカット!真っ青とはいえ、キッド1人で10体は死ぬ!早くこちらを片付けて加勢するぞ!」
ジャイが大剣を構えた。
「カッコイイだろ?マスカット!おまえの武器がでかいの見て、でかい武器ならキッドと仲良くできるのかとあやかって武器かえたんだぜ!じゃあ行くぞ!やー!!」
…ジャイ、、、。
…キッド今行くから!少し持ちこたえて!
…やー!!!
私も強く武器を握りジャイと同じ方に向かっていった。
戦い慣れてるやはりジャイとキッドは強い!
ジャイと連携を取りバッサバッサ狩った!
流石に3回目だと、強いけどこのモンスターの動きの傾向がわかる!
それが救いで魔族村通り側を一掃した!
…痛い!
「マスカット!やられたか?カプセル2つ飲んでキッドを加勢に来い!」
そういうとジャイが先にキッドの方に加勢しに走っていった。
私もキッドに貰っていたカプセルをのみ、遅れて走って向かった。
とりあえず無事死にはせず一掃出来た、、
『流石に青狩場3回目は疲れるわ!』
「どこか移動しないか?」
『そうだな。とりあえず池でどうだ?マスカットとの待ち合わせ場所がいつもそこだから。』
「いいぜ!行こう!」
『マスカットもそれでいいか?』
…うん!
『今日は頷くだけか?やたら大人しいな!いつものキューの鳴き声はどうした?まっいっか?とりあえずジャイ!さっきの話歩きながら聞こうか?』
そういうと全員でカプセルを飲みながら魔族村通りに出て、池の方に南下を始めた。
「あいつらクリアスキル4を探してるって言ってたな」
『4ってジャイひょっとしてあれか?』
「ああ、あれだ!あれがあそこにある以上ドロップする事はないんじゃないか?」
『でも、あれは前のやつだろ?ここにはここのやつがあるんじゃないか?』
…私にわからないように話してるんだ。
…どういう意味か全部わかってるけどね。
…前の異世界から持って来たスキル4があるからこの異世界じゃドロップするか、しないか?その話だよね。
…私の推測なら無いね!
…ドロップは無い!
…あくまで予想だけど。
…会話に参加したいけど出来ない!
…ジレンマだぁ!
『なんでクリアスキル4なんだ?』
「4の意味を知っててそれを求めるやつの理由なんて、長さがどのくらいかわからないが、一緒だろ?」
『確かにな。どういう理由だけかは気になるな。』
そんな感じに話していたら、道の木の上から何かが投げつけられ飛んでくる!
『なんだ?これ!』
飛んで来た物がたちまち煙をあげる!
『煙玉だ!』
いきなりの不意打ちに何も出来ずたちまち何もみえなくなる!
『大丈夫か?ジャイ!マスカット!』
「なんも見えないが大丈夫だ!剣を抜いとけみんな!」
「キュ!」
「(大丈、、)」
「それ以上話すな!喋ったら刺す!あの2人には用は無い!付いてきてくれあんた青魔族だろ?大人しくしとけば危害は加えない。」
背中になんか尖がった物が当たっていた
…私は死んでも生き返れる!
そう思い!
「キューーー!!!」
「(キッドーー!!)」
叫びながら!肩に背負ってた、武器を回転しながら確実に斬りに行った。
誰だかわからない!
後ろにいるのがプレイヤーかもしれなかったが迷いはなかった。
「チッ!」
そう言いながら後ろに飛び退いた。
「おまえら失敗だ引くぞ!」
『どこにいる!誰だ?正々堂々こいや!バカヤロー!!』
逃げていく足音が複数聞こえる。
…なんで私に用があるの?
…さっき私剣突きつけていたやつ顔隠していたけど。
…声は覚えたから!
…絶対許さない!
徐々に煙が流れて視界が晴れていく。
…痛い!
斬られた事に今気づき片膝ついた。
…私あの振り向く時、跳びのきながら少し斬られたんだ!
『マスカット!大丈夫か?』
「マスカット!」
2人が慌てて、近づいて来た。
…あまり大した事はないかな?
『とりあえずこれ飲んどけ!』
私はまたHPカプセルを飲んだ。
身体の傷はみるみる塞がり、痛みも消えていった。
『マスカット大丈夫か?』
…大丈夫だよ。
私は片膝ついた状態から立ち上がった。
『わりぃ!オレが付いていながら、、、。』
そういわれ抱きしめられた。
…大丈夫、、、。
…大した事ないから、、、。
私はキッドに肩を触り池の方を指さした。
『そうだなとりあえず池で話そう。』
そういうと、キッドが離れ、池に向かい歩きだし、
逆にジャイが寄って来て、頭の方をこっちに寄せろと手招きされた。
私は言われた通り、ジャイの顔に顔を近づけた。
「後で病室に聞きにいくからな。」
そういうとキッドを追って歩いて行った。
…はぁ、、、。バレちゃったか。
…私はダメだな。隠すとか本当向いてない!
…光にもバレたし、。
…でも空気読んでキッドには言わないでくれそうだからそれはいいのかな?
…さぁ、私も行こう。
私達は池に行き、誰か思い当たる節が無いかとかジャイとキッドが話してるのを聞きながら、キッドに青い光を消して貰い、明日もここで集合!とりあえず個人で動かないようにしようと決まり、今日3日目の異世界は終わり、私はジャイの言った通り病室に戻るのであった。