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ゴブリン魂  作者: チャー丸
ユッティ's side story
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109話




帰りに文房具屋に寄って貰い何を買うのか聞かれノートと答えたがノートはフェイク!


実のメインは封筒と手紙だった。


この後すぐ使う事になる手紙と封筒を何通か購入した。


あの私の作戦の時に使ったのと同じタイプのやつを10セット。


そして病院に帰り、今は宿泊所化してるジャイの休憩室を借りパソコンの使い方を教えて貰い、ジャイを追い出した。


まるで鶴の恩返しのように、見たら絶対ダメだからね!と釘をさしたら、ジャイはとりあえず小林先生のとこに挨拶に行くと言って出て行った。


…さて早くやらなきゃ。


…私は異世界では言葉が伝えられないからね。


…ゴブリン一生懸命描いても鬼って言われたし。


…しかも私は異世界に行ってる事を、キッドに知られちゃまずいから私が書いたってわからないようにしなくちゃいけないのかぁ、、。


…さて、どう書こう?


…どう書こうか?


…未来のキッドから?


…ダメだなぁ。無い無い!自分の性格がわかってたら手紙読んだ時オレこんな書き方しねーしとかなる!


…キッドはこっち側で手紙をだしていた人間だからなぁ。


…自分からの手紙はきついなぁ。


…何も知らなければそれでも通じるような気もするけど、、、。


…うーん。何かいい方法は、、、。


ゴロッとよこになった、、。


横になったら、自分が薬で死んだ記憶が蘇る。


…こないだここで走馬灯みながら私は1回死んだんだっけ?


…そして、青神様にあって、、、


…んっ!?青神様?


…あっそうだ!青神様から手紙が来た事にしよう!!


…それはいい!最高の案でたね。


…さすが私!


…みんなが私を褒めるだけはある。


そして、伝えなきゃいけない事を書き始めた。


…えーと。今回は赤魔族として、ゴブリンが異世界にもういる事と、


…後あれだよ!なんだっけ?えっーと、そう!!魔族しか入れない洞窟の中にハニワと土偶がいるって。


…神様を勝手に語ってバチとか当たらないよね?


…じゃあ書こうかな?


そしてPCに向かい、青神様が話しそうなイメージで書いていった。


““““キッド頑張っていますか?青神です。他の神様に内緒で、手紙を書いています。見たら必ずビリビリにして、捨ててください。

あなたの力になりたいので、今わかる事を教えます。””””


「ちょっとどうなの?かなりそれっぽいんじゃない?いい感じ!よし続き続きっ!」


““““まずキッドあなたは赤魔族はいないと思っていますが、赤魔族はすでにゴブリンとして存在しています。あなたのマップに写らないとこで行動しています。気をつけてください。

後マスカットが冒険に行ってるダンジョンですが、ハニワと土偶がいきなりボスとして、出て来ます。土偶はそれなりの魔法を使います。ハニワは近接戦です。マスカットは先日土偶の雷魔法で死にました。どう攻略したらいいかマスカットの力になってあげてください。””””


「よし!これでいっかなぁ?」


これでいいかと思ったらとんでもない悪知恵を思いついてしまった。


…えっー!そんなの、、、。


…書いたらダメだよね。


…でも、、私頑張ってるし、


…書いていいかな?神様を語って。


…ダメかな?後で異世界を卒業する時に青神様に怒られるかな?


…その時はその時怒られよう。


…青神様ごめんなさい。利用させて貰います。えへっ。


そして書くはずじゃなかった続きを書き足し始めた。


““““後、マスカットはウサギのような心を持ってます。もっとスキンシップをすると””””


書いていながら想像してだんだん顔が真っ赤になっていくのがわかった。


…どうしよう異世界でずっと抱きしめられたりしたら。


…そしたら、私ずっとマスカットでいいかもキャー。


…この部屋暑いなぁ。もうっ!


いろんな妄想が渦巻く中恥ずかしくなりながら打ち込み続けた。


““““スキンシップをしてあげると喜びます。ギュッとラビを抱くようにしたり頰を撫でると喜びますよ。””””


…最高!


…今すぐ手紙渡して異世界に飛んで行きたいよ。


…そうだ!もし青神様の手紙を信じるなら


““““あなたが今いる、病院の人間界は現実です。そこにいるみんなは必ず裏切りません。私がそう言っても信じれないかもしれませんが、自分の目を信じてみてください。あなたが殺され続けたのは、あのスキルの本のルートから外れたせいです。今はまた人間界に戻って来たから大丈夫。早くみんなと仲良くなり、また笑ったその笑顔を私青神に見せてくださいね。””””


「ちょっとーー!完璧ー!!」


「完璧過ぎる!!明日頰触られたらどうしよう!それも完璧!もう生きてるって楽しすぎる!死ななくて本当よかった。さて手紙に印刷して、。」


私はプリンターに手紙を入れ印刷した。


…あれっ?ズレちゃった。


…まぁいっか、、。


…さて私は渡せないし、ジャイには頼めない。緑さんしかいないかな?


…まだいるかな?


私はPCの自分の書いた文を削除して、買って来たノートに手紙を挟み、ジャイにバレても大丈夫なようにカモフラージュをして、部屋を出た。


出ると挨拶を、終えたジャイが手を振りながらこっちに歩いてくる。


…ジャイ!グットタイミング!!


私も手を振った。


「ジャイ!看護婦さんの緑さんに会いたいんだけど。」


「休憩室の内線から聞いてやろうか?」


「お願い。」


「ちょっと。そこでそのまま待ってろ。」


そういうとジャイが自分の休憩室のに入り、少ししてすぐ出て来た。


「今日は5階のナースステーション勤務だそうだ。ユッティが会いたいって伝えたら待ってるって言ってたぞ。」


「わかったありがとう行ってくる。」


そう言ってはしりだした私を、


「ユッティ!」


このジャイの一言で呼び止められた。


「んっ?何?」


「オレこの後キッドの家で美由紀さんと遥さんの様子を見に行く予定だけど、用事済んだらユッティも行くか?」


「いや、私はピアノの大会とかで疲れたから、私は辞めとく。お母さんとお姉さんによろしく伝えて。」


「わかった。伝えとく。」


「ジャイ頑張り過ぎだから、あまり無理して倒れちゃダメだよ。」


「わかってる。でも元気なのは今オレだからな。何かオレが出来る事をやってやりたいだろ。ユッティだってそれで今オレの部屋で何かしてたんだろ?詮索はしないけど、だから動けるうちはオレはあいつ親友の為に色々やってやりたいんだ。異世界じゃ何も力になってやれないのが、辛くてな。」


「ジャイ、、、。」


「無理はしてないから大丈夫だ。電話もしてあるし、唐揚げも食べたいと言ってある。キッドが元気になった時、美由紀さんと遥さんとの間に溝が出来ていたら、キッドがかわいそうだろ?オレはオレに出来る事であいつを支える。強いふりしながら、繊細で、それでもだれより仲間思いなやつだからな。だから傷つくんだ。人以上に。そしてそれを、優しいから1人で抱え込もうとして、余計傷つく。オレらだけでもキッドの中の中までわかった上で周りを含めて支えてバックアップしてやらないとな。」


「そうだね。いつもデリカシーない事言う癖にたまにはいい事言うじゃん!頑張ろ!目標は一緒!今はキッドを、救って、元気になったらキッドの夢を叶える為に、、。」


「ああ。じゃあ行くな。なんかあったら電話しろよ。」


そう言うと後ろ向きで手を上げながら、ジャイがキッドの家に向かう為に歩いて離れていった。


…私も渡さなきゃ。


…5階で緑さんが待ってる。


ジャイと逆方向に向かい歩きだす。


異世界ではキッドと背中を預け戦っているが、


今後ろを向いて歩き出した時、人間界では今ジャイとそんな感じで難題と戦っている。


そんな感じがした。


そして5階に行きナースステーションに行くと緑さんが待っていてくれたので手招きして呼び出した。


「緑さんこれ、キッドにわたしてくれません?しかもキッドにわからないように、キャビネットの上にそっと置いてきてもらえませんか?」


「唯ちゃん。こういう病棟だから中確認してもいい?」


「ダメです。」


「どうしよっかな?その手紙で木戸君の症状が悪化とかする事ない?」


…この手紙で、、。


…どうかな?ゴブリンでしょ、魔族のダンジョン、全部問題ないむしろ良くなるかな?


「逆ですかね。むしろよくなると思う。」


「じゃあ唯ちゃんを信じてお姉さんがひと肌脱いじゃおうかな?」


「本当?緑さんありがとう。今度ジャイとデート出来るように私が協力する!」


「本当?じゃあ俄然頑張っちゃおうかな?」


私は手紙を緑さんに手渡した。


「もしバレても私の名前は出さないでください。女の人が、キッドにって言って置いていったと言ってください。」


「まかせて!唯ちゃん!私中華料理食べに行きたい。」


「緑さんまかせて!そっちはなんとか頑張る。」


「わかった。神取先生から連絡くるの待ってるから。唯ちゃん頼んだわよ!」


お互い協定を結んだ形になった。


この場合の被害者はジャイかもしれないが、


ジャイは女の人と食事するの嫌いじゃないから被害者にはならない。


素晴らしい協定が結べた。


…色んな事が上手くいくといいな。


私は緑さんに手紙を渡し、自分の部屋に戻り夜の病院食を食べ、ハニワと土偶をどうするかベッドで横になりながら考えているうちにいつのまにか寝落ちした。





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