106.3話
走りながらどっちを相手にするか考えていたら、土偶の方は距離を置いて近寄って来ない。
…ちょうどいいや!
…2体相手なんてキツイし!
ハニワだけが、ナイフの2刀を持ち向かって来た。
ハニワが走りながら振りかぶり斬りに来た!
…強そうだけど攻撃が単純!
私は私しか使えないこのモンスターの特製を活かし跳躍で、ハニワをジャンプして交わし着地した瞬間、右回転フルスイングでハニワにハンマーを当てに行った。
ハニワも避けようと下がろうとしたが、行動が遅い!
私のアックスハンマーのハンマーの方が辛うじてハニワを捉え
壁にふっ飛んで行った。
【ドガーン】
遺跡っぽいこの部屋の壁に当たったハニワから粉煙があがる。
結構ダメージを与えられた気がした
…へへへやれるじゃん!
【グサッ】
「キューーー!!!」
「(痛ーーーい!!)」
氷の槍みたいのが背中に突き刺さった。
…痛ったー!!あいつ魔法使うから近寄らないんだ!
…卑怯なやつめ!
その正々堂々とこない戦い方に怒りを覚え、倒れたハニワにトドメを刺しに行かず、土偶に向かい、ハンマーを斧側にひっくり返し走り出す!
しかし、魔法特化なんだろうか?近づこうとすると一定距離を保つべく、逃げ、距離を置こうとする特性が見られた。
そうして、卑怯な土偶を追い詰めようと、奮闘していると、いつの間にか起き上がったハニワが後ろから斬りかかってくる!
…クッめんどくさい!
…実に戦いづらい!
ナイフを斧のつかで、支えていると、足に遠方から尖がった氷がまた飛んで来て刺さる!
「キューーー!!!キュー!!」
「(痛ったーーー!!もうっ!!)」
…まだ死なないとは思うけど、、。
立ち上がり2体が見える位置!土偶を遠くに見て、手前にハニワの位置で構え直した。
…これなら2体が見える!!
…あいつの魔法だけ気をつけよう!
後ろの離れた土偶が腰から木のステッキを出し、何やら魔法詠唱を始めてるのが素人の私でもわかる!
…今なら!あいつは魔法撃ってこない!
…最悪氷なら丸柱を使えば避けられる。
…いけるこの2体なら私の方が強い!
後ろで詠唱してる土偶を他所にその魔法に注意しながら、対ハニワに備えた。
…こいつ斧よりハンマーの方が戦いやすい!
ハンマーに持ち替え、ふきとばしに一歩踏み出した。
ハンマーの場合相手がふき飛ぶ!
斧の場合1撃が、相手の体力を越えれば真っ二つに割かれるけど、
相手が致死に達しない場合そのまま、攻撃してくる。
そこが斧の弱点だが、攻撃力的にはハンマーより確実に高い!
1撃1撃間合いを取りたい場合はハンマー側しかない。
斧で1撃で仕留められない場合、超振りの武器の為、振り切ったあと必ず隙が出来てしまう。
多分だけど、大剣も同じ感じだと思う。
私は振り切ってハンマーでハニワを飛ばしにいった。
【バゴーン!】
…やっぱり私の方が強い!
ハニワはまたもハンマーの威力に飛んでいく。
…だいぶ弱ってるみたい!
…このまま畳みこんじゃおう!
ハンマーを反対側の斧にクルンと返し、次の1撃でハニワ仕留めて、その後すぐに土偶をやっつけに行くつもりだった。
この時は、、、。
走る瞬間、右を向くと魔法詠唱を終わった土偶モンスターがゆっくり木の棒を私に振り下ろした。
多分ゆっくりではなかったんだと思う。
死ぬ前に見るスローモーションになるあれだと思う。
なぜか世界が白黒になった気がした。
後4歩のハニワまでの距離がやたら遠くに感じた。
次の瞬間!頭上から落ちる雷魔法に、私は2日目の異世界を終了してしまい、待ってるキッドを残し、1人、人間界に帰る事になってしまった。