106.2話
狩場を2人でモンスターを狩ってから更に道を北上する。
何か見えて来た。
…これが魔族村?
登り道を登っていく。その登りきった所から右に入った所に遺跡みたいな史跡みたいな場所が見えて来た。
…キッドが来てる村ってウェスタンっぽいとこだったけど、ここは全然雰囲気違うんだね
…ちょっと待って!キッド見えてるの?デートした時聞いた話じゃプレイヤーには見えないって言ってたけど、
…その眼差し!確実に見えてるよね!
…私がユッティって言えない以上なんで結界が無いのとか質問出来ないのが辛いね。
…かと言って人間界では話出来ないし、、、。
…なかなか隠すって色々大変だって、こういう立ち位置になってよくわかるなぁ。
多分だけど、今は見えている状態なんだと私は認識した。
これが4年の間に結界が張られる。
そう自分の中で理解した。
確かに左右が森だから、もし結界が張られ、森と同一化したら誰も右に曲がろうとしないで見つけられず通り越す可能性が高いと思った。
右に曲がりその見えている。史跡に辿り着いた。
…ここに穴掘ったのかな?みんなで
そんな想像をしながら中に進んでいく
ここで戦闘が繰り広げられたのは雰囲気的には想像出来る
しかしながら私が聞いた話から想像した魔族村からは程遠い感じだった。
…見張り台は?
…見張り台から4年後に魔法を打ったんじゃないの?
…見張り台なんか無いじゃん!
…みんながボーガン撃つ準備して待ち構えたんでしょ?
…どこから?
…意味がわからないな。
見張り台が3つあって、みんなが広がりながら建物の窓みたいなとこからボーガンを構えているイメージとは程遠い物だった。
『マスカットこれが、今の魔族村だ』
…今の?
…やっぱりキッドも謎のままなの?
キッドが、周りを見渡すと懐かしい感じを思い出すみたいな顔をしていた。
『わりぃ、マスカットここにいると思い出したくないやつらを思い出しちまう。今はそいつらの事を考えたくない!今はお前だけだ。早く出てもうちょい北上しよーぜ。なっ!』
そういうと、いるの自体が苦痛なのか、手を引かれ外へ連れていかれた。
手を引かれながら私は後ろを振り返りみんなが一生懸命戦う姿を想像していた。
…そうだよね。
…みんないた場所だもんね。
…まだ辛いかぁ。
…異世界でもまだ辛いのかぁ。
そして、狩場から北上して来た道に戻ってきた所で手を離された。
…まだ離さなくていいのに。
でも今日はもうお腹いっぱいかな。
色々とお釣りが来るくらいお腹がいっぱい。
お前の顔なんか見たくない!目の前に現れるなって言われたのが帳消しになるくらいの出来事がたくさん起きた。
…ったくもう、男版ツンデレってやつなのキッド?
…人間界のキッドはツン!っていうかツンが尖り過ぎて心に刺さって痛すぎるし、
…で異世界に来たらめっちゃ優しいし嬉しい言葉や行動たくさんしてくれるし、
…私の心は氷になったり、沸騰したりで身体が持たないよ。
そして魔族村を後にして、キッドが歩き始めた。
私もそれに付き合う。
3歩下がって歩く従順な奥さんの如く。
散歩みたいなデートみたいな時間が15分くらい経ちついに行き止まりまで来た。
『ここが魔族しか入れないダンジョンだ!』
…レベル25以上って事は私は入れるのかな?
『マスカットお前特別なんだよ。普通な青魔族ってレベル1から始まるんだ!だから、青魔族がここに入れるなんて事は30日の縛りがあるからまず、無理だ!30日でレベル1から25まで上げるのは毎日毎日狩りに行き運がよければ30日目あたりにいけるかいけないかだ。まさにお前の為にあるダンジョンだな。後もう1人入れる奴がいる!』
…私より強い魔族がいるの?
『それはな!赤魔族だ!赤魔族は30日の縛りが無いからな。そのかわりに身体が光る場所が多い!その分殺されやすいし、痛覚の1/3も無く通常痛覚だ!回復カプセルさえ飲めば痛みは消えるだろうが、プレイヤーの村にしか売っていない以上HPカプセルも買えないとなると、ダンジョンでドロップしか考えられない!赤魔族は悲惨だな本当に!そんな状況でレベル25まであげる赤魔族がいるとは思わないけどな。』
…ふーん。赤魔族かぁ、、。
…あれっ?そういえば赤魔族っているって言ってなかった?青神様!
色んな事を思い出していた
…モンスターって近づくと必ず襲いかかってくるんだよね。
…あれっ?
…あいつ逃げたじゃん!
…あーーー!!あいつ!!
【ドンドンドン】
『なんだよ!慌てた顔して、指さして!』
…あっちに!
『あっちに?』
…ゴブリンってどう表現したらいいの?耳かな?
しゃがんで手で耳ってやってみた。
『うさぎがいた?』
…違ーう!ゴブリンだよゴブリン!
『おまえと同じモンスターがいた?』
…うーん。近くなったのか遠くなったのか。
私は伝わらない事に何かいい方法は無いかと腕組みした。
…そうだ地面に書けばいいじゃん!
そして、石を取り、地面に書こうとした瞬間思い出した。
…そうだ!私の自分の救う作戦の時私の超丸文字バカにされたんだった!
…あの時みられてるからバレるかな?
…私がユッティ!って。
…絵かな?絵しか無いかな?
そう思いゴブリンの絵を描いてみた。
『あー!わかった向こうに鬼がいたのか?わかりやすい絵だな!鬼のモンスターなんて初めて聞いたぜ、今度狩りに行こうなマスカット!』
そういわれしゃがんで書いてる私の肩を組んだ。
…はぁ、、、普通に凹むし、。
…文字は書けない!
…一生懸命描いたゴブリンの絵は鬼?
…これツノじゃなくて、耳だけど、、。
…やっぱあれだよ!
…異世界に転生されてくる男にデリカシー無しは正解!
…今は諦めよう何か違う方法で伝えよう!
『なぁマスカット!もし入ってみれるならこのダンジョン入ってみないか?』
…えっ?1人で入るの?
…私入ったら魔族しか入れないダンジョンに×が付くからレベル25以上の魔族がいるってバレちゃうよ!
…ってか初日プレイヤーの村に堂々と入っていった時点でみんなにはバレてるのかぁ?
…ちょっと入ってみようかな?
『お前結界見えるか?』
ブルブルと首を横に振った。
『オレには見えてる!オレはやはり入れない!ドロップアイテムがずっと?って書いてあるんだ。気になるだろ?』
…じゃあちょっとだけ!
それを伝える為に親指と人差し指でちょっとを表現した。
『よし!じゃあ無理すんなよ無理そうならすぐ引き返してこい!これ持っていけ!』
そう言われマップを渡された。
受け取った瞬間!
私にも結界が見えた!
…結界が出た!
…マップ持って入れないんだ!
私は結界が見えてるって指さして表現しマップを返した。
『ダメなのか?持って入れないのか?そうかじゃあもう1回ダンジョンの説明しとくな。入るといろんなダンジョンに行く!だいたい1階全部だいたいだけど10部屋のモンスターを倒し中ボスを倒し見渡し終わるまで30分かかる!暗くはないから怖くは無い!そして、2階に上ると同じように、迷路になってる。その途中途中に扉があってあたりの扉にボスがいる!上手くいけば1つ目の扉でボスに会える事もある!オレがプレイヤーになって入ったランダムのダンジョンは全部そんな感じだった!どうするやめとくか?』
…いや、ちょっとのぞいてみよう!
私は断崖の山にある不自然な扉に手をかけた。
…難易度C?
…とりあえず行ってみよう。
…ダメならすぐ出てこよう。
行って来ると、フサフサの親指を立てた。
『絶対無理すんなよ。』
そう言われ、私を後押しするキッドの声援を受け、私は扉を、開けて初めてダンジョンに入る!
【ギギーーーバタン!】
…ちょっと真っ暗じゃん!!
…超怖い!!
その瞬間私の後ろの側の壁にある器に
赤→橙→黄→緑→ 青→ 藍→紫と灯りの炎が付いていき、部屋の広さがだいたいわかってきた。
広さは体育館くらいの様だ。
炎が、両端からどんどん遠くに行き暗かった奥に誰かいるのがわかる!
…何かいる!
…何?
…2体?茶色?
…あれってあれだよね!
そして、1つ1つ色が違う明かりの虹色の炎が奥まで届いた瞬間!一番奥にある超でっかい釜!まさに巨大銭湯の巨大風呂くらいの大きさの釜からに虹色の炎が灯る
その炎の中に2:00:00の表示され、
なにか全然把握しきれていないまま、その時間が虹の炎の中でカウントダウンを始めた瞬間!
その2体が向かって来た!
…来たー!!
…全然聞いた話と違う!!
…はにわと、土偶にしか見えないやつ!来る!!
私は青神様特製武器を握った。
とっさに、はにわと土偶に見えた私はハンマー側を振り降ろす方にして構えて走り出した。
「キューキュキュキュキューキュー」
「(マスカット様の参上だぞー!)」
私の初ダンジョンは迷路から始まると聞いていたのに開けたら
いきなりボスだったのだ。