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ゴブリン魂  作者: チャー丸
ユッティ's side story
255/534

106.1話




2人が会った池から北に移動しつつ1つ目の狩場まで移動する事20分くらい。


とりあえず着いた!


予定の狩場1!!


舗装されてない道から見える森の中に学校の校庭位の原っぱがあり、何十体のモンスター達がうろうろと右、左に動いている!


キッドの情報が無かったら隠れながら数を、数えていたと思う。


でもモンスターはテリトリーに入らない限り襲って来ない!


だから道から堂々と立って隣でキッドが数を数えている。


『20ちょいか?この狩場で中位の狩場だ!少ないと10からでオレが見つけた1番でかい狩場でマップ上では、ずっと赤マップの弱いモンスターしかいない村に近い狩場だけど、だいたい50〜60体だ!それがこの狩場だ!その狩場の場所をマップで触ってひっくり返す!』


キッドがマップを指さしてみせてくれて、地図を、ひっくり返すとその触った地図のアップが浮かび上がってくる。


『このマスカットが初めに2個目に行こうって言ってやめとこうぜっ!ってなったその狩場!今その狩場アップになってるからよくわかると思うけど端っこ赤から透明になっていってるだろ?』


…うんうん。


『そこ今プレイヤーが狩ってる最中だ!狩りきったら赤いマップ、ちょっと強い青い狩場のマップ、狩場すべてが、モンスターを倒していくとマップ上で透明に変わっていく!オレらは地図上であっ!ここで狩りしてんだな!じゃ違うとこいこうぜってなる訳だ!別に狩ってるとこに狩りに行っても問題はないけどな!でまた、15分経つと赤い狩場として、マップに戻る!マップに赤い狩場として戻ればそこには赤いクラスの弱いモンスターが復活しているって訳だな!アップした裏の地図は15秒くらいで勝手に消えていく!みたい時だけ見る感じだな。ダンジョンがどこがレアかはマップじゃわからないが、今プレイヤーが入っているダンジョンは地図をアップするとそのダンジョンに×がつく。また誰かがクリアしても×がつく。便利なマップだろ?ただ、そこまで行って地図を書き込んでないと×も何も白紙だけどな。』


…じゃあ2番目に私が初め行こうって言ってた場所に言ってたら、プレイヤーと鉢合わせしてたかもしれないんだぁ!!


…危なっ!!


『いいかマスカットよく聞け!この狩場クラスだとテリトリーに入った瞬間!奥までいる奴が全員襲って来る訳じゃない!テリトリーに入ってこっちに向かって来るのは半分だなこの距離だと広い狩場だからな!奥に行けば行くほど奥にいる奴も気がつき襲ってくる!それを踏まえて行くぞマスカット!』


…キャッー楽しい!


…ワクワクとアドレナリンがもうヤバイ!


キッドが構え、狩場の方に剣を抜き始めた!


…キッドに狩らせる?


…負けてらんないっしょ。


私は肩から武器を下ろし、


「キューキュキュキュキューキュー」

「(マスカット様の参上だぞー!)」


喋らない自分の決まりはどこへやら。


キッドに狩らせて、人間界の気持ちを軽くする計画はどこへやら!


構えてるキッドより先に叫び、モンスター達に1振り浴びせに走って行ってしまった。


「キュー!キュキュー!」

「(キッド!私に続けー!)」


『キューキュー言っても何言ってっかわかんねーけど、ついて来いっていう雰囲気はわかるわ!ったくしょうがねーなー!』


私はハンマーアックスを振りかぶり、キッドは細剣を構え狩場に、私を先頭に突っ込んでいった。


キッドに言われた通り半数のモンスターが、ギリっとこっちを見てすぐさま近くにいるやつからこちらに向かって来る!


…こないだと似てる!


…こないだは5匹を一振りでいけた!


…今日だってイケるはず


モンスター1陣4体が走ってくる!


今回は前回と違いモンスターの何体かが武器持ちみたい。


…武器もったのがいる?


…だから?


…イケるっしょ。


走ってくるモンスターに合わせて、右足を出し、右から左に4匹を一掃する様に左に体ごと回転する様になぎ払った。


…うそ。


そのうち1体が後ろに飛んだ!


…交わされた!


…マジ?


考える暇もなく交わしたモンスターがすかさず爪を立て噛み付きにくる


私も後ろにと思ったが足がもつれて尻もちをついてしまった。


…まずい!


そう思った時!


『うりゃーー!!』


私の大きい体を飛び越えキッドがモンスターを1刺しで、やっつけた。


1刺しに見えたが、何回か刺しているみたい。


『これ、オレの技!瞬速連刺キルビーだ!あの1瞬で6回刺してる!』


…凄い!!


『ほら立てるか?』


手を出すキッドに後光が差していて、かっこよすぎて頭から湯気、いや、火山が噴火するのがわかった。


…あれっ?ビックリして腰抜けたのかな?


『なんだよ!腰ぬけたか?しょうがねーなー!』


キッドが私のわきに手を差して来た!


…ちょっ、、、。


…ちょっと。


『せーの!』


キッドに抱き抱えられ、立ち上がった!


『おいおいさすが青に近い赤マップの狩場だな!モンスターに囲まれちまった!』


…顔火照ってる場合じゃないよね!


モンスター8体に円状に囲まれた。


その中心で私とキッドが背中合わせで立っている。


…こういうのが俗に言う背中を預けるってやつなんだね。


…キッドの背中あったかい!


『マスカット!赤く光ったマップの狩場は正面からしか攻撃してこないが青よりの狩場はこうやってモンスターも考えながら戦ってくるんだ!油断するなよ!』


「キューー!」

「(わかってる!)」


2人構えた。


風が私達をそよいで抜けていく。


風が止んだ瞬間!モンスター達が一斉にジャンプして襲って来た!


『マスカット!底力見せてみろ!うぉー!!』


「キューーー!!」

「(やってやるー!)」


背中のあったかみが勢いよく離れる!


…こっちに3体?


…よく見て


…右下から左上にフルスイング


ジャンプで飛びかかって来た3体


さっきとは逆足を踏み込み右下から左上にきり上げた。


…こっちはやった。


【グサッ!ドサっ!ドサっ】



後ろでもモンスターが倒れる音が聞こえる!


【ドサッ!ドサッ】


…キッド凄い5体一瞬で倒したんだ


…強い、、、。


『大丈夫か?』


…うん。


『あーあー!マスカット!白い毛並みが土だらけじゃんか!』


キッドが土を払ってくれた。


…もうカッコイイし、、。


…スキンシップが半端ないんですけどー。


…ますます私がユッティって言えないよー。


…大人になったキッドってこんな感じなのかな?


…超イケメン!


『マスカットどうした。』


…いやいやいや。


ブルブルとっさに首を横に振ってしまった。


『後10歩くらい進めば残りのモンスターが戦闘体制になるぞ?どうする?』


…行くでしょ!


…大好きな人と異世界で狩り!こんな楽しい事やめるわけない!


…でも初めて転生されて来て倒したモンスターより全然強い!


…気をつけなきゃ。


私はハンマーアックスを首にかけ、残りのモンスターを指さした。


『そうだな!行くか!残り!』


そう言うと今度はキッドが走って行った。


『やっぱり異世界は楽しいな!なぁマスカット!』


前を走りながら後ろを向きながら楽しそうに笑うキッドは私が見たかったキッドの笑顔そのままだった。


「キューー!!」


嬉しくて楽しくて声が出てしまう。


私も楽しみながら、キッドとも協力しながら残りを宝石に変えた。


そして、この狩場のマップを2人で透明に変えた。


そして宝石を全て拾い、道まで帰って来た


『楽しかったな。』


…そうだね。


頷いた。


『マスカットさ、おまえさラビ1号だろ?ウサギの恩返しだよな?』


…どうしよう。


…どうリアクションしたらいいのかわかんないよ。キッド。


『おまえ、昨日病院来たろ?オレに会いに。』


…そうだよって頷いて嘘ついた方がいいの?


…違うよって首を横に振った方がいいの?


…神様、、、。


…どっちが正解かわからない。


私はどっちも答えず、近づきキッドをギュッと抱きしめた。


『昨日からありがとうな。』


キッドからもキツく抱きしめられた。


私はズルい女かもしれない。


こんな状況ですら、キッドに抱きしめられ、胸がドキドキする高揚感を嬉しく感じている。


…あんな病院に来た純真無垢なウサギじゃないよ。


…私はしたたかで、


…計算高い女かもしれない。


…しれないけど、


…でも、すれ違う時の顔なんか見たくないって言われた時少し傷ついたんだよ。


…だから、神様今は少しだけ。


…少しこのままで、頑張ってるマスカットじゃなくて、頑張ってるユッティの方にご褒美を、、。


…キッド大好きだよ。


きつく抱きしめあった。


『ラビ!これからも一緒にいよう。一緒に狩りに行こう。おまえがいれば笑える気がするよマスカット!』


私は頷いた。


嬉しくて、涙が出そうだった。


この世界では鈴木さんより、私を必要にしてくれるキッドに嬉しくて嬉しくて、


ズルい私は頷いてしまった。


いずれ絶対異世界にウサギが転生されてくるなんて、今は心が病んでるからキッドはそう思っているだけなのに。


それでもズルい私は頷き、


私はキッドの中でラビ1号の巨大化して話が通じるようになった青魔族マスカットになった。


この安易なやす請け合いが後々よかったか、悪かったかは今の私はわからないけど、



今はキッドの温かい頭を私の大きな体で包んであげる事が出来てそれが幸せでしょうがなかった。


そして、2人は魔族村に歩いて向かった。


これは、まだ異世界2日目、キッドを、輝かせて見せた異世界のお日様は、まだてっぺんまで昇っていない頃のお話。


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