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ゴブリン魂  作者: チャー丸
ユッティ's side story
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もう1つの95、96話 ???'s side story(3/31挿絵追加)

もう1つの95、96話



〜〜〜〜 ???'s side story 〜〜〜〜


…久しぶりだな。


…12時半に予約だから、全然間に合ったな。


…やっぱり随分と遠いな。


…初めて来た時も、おんなじ事思ったっけ?


オレは久々に来る病院に上を見上げた。


今日は2013年5月11日 土曜日。


去年の2012年6月に1度小泉先生にお世話になった。


ここの病院に、色々相談に乗って親身に話を聞いてくれる院長先生がいると聞き直接電話して、院長先生と話をして、話を聞いてもらえる事になって初めて訪ねたのが今から11ヵ月前。


オレは小学6年の頃、友達と思ってる親友だと思ってる人に本気で殴られた。


ちょっとした事が原因で。


ちょっとした事。そう思っていたのはオレだけだったみたいで、


その軽はずみに人に話した事が原因で、6年友達だった悠人は、2度と目を合わせてくれなくなり、悠人と付き合っていたリンはからかわれるのが嫌で嫌で学校に来なくなった。


これが去年の1月の話だ。


それから、なんとなく深く付き合う友達が、いなくなってしまったまま、小学校を卒業した。


悠人も、同じ中学に来ると思っていたが、来なかった。


無理してでも、オレと同じ学校に行きたくなかったようだ。


それを知って、更に傷ついた。


無視されたり、いつも笑いながら帰っていた帰り道が1人になるだけでも毎日心が痛かったのに。


そんな絶対顔も見たくないから違う学校に行った悠人を知って、少し人間不信になりそうだった。


また、新しい中学で、新しい友達を作ろうと考え、中学に行ったのはよかったものの、悠人の件以来自分から積極的に話しかけにいけなくなった。


そして中学入学から2ヵ月が過ぎ、みんなが友達が出来ている中、尻込みしていたオレは、中学を入学して2ヵ月経っても未だに心を許して、なんでも話せる友達を作り損ねた。


そしてまた中学で1人ぼっちになっていた。


よそよそしい感じでは話す生徒はいる。


それに焦りを感じどうしようかと悩んでいた所、小泉先生の噂を聞いて、去年の6月にフルーツの盛り合わせを持って予約を入れ相談に行った。


そしてたまには遊びに顔を見せに来なさいと、電話が来て世間話をしたのがちょうど1週間前。


この病院の先生達は、そういうケアーもちゃんとやっているらしく、先生から電話がかかって来てこっちがビックリしたくらいだ。


そして、土曜日なら行けますとなり、


今日、手土産を持って小泉先生に11ヵ月ぶりに会いに来たという訳だ。


挿絵(By みてみん)


「久しぶり鳴神 純君。どうですか?あれからほぼ1年経ちましたが、、。」


院長先生の部屋で診察って感じではないが、ちゃんと白衣は着た小泉先生がいた。


『その前に、これよかったら食べて下さい。』


「フルーツかな?巨峰が多いね。」


『あっ!それマスカットらしいです。早取れで珍しいらしくて、結構甘いみたいです。親戚からたくさん送られて来て、マスカットばかり持ってくのも変かなと思って、色々違うのを後で買い足しました。』


「いやいや、相変わらず正直だね。ありがとう。こんなに食べれないかもしれないから。あっ!そうだちょうどジュン君と同い年位の女の子が事故で入院してるんだよ。その子と小林先生に少し分けてあげてもいいかな?」


『大丈夫です。』


「で、どうだいあれから、、、。」


『無理して友達を作ろうとしないという決断を自分でしたんで、大分心は軽くなりました。』


「まぁ、私が自分で色々考えて変わるように勧めたけど、友達も悪いもんではないけど、自分で決めて、変わりそれで満足してるなら、今はそれでいいんじゃないかな?」


『はい。中学に入った時友達出来なくて、焦って焦って、ここに来た訳ですが、気持ちが楽になりました。ずっと友達がいない1人でいるお医者さんの先生の話を聞いて。』


「その先生今はうちで働く事になったんだよ。その先生は、今は友達が出来て楽しそうにやってるよ。友達が出来るように自分で自分を変えたのかもしれないね。おもしろい事にその友達が中学1年生ばかりなんだ。」


『そうなんですか?』


「なんならジュン君も、紹介してあげようか?」


『いえ、やめときます。今はこの自分で満足してますから。』


「そうかい。また気が変わったらおいで。ジュン君によく似た子供達で、みんな素直ないい子達だから。」


『わかりました。』


「そういえば、最近その先生マラソンしてたね。ジュン君も1人でやる事なければ、体を鍛えたり、マラソンとかして、自分を磨いてみたらおもしろいかもしれないね。」


…マラソンと、筋トレかぁ。


…鍛えた体と、体力はあっても損しないかな?


『おもしろいです。是非やってみます。来てよかったです。』


「ははは。継続は力なりだよ。ジュン君。それだけは覚えておいて絶対損はしないから。」


それからも、たわいもない世間話をして、時間が過ぎた。


『先生すいません。13時までのはずなのに、こんなに過ぎてしまって。』


「大丈夫ですよ。でもちょっと女医でうちの看板先生の小林先生に書類を届けないといけないから見送りがてら1階まで付き合ってもらえませんか?」


『大丈夫です。』


「そうですか。じゃあ行きましょう。そうだ。1房その事故した女の子にあげながら行っても構いませんか?」


『はい。たくさんありすぎると思うので。うちもダンボールで届いたんでたくさん持って来たんですが持ってきすぎでしたか?』


「いえいえ。美味しいものはみんなでシェアですよ。では行きましょう。」


6階にある小泉先生の部屋を出てマスカット2房を持った小泉先生と一緒にエレベーターで下に一緒に向かった。


「ちょっと付いて来て下さい。その子にマスカット渡して来ますから。」


そう言うと3階でエレベーターが停止した。


長い廊下を、一緒に歩いて行って小泉先生がその子が入院してる病室に入っていった。


オレは外で小泉先生が出てくるのを待っていた。


…ここが、その事故した女の子の部屋か?


…んっ?


…この人だけ、名前書いた表札がないのはなぜだろう?


手ぶらになった小泉先生が病室から出て来た。


「ジュン君いませんでした。」


『先生、この子表札無いんですね。』


「主治医さんとその女の子の要望でね付けてないんですよ。さあマスカットも置いてきたし、1階に行きましょう。」


そういうと一緒に1階の女医の小林先生の元まで来た。


【コンコン】


「小林先生入りますよ。」


「はーい。どうぞ。あっ!院長先生。書類持って来てくれたんですか?言ってくれたら取りに行きましたのに。あれお隣の方は?」


「私のお友達ジュン君ですよ。」


「誠先生みたいですね。最近は中学生をお友達にするのが流行りなんですか?ジュン君。あなたピアノに興味ある?」


『いえ、無いです。』


「私の親戚の子が出るの!見に行かない?月曜日なんだけど、私いけなくなっちゃって。」


『学校があるから無理ですよ。』


「そっかぁ、、。すごい才能ある子でね、優勝間違いなしって言われてるのよ。私も仕事じゃなきゃ行く予定なんだけど急遽仕事になってしまって、でも、学校じゃ仕方ないわね。じゃあ違う人にあげようかな?」


『そうしてあげてください。』


「小林先生。これジュン君がたくさん持って来てくれたマスカットの1つおすそ分けです。」


「美味しそう。貰っていいのかしら?ジュン君。」


「皆さんで食べてください。」


「じゃあ遠慮なく、次の休憩の時に食べさせてもらうわね。院長先生そろそろ私行きますね。書類わざわざありがとうございました。」


「いやいや、小林先生は多忙ですからね。患者さんの為にこれからもマスカット食べて元気に頑張ってください。」


そういうと、マスカットを冷蔵庫に入れ、部屋を出て行った。


『行ってしまいましたね。』


「人気ナンバー1の先生だからね。小林先生は。それだけ忙しいのだよ。じゃあ用事も終わったし、入り口まで送ろうかね?」


『もうここで充分ですよ先生。』


「ジュン君と私はお友達ですから、ちゃんと入り口まで送りますよ。」


そう言うと、入り口まで付いて来てくれた。


『ありがとうございました。色々今日も聞いて貰って、これからも自分なりに色々変わる努力を、続けてみようと思います。後マラソンと筋トレも。』


「そうだね。まだ人生は長いから同じ失敗をしないように頑張ればいんじゃないかな?また遊びにおいでね。」


『ありがとうございました。』


そう言ってオレは病院を後にした。


…筋トレと、マラソンか、、、。


…暇だからやってみるかな?


…時間はあるし。


…よし、やってみよう。


そう思い病院を後にした。



これがオレジュンの2013年5月11日の中学2年の話である。


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