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ゴブリン魂  作者: チャー丸
ユッティ's side story
245/534

99話



方向感覚もよくわからない。


方向音痴かもしれない。私って


とりあえず歩いて見たら、モンスターが20匹くらいいる、草原がある。


「うわーたくさんいるー。」


茂みからモンスターを、確認していた。


「ダメだってこんな事してる暇ないもん。」


そんな事いいながら巨大な武器を肩から降ろし、両手掴んだ。


「だからダメだって。私はキッドを、、、、マスカット様の参上だぞー!」


初めての異世界。


キッドを探さなきゃいけないのは、わかっているけど、


強そうな武器を持って、初めてモンスターに出会ってしまった。


身体が90%好奇心で出来てる私、


見過ごせる訳が無い!


そんな事が出来ていたら、DL99のファンになり、化粧してライブに行くなんて人と違う小学生生活を歩んでいない。


…この武器を使って見たかったし!


…パパっとやってキッドを探しにいこう!


キッドや、ジャイがいつも狩ってるモンスターを、狩ってみたかった。


近くで30m半径200mに敵が20匹!


ゴブリンってやつも1匹いるし、骨もいるし、2足歩行猫みたいなのも、槍を持って私の参上の掛け声に武器を構え向かって来た。動物を凶暴化したモンスターが多いような気がした。


全モンスターが私に向かってくる中、


なぜかゴブリンだけが反対方向に走って森に逃げていった。


「逃げる奴に用は無し!来いモンスター。」


骨2匹と、動物猫型3匹が迫ってくる!


…どうしようかな?


…とりあえずなぎ払って見ようかな?


敵がこっちに斬りかかりに走ってくるタイミングを待ち、巨大な武器を両手で振りかぶり、敵が射程圏内に入った時点で左足を一歩出し、弧を描くように敵5匹を一掃した。


まとめて5匹が宝石に変わる。


「どうしよう、、、。」


「どうしよう、、、、。」


「どうしよう。楽し過ぎて、魂が震えてる気がする!」


一掃した瞬間、鳥肌がたった気がした。


ライブを初めて見に行って、あの圧倒的な迫力を全身で感じた感覚にそっくりだった。


あの時はまだ引っ込み思案だったわけじゃないけど、初めてのライブは様子見だったから化粧なんてしていかなかった。


した方がいいのかな?でも、私は小学生だし、そんな化粧とかしてる人はいないだろうし、なんて葛藤が続いた。


しかしライブに行ったらその熱狂と興奮になんであの時やらなかったと後悔した。


魂が震えたけど、化粧して、もっと一体化したらもっと震えていた気がした。


あの時から考えが変わった。やりたい事は後回しにしないし、


やりたい事は全力でやるっていう、家の外で弾けるもう1人の私が出来た。


「来いもっと来ーい!私がキッドのナイト!マスカット様だぁ!」


むちゃくちゃ暴れまくった。


敵を一掃した頃少しわかった気がする。体がでかいわりに跳躍するし、前向きにジャンプしても結構跳躍する。


わたしはモンスター全てを一掃してなんでも出来る気がしていた


「わたしは今日この異世界で1番輝いている気がする。よいしょっと」


私は巨大な武器をまた肩に担いで歩き出す。


そしてト字路に来た。


…どっちだろ右かな?


…真っ直ぐかな?


本来であれば右なら1時間歩けば、魔族村と魔族しか入れない洞窟の前の道にでる。


真っ直ぐ行けばスキルの本を埋めてある所にいける道のようだ。


だが、私は前にも言ったように異世界初日!


そんな事は知る訳もない!


そして地図も無し!


迷った時は真っ直ぐ進めの精神で真っ直ぐ進むのであった。


道が突き当たりになるまで1時間かかった。


突き当たりから左を見ると池がある!


…池だ!


武器を担いだまま池の側まで行って見たが、キッドどころか?誰の気配も無い!


…ここの池じゃないのかな?


辺りを見渡しても、意味が無い私はそのまま去ろうとしたが、池に木が映りこんでいるのに気がついた。


…んっ?ここなら、私の姿が見えるかな?


池に近づき池に自分の姿を映しこんでみた。


「これが今の私なの?」


映し出された姿は、ウサギをモンスター化して巨大化したようなモンスターに近い。


「ちょっとこの髪みたいな立髪DL99のライブに立てていく髪にそっくりじゃん!私ヤバイかっこいんじゃないの?今の私はイケてる!早くキッドを救いにいかなきゃ。異世界は4時間しかいられない!しかも青魔族の私は、異世界終了10分までにキッドにあわないと、刺客に殺されちゃう。どこの池なの?どこの池で私を待ってるの!右も左もわかんないよ!」


私が見つけた池はキッドが待ってると言われた池では無かった。


残りおよそ2時間40ふんくらいだろうか?


とりあえず突き当たりの所を池と反対方向に走り出す。


…今いくよキッド!


そして1時間後マスカットになった私がやっと辿り着いた場所はプレイヤーの村だった!



…残り1時間45分くらいかな?お日様見てもよくわかんない!


そして武器を担いで村に入って行った。


…ジャイいるんじゃないの?


「ジャイ!!」


「うわーなんか来た!なんだよその雄叫び!やべー」


私の声に村の入り口にいたプレイヤーが村の奥に逃げていく。


…なに?雄叫びって超失礼でしょ?


…これでもレディなんだけど!


…失礼しちゃうな!


ゆっくり、村に入って行くと周りが開けて辺りを見渡せるとこまで来た。


…うわーいっぱいいる!


みんなが私を見ていた。



…大丈夫!みんなに事情を説明してジャイを、探してる事をいわなきゃ。


「あっ、、」


…あれっ。?


…そういえばプレイヤーに魔族の言葉伝わんないんじゃないんだっけ?


…ジャイ、、、。


周りをキョロキョロ見渡した。


…あれがそうかな?


そう思ったらビックリしてたプレイヤーが我に返り、みんな剣などを抜き、戦う姿勢を始めた!


…ねぇ!


…これなんかジャイが今朝言ってなかった?


…魔族が来たんだよ。周りキョロキョロして!


…ハンマーみたいな斧見たいな武器を持って、


…見た事ないモンスターだったって


…それ!私じゃん!


…ヤバイ今死んだらキッドに会ってないから無理無理!


…撤収。


回れ右して、跳躍を生かして逃げた。


…ジャイらしき人いたのに!もうっ!。


…どうしよう。後1時間半くらいかな?


…また突き当たりだ。


…左か右か?


…この道がメインストリートっぽいね!少し広いし。


…さて、どうするかな?


…左かな!


そして勘を信じて左に曲がった。


…そういえばキッドって人間不信なんだっけ?


…もし私がユッティだってバレたらまた私に騙されてるって思うかな?


…そしたら今度こそ誰にも信じれなくなっちゃうかな?


…じゃあジャイにも相談出来ないじゃん!


…私、ジャイ、キッドでお父さんを騙して異世界に来るようにしたように


…私はユッティがマスカットになってる事をバレないで30日騙しきれれば、大丈夫かな?


…キッドの声は私に聞こえるけど、キッドスキルの余裕無いって言ってたし。私の声は聞こえないはずだから問題ないでしょ!


…まさかキッドとジャイを騙す事になるなんて、不思議な巡り合わせだなぁ。


…でもそれしかないよね!


…この嘘はキッドあなたの為につく私の優しいウソだよ。


…じゃあ今からもう、人間界のユッティと異世界のマスカットは別人!


…そう私はマスカット!


…マスカットとして、頑張るよ!


そう歩いていると右に曲がる道の手前に池が見えた!


「いたっ!水色の髪」


キッドが座りながら池に石を投げている!


…喋らないようにしなきゃ。


…言葉は通じないけど。


…よし行こう。


茂みを抜け、石を投げるキッドに近づいた。


『うぉ?なんだよ魔族かお前!』


私は首を縦に振った!


『お前凄い武器だな!』


私は無言で首を振りながらキッドに近づいた。


…キッド話できるじゃん!


…異世界だからだよね。


…それでも嬉しいな!


近づきながら警戒されると嫌だから斧とハンマーの合体した巨大武器を地面に置き、キッドの隣に座った。


『ははは。昔のレイとケンスケに寄り添って座ったオレみたいだな。』


私も話を聞きながら石を横で投げた。


『なぁ、鶴の恩返しって話を知ってるか?』


首を縦に振った。


『まあ知ってて当然だよな。おまえ似てるんだよ。オレが小学校で一生懸命世話したラビ1号に!超可愛くてさ!世界がみんな人間じゃなくておまえ見たいなウサギならいいのにな。』


…やっぱり心の傷は癒えてないの?


『なぁおまえ名前とかあんの?』


私は石で下に葡萄の絵を描いてみた。


『葡萄???、、!!いやっおまえがマスカットか?』


私は首を縦に振った。


『そうか、全然違うような魔族想像してたわ!ラビ1号みたいなウサギみたいなモンスターが来るとはな。巡り合わせか?』


…キッド狩にいこう


その思いをつたえたくて、立ち上がり、歩いて近づきながら捨てた武器を拾って、武器を持ち上げながら森を指差した。


『なんだ一緖に狩りでも行きたいのか?』


首を立てにつよく振った!


…言葉なんてなくても伝わってる!


『いかねーよオレ!なんにもやりたくねーんだ!もしマスカットおまえがプレイヤーならオレは逃げてる多分!ラビ1号だから、側にいるだけだ!今日はこの池から動く気はねーんだ!ごめんな!』


…どうしよー!


…狩りに行ってくれないって!


…無理に今強制的に連れてく事はやるだけ逆効果だしなぁ。


…とりあえず側にいるしかないかな?今は。


また武器を置いて、キッドの横に座った。


『オレさ信じてた仲間がいるんだ、、、。』


そう言ってキッドがあの5日の話を始めた。


その中には私も出てきて、かなり強烈に酷い仕打ちをしていたみたいだ。


私は聞きながら、キッドの頭を抱き寄せた。


体がキッドより大きい大型モンスターならではの行動かもしれない。


その後も1時間私の胸の中で話を続けた。


そしてずっと話していたキッドが何か気がつく。


『おい!マスカット右手』


私の右手が青く光り始めた。


…どうしよう。後10分で刺客が来ちゃうのにキッド何もモンスターを狩れなかった、、、。


…これじゃ、人間界でも何も変わらないかな?


…それに私が居たら地図に載ってプレイヤーが狩りに来るかな?


私は立ち上がった。


『ちょっと待てそんな光った手のままどこに行く手を前に出せ。』


私は言われた通り手を前に出した。


『待ってろよ!ハァー!!』


…これがキッドの光を消すスキルなんだ。


…やっぱり優しいのは優しいまんまだね。


…ありがとうがいいたいけど伝わらないしなぁ。


…後10分で刺客来ちゃうし。


…1体でも変わるかな?


…キッドの心はたった1体殺しただけでも少しは変わるかな。


私は腰にある護身用みたいなそんなナイフをキッドに渡した。


『なんだよお礼にこんなもんくれんのか?いらねーよこんな護身用みたいなの。』


…違うよ


…こうやって持つんだよ。


キッドの腹の前で刃先を私に向けて両手で握らせた。


…そうそうやって持つの。


刃先が私のお腹に向いたまま私はキッドを抱きしめた。


【グサッ!】


『おまえ何やってんだよ!』


キッドが私から離れようとしていたが、


私は力で抱きしめ続け、頭を撫でた。


…キッド痛いよ。


…でも痛い顔は出来ない。


…痛くないよ。


…ほら笑ってるでしょ。


…痛くない痛くない、、、。


『マスカット、、、おまえオレの為に、、、馬鹿やろうだな、、、。』


私は自分の武器を指差した。


『わかった、、、。行くよ明日は、、、、必ず行く、、、おまえと狩りに行くから、、もうこんな事はするな、、、。』


…キッド。明日も会いにくるから。


…人間界でも全力頑張るからね。


私は腹にナイフが刺さった状態で力いっぱいキッドを抱きしめ。


初日必ず死ななきゃいけない青魔族1日を帰還した。











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