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ゴブリン魂  作者: チャー丸
ユッティ's side story
243/534

97話



2013年 5月12日 日曜日



AM6:00


アラームで目が覚めた。


起きたとは言っても病院なんだけど。


そう。今日ジャイが異世界に行って帰って来るのが6:00だから!


起きて待ってる為にアラームをかけてちゃんと起きて今ベッドで待ってる状態。


「ユッティ!」


…来たっ!!


「ジャイ!キッド異世界に来た?」


「異世界には来たけど、プレイヤーの村に転生されて来た瞬間みんなの顔見て走ってどっか行っちまった。ダメだあれだけ人間恐怖症になると、異世界に行っても傷は残る!異世界は心の傷は無かった物として行動できるのかと思っていたから深さにより、減少の仕方が違うらしい!そりゃそうだ!異世界でも上手く話せないプレイヤーとかいたからな!キッドも異世界なら大分良くなってはいるはずなんだけど逃げられちまったら狩りなんて出来ない!困ったな!八方塞がりだ。」


「他はなんか無かったの?」


「ああ、キッド探しに森に入って結局見つからず、プレイヤーの村に戻ってたら、魔族が村に来たな。赤だか青だかはわからない!その後マップ見ても光らなかったから。初めて魔族にあったけど、AIのモンスターは同じ行動しかしない!それが魔族だから、プレイヤーの村に来たんだよ!でっかい斧になるのかな?ハンマーになるのかそんな武器持ってキョロキョロしながら!みんなもあっけに取られてたが、我に返りプレイヤーみんなが剣を抜き、始めたんだ!そしたら殺されるって気がついたんだろうな。森へ逃げて行った。見た事ないモンスターだったな。」


「ふーん。何か用があったのかな?」


「わかんねー!何か探してる感じだったぜ。とりあえずオレは以上だ。」


「じゃあキッドは1人で狩りしてない限り、進展しないって事?どうしよう、、、。」


「はぁ、、、そうなるかな。オレも、よく考えとく!とりあえず今日美由紀さん達が来るのが11時半だ!その時間に合わせて鎮静剤打って気を沈める予定だ。それじゃ魂が抜けた状態だが興奮状態じゃ会わせられないだろ?」


「ジャイ、キッドはお母さんにも酷い事すると思う?」


「わからん。でも人間全てに不信感持ってる感じで、あれだけ仲よかったオレらに死ねって言うんだ!誰にでも言う可能性はあるだろ?キッドが美由紀さんに死ねとか言う所なんか見たくない!それこそ、オレの家族の二の舞になっちまう。オレはあの家族に憧れてたんだ!これ以上誰も傷付いて欲しくない!」


「そっか。私しかいないかな?やっぱり。」


「何がだ?」


「ううん。なんでもない。」


「そうか?なんか名案でもでたらすぐ呼んでくれ。鎮静剤打った後なら会える。その時、美由紀さんと会いに行こう。多分話は出来ないと思うキツイやつ打つから。でも昨日みたいに暴れる事もないはずだ。」


「わかった!その時呼びに来て!色々考えとくね。」


私はいつも通り、屋上に行った。


1人で、何か考えるには最高の場所かもしれない。


何より落ち着く!


私は人よりは強い方かもしれない!


好きな人に殴られても、意外と平気だ!


今も前を向いてキッドの為にキッドの為にと無い知恵を絞り出している。


1時間半経ち、無い知恵から何も出なかった。


何も出なかったけど、お日様から元気を貰った気はした。


…今日も頑張ろーと!!


そして、部屋に戻った。


「んっ?」


机の上にまた置いてある!


昨日と同じものが、


「なんでだろ?誰だろ?」


謎が謎を呼ぶ!


ジャイに相談するか悩んでいた。


…私はもしなるとしたらいつ、これと同じになるのかな?


…わかって置いてるの?これ?


…私達の未来を知ってる人がいるのかな?


…未来こうなるって!


…んっーー!


…わかんない!


…わかんない!わかんない!わかんなーい!


…また昨日みたいにするの?これ全部?


…嫌いじゃないけどさ、


…とりあえず用済みになったのはまたゴミ箱に入れた。


そんな2回目の誰から届いたかわからないお届け物が来てから数時間が経った。


「ユッティ!大変だ!急患相手にしてたら、美由紀さん達が早く付いたらしく、オレの名前だして今もう面会に行ったらしい!」


「急いで行こうよジャイ!」




運命とはいつも儚い物で、


上手くいくことの方が稀だと思い知る事となる。


話を聞いて、キッドが泊まる病室に走る!


「ジャイ!まだ11時前だけどひょっとして鎮静剤って、、、。」


前で走るジャイが走りながら答えた。


「前のもの切れてる!新しいのはまだ使ってない!1日経ったし、異世界にも行った訳だから少しは良くなっている事を祈るしかない!」


焦っている理由が理解出来た!


しかし怒鳴り声が聞こえる。


「来るなよ!母ちゃん!オレの事産まなきゃよかったんだろ!」


「貴光!私はそんな事言った事も思った事もないわ!なんで、、、。」


「その一言から始まったんだ!!地獄が!たったその一言がどれだけ傷つくかわかってるのかよー!!あの地獄のような中で1番キツイセリフだったぞ!おい!わかってるのかって聞いてるんだ!?」


「貴光。お母さんそんな事思った事無いって、、。産んでよかった。いつもそう思ってるわよ。0点だって貴光は貴光だもの、、、いったい何があったの?」


キッドのお母さんが、キッドに近づこうと1歩前に出た。


「そうか?ハルねぇの足を取りに来たんだろ?母ちゃん!」


「貴光いい加減にしなさい!言ってもいい冗談と悪い冗談があるでしょう?」


また1歩前に進む。


進むとなぜか、キッドがベッドから立ち上がり病室の窓を開けた!


「今回は4人か?他の仲間はどうした?それ以上進んだら殺される前に飛ぶぞ!」


「美由紀さん。ダメだ本気だキッドは!」


「誠さん!うちの貴光はそんな事しないわ。誰より優しい子だから。」


ジャイの言う事を聞かず自分の命を粗末にしようとするキッドを叱ろうとしているのだろうか?


…だめだって。


声が出ない。


目の前からキッドがいなくなりそうな気がして。


「やっぱりこの世界でも誰1人オレの頼みを聞いてくれないんだな。わかった。」


そう言うと、キッドは5階の窓からいなくなった。


その後は話すまでも無いと思う。


パニックだった。


ジャイもがパニックになっていた。


1番進んで欲しくない方向に運命が進んでしまった。


いや、逆かもしれない。


進むべきにして進んだのか?


私だけがやっと自分のやるべき事を理解していた!


「ジャイ!ちょっと来て!」


「オレが異世界でなんにも出来なかったせいか、、、。急患なんか、ちくしょう!」


【パチーン!】


ジャイの横っ面を引っ叩いた!


「聞いてジャイ!私なら救えるの!」


「あの高さなら無理だ、、、。オレでも助けられない!」


「違う。私が助けるんだって!」


「はぁ?お前も頭おかしくなったのか?医者でも無理だって言ってるのに、中学生ましてや怪我人のユッティに何が出来る?」


私は昨日も今日も、机に届いた物をジャイに渡した。


「なんだよこれ?こんな時に食えってか?馬鹿か?お前!」


「これ何?」


「巨峰か?」


「マスカットでしょ!!マスカットって聞いてなんか思いつかない?」


「ユッティお前ひょっとして、」


「青魔族って知ってる?当日の2時の異世界に行って、朝6時に戻れるの!知ってるでしょ?私はその話をショッピングモールで、聞いたのキッドに、屋上でいやな事があって、お腹切って、そしたら異世界に行ったって!その異世界はお腹を切ったちょうど4時間前の異世界に!そこで訳もわからず殺されて、人間界に戻って来たらまた6時だったって!キッドも青魔族になった時自分ではあまり気がついてないのかもしれないけど異世界分を入れると4時間以上時間を逆行してるんだよ!」


「自殺する気か?ユッティ!」


「自殺なんて言わないで、時間逆行してるキッドの世界で私が唯一助けられる方法!それ以外ある?自殺じゃなくて、異世界に行く為の手段と言ってよ!」


「もし、、、行けなければ、、、オレは1日で友達2人を失うんだぞ!!」


「キッドがいない世界に意味なんてある?ジャイ!」


「そうだけど、、、。確かにそうだけどさ」


「これしか無いんだって、歴史を変える為にキッドが時間逆行してる中、更に私が過去に行くしかないんだって!捏造3に無理やり理由を後でこじつけるしか!」


「おまえが未来のオレが一緒に冒険したマスカットだったのか!?」


「多分ね。昨日から机にマスカットが置いてあるの。もうなんでって話よ!昨日の時点でピンとは来ていたの!また今朝今度はカゴにマスカットだらけ!まるでマスカットの1粒1粒がキッドのトラウマに見えて、朝から食べれるだけ食べてやった。」


「で、ユッティオレは何かやる事あるか?」


「私痛いのだけ本当に無理なの。キッドが飛んで今病院内パニックでしょ?薬無い?」


「わかった苦しまないやつ用意する!どこで飲む?」


「どこか無い?」


「オレ専用の休憩室でどうだ?昨日もそこで寝た!鍵もある!」


「じゃあ行こう飛んだのがキッドだってわかったら友達のジャイは必ず他の先生に捕まる!行こう。」


「わかった。」


ショックで気絶した美由紀さんと遥さんを、部屋に置き去りにして、走った!


「ここで待ってろ!薬取ってくる!」


「早くね!」


ジャイがなんかカードキーと顔認証システムの部屋に入って行き、1分もかからず帰ってきた。


「大丈夫だ。10粒くらい飲めば10秒で死ねる!行くぞすぐ着く。」


「うん。」


階段を、降りジャイの休憩室に入った。


「はあはぁ、、時間ないかな?人きちゃうかな?でもその前に聞いとかなきゃ!キッドの異世界ってどんな感じ?」


「今のキッドをでかくして、髪は水色にした感じだ!かなりイケメンだ!」


「わかった。頑張って探してみる!私ってなんのモンスターになるのかな?」


「さあなそこらへんは2の世界の未来のオレに聞いてくれ。」


「多分!私にしかできない事ってこの事だと思う。今人間見ると逃げてしまうキッドなら、モンスター化した私なら色々聞いてあげて、なんとかしてあげられるかもしれない。かもじゃない、絶対なんとかするよ私!ちなみにジャイは異世界だとどんな感じ?」


「オレはこの顔知ってればわかるはず!髪も金髪だし、あまり変わりないかな。服は金持ち貴族な感じかな?」


「わかったおぼえとくね。しかし歴史って不思議だね。私だったなんて自分でもビックリしてるよ。異世界から帰ってきたら、今日のAM6:00だよ。どうしたらいい?」


「美由紀さんと遥さんの家に向かい説得する!家から出る前に土下座でもなんでもして。必ずオレに話せ!オレは絶対信じるマスカットになって時間逆行して来たと言え!」


「、、、わかった。」


【ドンドンドン!】


「誠先生いませんか!?」


「ジャイ!来たよ!」


「ユッティ頼むお前しか出来ない!」


「でももし、世界が分岐していく世界ならこの世界のジャイはこの後殺人者になるよ!」


「そんな事は無い!オレの考えでは世界は1本の線だと思ってる!この今日の夜中2時に異世界にユッティが戻った時点でそこから上書きされていく。オレはそう言うスタンスだ。今日の2時に戻り異世界に行き、朝6時にあったオレがオレだ!そのオレはキッドが窓から飛び降りる事をしらないかもしれないが、この世界に残ったオレの心配なんてするな!この2時〜今11時くらいまでは夢だったと思え!戻った世界こそがリアルだ!キッドもそうやって今までやって、オレとユッティ、セシルさんを救って来た!キッドにも出来たんだ!ユッティお前も必ず出来る!」


【ドンドンドンドンドン】


「誠先生!いるんですよね?入ったの見た職員がいるんです!わかってますよね?開けてください!」


「ジャイそろそろ限界だね!」


「だな!」


「青神様見てるんでしょ!!キッド見捨ててあんた何やってんの?バカなの?神様のあんたが救えないなら私が行くんだから!!このまま、私が死んだら絶対許さないから!青神様だってこのままでいいなんて思ってないんでしょ!!だったら、私を連れてって!!あなたの代わりに私が行く!!青神様より、鈴木さんより、キッドのお母さんより、ジャイより、キッドが大好きな私が助けに行くから!」


私はジャイから薬を受け取った。


「ジャイ行って来るよ!」


「もう1度やって来る今日の朝待ってる」


そして私は薬を飲んだ。


…1


…2


…3


…胸が痛い。呼吸が、、、。


…4


…5


私は心臓を抑え、倒れた。


…6


周りがスローモーションになって来た。


…7


…お母さん、お父さん。


お父さんとお母さんと幼稚園に一緒に行った思い出がフラッシュバックしてきた。


…お母さんとお父さんこんなに仲良しじゃん!


そのお父さんとお母さんが私に手を伸ばしながら消えていく。


悲しそうな顔で。


…戻れるから。お父さんとお母さんの関係も。


…私の命も。必ず戻って来るよ。


…私は自殺じゃ無いから、、、。


…異世界に行くだけだから。




…8


…キッド!


ライブに一緒に行ったキッドがいる。


…こんな走馬灯なんて、、、。


…死ぬ訳じゃないはずなのに。


…楽しかったね。


…ちょっと待って!


私を置いて地平線に海の上を夕日に向かい歩いて行く!


…必死に手を伸ばす私を見て


…来てるよ私!ここまで!


…9


…待って!行かないで!


消えていく。キッドが。


でもその先に2人誰かがいる。


病院のキッドと、もう1人水色の髪の男性!


その2人が海の上で夕日を見てしゃがんでいる。


私はその2人に向かい走った。


これは死ぬ前の私の走馬灯ってわかっていたけど


それでもあんな寂しそうな2人にさせておけない直感で走っていた。


…キッド!


…キッド!!!後少し!


…私が行くから!!


…捕まえた。!!!


…10!!!


【ゴーン!ゴーン!ゴーン!ゴーン!】

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