96話
〜〜〜〜ユッティ's side story〜〜〜〜
私は部屋で、色々考えていた。
キッドの救出方法を!
机にあった誰から置かれたわからない物は役目を終えゴミ箱へ消えて行く。
しかしゴミ箱に行ったとはいえ、偶然とは思えなかった。
その意味する物が!
これが運命ならば運命に従おうと思いながら、ジャイを待っていた。
「ジャイ!キッドどうだった?」
「駄目だ鎮静剤で大人しくはなるが、根本的になんとかしないと、薬が切れたら何するかわからない、、、。なんでこんな事に、、、。」
「ジャイ聞いて!キッド人間界に帰って来たなら今日の夜からジャイがいる異世界にいるんじゃないかな?」
「そうか!この人間界で救えなくても、異世界なら!」
「でしょ。なんとかなりそうじゃない?」
「それしかない!明日には美由紀さんと遥さんも来るからな!明日までに少しでもオレがなんとかするしかない!オレが救う番だな!」
「私何も出来ないのがもどかしいよ。」
「今は異世界では、オレしか出来ないけど、キッドがよくなってきたら、ユッティ!お前がこれからのキーマンだ。」
「私に出来るかななんて言わない。私がやりたいその役目を。やってあげたいの。」
…そうだ、これがベスト!
…あんな運命の案なんて、失敗したら、全てが水の泡になっちゃう。
…でももし、、、。
…過去の世界!2の世界でそれが起きていたなら、私は必ずそれをしなきゃいけないのかな?
…とりあえずジャイが、今日の夜異世界に行ってから考えようかな?
…そうしよう!異世界ならキッドを救ってくれるはず!
「オレなりに最善を尽くす。ユッティ自体は体はどうなんだ?もうすぐ退院の話だが?」
「私は大丈夫かな?もう、今の所無理な事しなきゃ、普通に行けそうだよ!」
「そうか。いつから新しい学校に行くか、考えて連絡くれ。そしたらオレが伝えておくから。」
「もうちょっと側にいてあげたいけど、何も出来ないし、でもすぐ学校にはって気分でもないよ。最低1週間はまだいたい。迷惑で、ジャイの負担がかかるなら来週の初めから行くけど、、、。」
「金の心配はしなくていい!とりあえず1週間様子を見よう!」
「ありがとう。頑張って来て私は寝てるしか出来ないけど。」
「キッドがよくなるまでオレもここに泊まるから大丈夫だ。次はオレらが救ってやる番だな。」
「巡り巡る訳だね。ジャイ!」
「人は1人じゃ生きて行けない事は無いが、1人じゃ救われない事はある!だから、人は会話をし、わかり合い気持ちを、共感し、涙を流す。キッドだって人間だ、ましてやそんな強い人間じゃない!なのにこれだけ頑張っている。オレはあいつのそういう所が好きなんだよ。自分が、辛い状況にあってるからこそ、人の気持ちがよくわかってる!誰よりも、人の痛みに敏感でそれでいて自己犠牲をかえりみず行動するんだ。だから、あいつの通る後の道は何回こんな事があるかわからない。ユッティ実はな聞いたか聞いてないかわからないが、オレはキッドに色々助けられたって言ったが、キッドがオレの部屋に来てくれてなかったらユッティと一緒でオレも死んでいたかも知れないんだ。」
「そうなの?異世界の話は詳しく聞いたよ。異世界で、ジャイに会ったって。」
「ああ。アル中でなその頃!アル中って言っても依存性の方だけどな。異世界ではまだまともだったから、キッドに助けを求めたんだ。自分ではどうにもならなかったから。あいつが来た時オレの部屋はボヤで燃えていた。オレはアルコールで、気が付かず寝てたんだ。今でもあの時、キッドが来なかったらと思うとゾッとする!そんなあいつはみんなが神取って名前を聞くだけで距離を置くそのオレのカラを平気で破り、行こうと手を差し伸ばしてくれた。歳なんて関係ない!オレのヒーローは小学生だったんだ。金も無い!半年前まで0点ばかり取っていたキッドそんなやつにオレは心底惹かれていった。そしてオレみたいなやつが沢山いるからそいつらを救いたいから手を貸して欲しいって言われた。ヒーローに仲間になって欲しいって言われたんだオレ。嬉しかった。小学生とか、そんな歳とかじゃなく、1人の人間としてやつにでっかい借りがあるし、なんでもしてやりたいと思ってる。だから諦めない!」
「ジャイも私と同じロスタイム人生だね。頑張ろう!明日朝上手くいく事を願ってるよ。」
「あぁ。馬鹿言い合える、、、あいつに戻って貰わないと、、、オレは困るんだ!キッドの目標はオレの目標でもあるから、、、。」
「じゃあ私もその、目標に混ぜて貰おうかな?」
「一緒にみてみようぜ!神様が言ったらしいみんなが笑える結末ってものがどんなもんか!」
「うん。3人運命共同体だね。私は今は祈るしか出来ないから、明日朝結果を言いに来てね。ジャイいい結果を待ってる」
「わかった。明日必ずどうなったか連絡に来る!とりあえず今日はゆっくり休んでるといい。キッドに殴られたとこ大丈夫か?」
「初めて人に殴られちゃった。でも死ねって言われた方がキツイかな?」
「それはオレも同じだ。今だけだなんとかするから!でも傷付くもんだな言葉1つで。」
「そうだね。私たった二言でこれだけ胸が痛くなったんだよ。しかもこれって寝てる間に酷い事され続けたんだよね?薄々わかってて、言われてこのショックだよ。鈴木さんってキッドがなんで罵声吐いてるかわからない状態でこんな感じで聞き続けたのかな?キッドも相手の心を殺すつもりで言ったんだろうね。2人ともかわいそうな運命だね。その運命の道を通らなきゃいけないなんて、、、。」
「運命か?あいつさっき50回オレに殺されたって言ってたな、、、。何回、、、何回までオレを信用してくれたのかな?どんな生き地獄だよ!」
「もう辞めよう。ジャイも私も前を見ないと!救える物も救えないよ。私もこれ以上話すと多分泣くよ!」
「悪かった!オレは小学生に慰めて貰ってばかりだな!まるでヤブ医者だな!」
「私もキッドも、もう中学生だよ!ジャイ!」
「そうか。なんかキッドのランドセルのイメージが強烈だからな。悪いな。ユッティ!間違ってもキッドの所には行くなよ!今はそっとしてこの世界では誰もキッドを殺さないってのを認識させないといけない!明日もし、異世界で上手くいかなかった場合は、美由紀さん達は遠慮して貰わなきゃいけないかもしれない。」
「頑張ってしか言えないけど頑張れジャイ!」
「思ったより普通だな!じゃあオレは行く。ゆっくりしてろよ!」
「うん。」
話し終えたジャイが病室を出て行く。
その後ろ姿はとても寂しそうで悲しそうだった。
…言えなかったな。
…誰から届いたかわからない物の事!
…意味がないのか私宛の運命なのか
…全然わかんないや。
私はまた屋上に向かう為に病室を出た。
…その前に売店に行こ。
…牛乳が飲みたいな。
1階におり、売店で買い物をしてると、玄関に小泉先生と知らない同い年くらいの男の子がいた。
「ありがとうございました。色々今日も聞いて貰って、これからも自分なりに色々変わる努力を、続けてみようと思います。後マラソンと筋トレも。」
「そうだね。まだ人生は長いから同じ失敗をしないように頑張ればいんじゃないかな?また遊びにおいでね。」
「ありがとうございました。」
…誰かな?
…私と同い年か少し上かな?
…まあいいや!
2人の会話をよそにエレベーターで、上りそして扉を開けて外に出た。
…んっー!こんないい天気なのに!
…キッドには見えてないんだろうな。
…きっとキッドみたいな人ってそれなりにいるんだろうなぁ。
…ジャイが言ってたけど、人はある程度の歳になれば1人じゃ生きて行けない事は無いが、1人じゃ救われない事はある!
…そう言ってたけどさ、きっと人を悲しませせるのもきっと人なんだよね。
…キッドみたいに心を閉ざしてしまった人
…家で引きこもって出てこれなくなった人、
…人を信用出来なくなった人。
…みんな子供の頃からそうだった訳じゃない。
…きっとそんな風に引きこもりになって欲しくて、心を閉ざすように、人を信用しなくなるように育てる親は1人もいないはず。
…でも、その生きていく中でいろんな事が人によりあり、自分を守らなきゃいけないからしょうがないんだよね。
…キッドが今近寄って欲しくないのもその1つだよきっと。
…なんでかな?人に生まれて来てこんなに悩んでる人がたくさんいるのに、
…気が付かずにいる人もたくさんいる!
…きっと待ってるはずなのに。
…あの時からやり直したいと思う人ってたくさんいるんだろうなぁ。
…私は看護婦になれば、そんな人達に何が出来るんだろう?
…臨床心理士になればいいのかな?
…私はいったい何になればキッドみたいに傷ついた人を救えるのかな?
まだまだ明るい15時屋上から牛乳パックを飲みながら、遠くを見つめ自分の未来とキッドの未来を真面目に考えていた。
そして、病室に帰って来て、キッドの為に何も出来ない私は寝るしかなかった。
そして大人しく病室に戻り、何もなく寝た。
次の日キッドの心の傷が改善される事を祈って、、、。
そして私は知る。
また届く2回目の私宛かわからない物の意味を
次の日その偶然は、、、。
必然へと変わる、、、。
やはりその方法だったのかと知る。
私がやらなきゃいけないんだと。