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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
236/534

93話 ジャイ's side story





〜〜〜〜 ジャイ's side story 〜〜〜〜




AM7:45


「誠先生。今日は非番では?」


「小泉先生!ちょっと今日緊急のやつ入りまして、自分の使い慣れたやつ取りに来ました。」


「そうですか?私に力になれる事があれば言って下さいね。誠先生。」


「はい。その時はまたお願いします。」


頭を下げ小泉先生が去って行った。


そう今は小泉先生の病院だ。


車を置きに来たついでに色々と取りに来た。


…これも持って行くか!


…あそこの現場の最寄りだと××大学病院だな。何回か出向で行ったな。設備は申し分ないな!


オレは必要な物を取り、病院を後にして、関君の待つ待ち合わせ場所に、向かった。


【ガチャ。】


「お待たせ関君。」


「誠先生お疲れ様っす。大丈夫っすか?目の下クマさんいますけど。」


「ねれなかった。全然。」


「そうすっか?オレは寝ましたよグッスリです。」


「凄いな関君。」


「逆にワクワクしてます。」


「十人十色とはこの事だな。同じ状況でも1人1人感じ方が違う。オレみたいに、不安で寝れないやつもいれば、関君みたいに知らない世界にワクワクする人もいるって事か!実に面白いな人間って。」


「だって未来の事がわかるなんて、凄いじゃないっすか?誠先生は手紙で半年前からその未来予測手紙に慣れてるかも知れないっすけど、オレは初めてっすからね。止まりながら話しててもアレなんで、とりあえず向かいますよ。」


…そういえば、オレもキッドと初めて異世界で会って、未来から来たって聞いた時はワクワクしたな。


…慣れてるって、オレもキッドが未来から来てるのは関君より前に知ってるけど、改変自体は初めてだからな。全然関君と立場は変わらないんだけどな。


「関君は、もし過去が変えられる力か、自分の願いが叶う未来どっちでもいいけど、そんな力が自分にあったら何かしたい事や、望む未来とかあるか?」


「そうっすねー。知り合いにお婆ちゃんを殺してしまった子がいて、まあ、

実際はその子に責任はないんすけど、ずっと引きずってる子がいるんですよ。その子にお婆ちゃんと話しをさせてあげたいっすね。」


「殺してしまったって、どういう事?」


「山にピクニックに行ったらしいんすよ。その子が9歳の頃、その時持っていた風船が飛んだらしいんですが、木に引っかかった、らしいんですが、おばあちゃんがその風船を取ろうとして滑落したらしいんです!そして、そのおじいちゃんに散々言われたらしいです。かわいそうっすよねー。ただ風船が飛んだだけで、おばあちゃんが死んで、おじいちゃんには永遠と、おまえのせいでと言われ続けたらしくて、救急隊が来るまで、張り倒され続けたんすよ。小学3年っすよ!ありえなくないっすか?そのおじいちゃん!そりゃ悲しいのはわかりますけど。」


「関君その子と知り合いなのか?」


「オレっすね!それが初仕事だったんすよ!小泉先生の病院の前の神取クリニック付近の更に前のとこで。救急隊で、初勤務で、真っ赤にビンタされ続けたんでしょうね。頰を腫らした女の子がごめんなさいと言い続けてたんす。その子の前で消防レスキューがおばあちゃんを無残な姿で引き上げたんです。どれだけ心に傷を負ったかと思ったすよ。オレも誠一郎先生とは面識がありましたけど、誠一郎先生や誠先生程、患者さんに接しようとは考えてませんでしたけど、あの子の姿見たら、やらずにはいられませんでしたよ。それからっすね。ちょくちょく会いに行くようになったのは。今は大分大きくなって、中学3年になったみたいです。」


「6年前の話か?うちらみたいな仕事してると色々あるよな。その子今は大丈夫なのか?」


「高校は行かないって、っていうか、行けないって言ってたっすねー。服が好きだから服を売る仕事する為に都心に出たいって言ってました。お墓参りには怖くて行けないって言ってたっす。だからいつか一緒に行ってあげたいと思って、励ましたりしたんすけどね、もう6年経っちゃったっすよ。才能ないのかもしんないっす。オレ。心の傷を聞いて癒す、牧師さんみたいな才能はないのかもしんないっすね。」


「牧師さんか。聞いてやるだけで救われるもんかな?」


「救われる人かなりいるみたいっすよー。」


「そうなのか?関君。今度もし、お墓参りが、決まったら、オレも呼んでくれよ。」


「はいっ。是非よろしくお願いします。カナちゃんも喜びます。」


…カナちゃん。


…カナ?


…ひょっとして、


オレはキッドに電話をかけた。


「もしもし、キッド!」


『どうしたジャイ?』


「おまえ今頭痛来てないか?」


『実は痛いんだ、、、、。』


「そうかわかった、後でまたかけ直す。」


『そうじゃな、、、、』


【プツッ!ツーツーツーツー

。】


「関君やっぱりオレは墓参りにはいけない。」


「なんでっすか?来てくれれば心強いっすよ絶対。」


「色々とあるんだ。察してくれ。未来には色んな事が絡んで来るもんなんだ。いけれる時なら必ず行くから。」


「そうなんすか?じゃあとりあえずその時が来たら連絡だけは入れるっすね。」


「わかった。」


色んな話しをしながら現場付近に向かっていた。



9:10


現場すぐそばまで着いた。


高速を使えばもう少し早く着いたが、ただですら時間が余るので下道で来た。


救急車なんてものは目立つもんだ現場の側でひたすら路駐なんてしてたら、


通行人に通報されてしまう。


人気のないとこで、10時過ぎまで待機になった。



10:15


「本当に事故なんて起きますかね?」


「必ず起こる!」


「凄い自信っすね。じゃあすぐそばまで移動しますよ。」


そして、人気のないとこから、その事故現場の交差点が見える一本裏道まで来た。


10:20


…安達刑事!交差点にいる来てるな。信じてくれたのか?


…どういう心境で来たのか気になるとこだけどな。


…でも、来てくれたって事は、一歩前進だ。


…ユッティ本当に名案だったな。


…キッドはいるのか?


…いなくねーか?


…ちょっと電話してみっか?


この時10:26!


「キッド!ちゃんといるのか?」


『いる!いるんだけど、安達刑事いるだろ?交差点で立ってたら怪しいだろ?オレの位置から、刑事もジャイ達も見えてる!』


「そうかユッティはどうだった?」


『意外と元気そうで、逆にオレがビックリしたぐらいだぜ。それよりジャイ!頭痛がやばいんだ!どういう事だかわからない!』


「まじか?もうそれはオレもわからない!上手く行かないって事か?」


『ジャイそんな事は思うな!絶対うまくいく。』


「そうだな悪かった。頭痛が耐えきれなくなったらすぐ電話かけて来いよ!」


『わかった。』


そう言うと通話が切れた。


「誠先生。今の誰っすか?」


「関君!初めて言うが、この人を救う作戦は2人で動いているわけでは無いんだ!」


「そうなんすか?」


「誰の所に手紙が届いているかはオレの手紙に書いてある。オレが中心になり、手紙の通りみんな動いている!今回の人命救助は6人だ!6人が人を助けようと手紙に乗っ取り動いている!オレらがな戦ってるのは運命だ!運命と言う歴史をねじ曲げようとしてるんだ!神様のわがままで。うまくいかないと、その手紙の中の1人がどうなるかわからない!そんな状況だ。」


「そうなんすね。俄然やる気出て来ました。」


「やはり、関君でよかった。」


「誠先生何かいいました?」


「いやなんでも無い!最前を尽くそう!」


10時31分!!!


時間がゆっくりと過ぎていく!



10時32!!!


…1分とはこんな長いのか?


10時33分 16秒!


「関君!あの車だ」


「いやぁーマジっすか?本当に来た!本当に来ましたよ誠先生!」


「落ちつけ!関君。」


手に汗が握る!


2人ともその空気と緊張感に生唾を飲む!


…震えるんじゃねぇ!オレの手!


…今更震えても遅いんだよ!


10時 34分ジャスト!!


車が右折レーンの先頭に並んだ!


…ユッティ!見えないって事は頭下にしてて、低くしてるってことだな!


…トラックは配送トラック2tタイプ!


…大型ってキッドは言ってたが、2tは大型にならない!


…なら大した事ない!


…大した事ないって事は無いなノンブレーキだからな!


…2tトラックですらユッティは死んだんだからな。


…神様!オレらに祝福を


10時34分25秒!


「あれかっ!なんでだ?2tじゃねーじゃねーか!?ダンプじゃねーか?」


10時34分 30秒

【グッアシャーーーーーン!!!!!!!!!!!!】

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