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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
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93話 ユッティ's side story



〜〜〜〜 ユッティ's side story 〜〜〜〜


AM8:00


…どうしよう当日になっちゃった。


1時間半おきに起きたりしていたせいで、寝た感じがしない。


…お母さんどこで怪我するか知らないけど、お父さんと私で怪我するから、事故って気がついてるのかな?


パジャマのまま下に降りてきた。


お母さんがご飯の用意をしていて、お父さんが新聞を読みご飯を食べている。


…こんな日も会話ゼロなのね!


お母さんだけが少しそわそわしている。


…お父さん今日は年次休暇なんだ。


…だから家にいるんだ。


…まあいても、いなくてもいつも話さないけどっ。


…今日事故するんだよお父さん!わかってるの?


…新聞なんか読んで!もうっ!


…言えないか。


…言えないよねっ。


…今までのみんなが頑張ってくれたのが無駄になっちゃう。


…まだタイミングじゃない。部屋にもどろーと。


…それにしても、キッドの昨日のキス凄かったなぁ。


…あれが、大人のキスなのかな?


…あんなキスされたら誰でもドキドキするよね?多分。


…あの時年の差を少し感じちゃったな。


…たまにドキってする行動するんだもん!キッドって。


…普段は同い年な感じなのにな。


…昨日のキッドカッコよくてキュンキュンしちゃったなぁ。


…でも、今日からは友達だよね。


…出来るかな?でも、もう次会うのは事故の後なんだ私。


…会えるかな。


…会いたいな。友達でもいいから。


…会いたい。


…だめだぁ。昨日から寝ても覚めてもキッドばかり考えちゃう。


…キスなんかしなきゃよかったかな。


…だって、怖かったのは本当だもん。初めのキスは同情のキスだよね。絶対!でも何?その後のあれっ?


…あっー!私今日事故するのよ。なんであんなアホキッドの事ばかり、、、。


…お風呂入って、頭切り替えないとだめだ!


…ミスしたら、キッドに会えなくなっちゃう!


…今何時?


…まだまだ時間あるなぁ。


…とりあえずお風呂よ!お風呂!雑念を流さないと!


そして、お風呂に入り、上がるとお父さんが、自分の部屋に戻っていたので、そのままお母さんがいる食卓へ行った。


「お母さんおはよう。」


「どう?大丈夫?」


「大丈夫って、大丈夫だよ。昨日の友達のおかげで、震えてないよ。」


「私はどうしたらいいのかわからないわよ。いきなり未来から手紙なんてきても。」


「お母さん声大きい!お父さんに聞かれちゃうよー。」


「あっごめんなさい。食欲は?」


「それがね。あるのよ私。」


「そう?じゃあよそうわね。」


「お母さん今日が最後の朝ごはんかもしれないのに普通だね。」


そう言ってお母さんを見たら、ポロポロ涙を流すお母さんがいた。


「お母さんごめんなさい。冗談。ちょっと今のは私が酷かった。本当にごめんなさい。」


「大丈夫、、。大丈夫よ。ちょっと色々ナーバスになってるみたいで、私1人生き残ったらどうしようとか思っちゃって。」


「お母さん今日何が起こるか知らないよね?」


「知らないけど、唯、あなたとお父さんが一緒に怪我するって、事故しかないじゃない。神取さん、お父さんが落ち着いたら手紙を渡してくださいって言ってたもの。それくらいしか考えられない。ねぇ、唯!辞めない?辞めちゃおうよ。何もなかった事にして、手紙も全て無かった事にして、家にいよっ。」


…お母さん。


…そうなるよねっ。


…お母さんだもんね。


「ごめんなさい。わがままな娘で。ごめんなさい。今日が最後のチャンスなんだよ。本当の私は今日死んでいたかもしれないのに、それを救う為に信じて一生懸命になってくれた人がいるから無理!詳しくは言えないけど。私は私の人生を変えようとしてくれてる全てを信じる事にしたの。だから行くよお母さん。」


「いつもは言う事聞くのに、今日は唯、別人みたいね。」


「私ね、実はDL99ってバンドが好きで、お母さんとお父さんに内緒で髪の毛染めて何回もライブに行ったりして飛び跳ねたりしてるんだよ!もうすっごいカッコよくてそれが本当の私なんだ。家にいる私は素の私じゃないのお母さん!2人がお父さんと、お母さんが、仲悪いから、私のせいで離婚とかしたら嫌だからいい子に演じていただけ。娘のせいで、喧嘩増えて離婚とか私のせいにされたら嫌だもん!私がいい子にしてたら、喧嘩や無視とか減るかなって思って私なりに考えて頑張ってたんだよ。」


「唯、、、そんな、、そうなの?」


「そう!だから、私はお母さんがなんて言おうとやる!やるの絶対!みんな待ってるから。絶対邪魔しないでお母さん!今日助かっても、多分お父さんは近い未来死ぬよ。その未来を変える為にやるの!」


「うっ、、、。なんで、、うちなのかしら、、、こんな不幸、、、うちじゃなくてもいいのに。」


「不幸にならない為にやるんだよお母さん。今だって不幸じゃん!すれ違いばかりで、家族なのに、話もしないで喧嘩喧嘩、なんで家族なの?お母さん、今日がやり直すチャンスの日なんだよきっと。私は神様の指示でお父さんとは、3年会えないけど、3年経ったらまた3人で一緒にご飯食べようよ。新聞なんて読まないでたくさんお話しする食卓で、ご飯食べようよ、、、。一緒に、、、いっぱい旅行とか、、、、行こう。私、、、、、私、、、、、やっぱり、、、笑ってる、、、、お父さんとお母さんが、、、いいな。お母さん。」


「唯、、、、今まで、無理、、、させて、、ごめんね。お母さん、、お父さんと、唯の為にもし事故が起きたら、、、、ちゃんと手紙の通り離婚するから、、、きっとする、、、そして、、、会ってもいい日が来たら、、、唯一緒に、、、また家族に、、、家族になろうね。2人でお父さんを、、、亮平さんを、、迎えにいきましょう。」


「うん、、、。待ってる。3年後待ってる。お母さん大好き。お父さんも大好き、、、お父さんと、、、お母さん、、、の娘に、、、うま、、れてよかった、、、ひっく。、、」


「唯、、、。」


「お母さん、、。」


私はお母さんと抱き合い涙した。


今まで溜まっていた物がスッと取れた気がした。


私とお母さんはその後落ち着きを取り戻し、お母さんがちょっと待っててと言って近くのスーパーに買い出しに走っていき、ハンバーグや、餃子など私の好きな料理をたくさん出してくれた。


それも食べられないくらい。


お腹いっぱい食べて、ありがとうございますとお母さんに挨拶をして、部屋に戻った。


…キッドが未来から来てくれたから、お母さんと分かり合えたよ。


…キッド、、、それだけで、、、前に死んだ私より今は幸せだよ。


…キッドは私だけじゃなくて、家族みんなを救ってくれてる。


…もし、、、。


…もし、、、死ななかったら、なんでもキッドの為にしてあげたい。


…鈴木さんなんかに負けない。


…そのくらい私!キッドが好き!


…生きたいよ。


…キッドと、この先ずっと。


…馬鹿な事ばかり話し合って、


…大笑いしたい。


…あの時は私が不安そうな顔してたから同情で言ったりしてくれたのかな?


…もし本気で言ってくれていたなら嬉しい。


…死にたくない!


…キッド私は死にたくないよ!


…生きて、生きて、生きて、


…キッドのそばにいたい。


…お風呂に入っても、この気持ちは流せなかったよキッド!


そして、9時50になった。


…さぁて行かなきゃ。


私は下に降りた。


…お父さん。


「お父さん!あの今日ライブがあるんだけど、ライブに遅れそうなの!駅まで送ってくれない?」


「えっ?ああ。」


「10時15分に迎えに来るから用意をしといて。」


「ああ。」


…お父さん!ああ。なんて、


…お父さんだって思ってることたくさんある癖に。


…思っているだけじゃ伝わらないんだよ。


…お母さんが好きなら好きっていわないと。


…でも大丈夫だよ。


…3年後お母さんがお父さんに会いに来た時に必ず大好きって言ってくれるから。


…頑張ってね。3年間孤独なお父さん。


…お父さんは、大好きなお母さんの為に。


…私は大好きなキッドの為に。


…絶対未来を変えて、生き残ろうね。


私は部屋に戻って来たところで着替えようとしていたら着信がなった。


…キッド、、、。


…ダメ!あれはあの時30分だけの恋人!


…好きとかいったら、キッドが困る。


…大好きだけど、友達でいないと。


「もしもし」


『ユッティどうだ?上手くいってるか?』


「うん。上手くいってるよ。大丈夫。」


『つい1時間前酷い頭痛が来たんだけど何かわからないか?』


「なんだろっ?あっ!それ多分今日の事故がだいたいの予想でお母さんにバレちゃって、お母さんが私を引き止めてやめようって言ったからかも。」


『それかー。大丈夫なのか?』


「大丈夫。お母さんとも分かり合えたよ。」


『そうかそれはよかったな。ユッティ落ち込んで元気ないかなと思って電話したのに意外と元気で逆にこっちが元気もらえるわ!』


…だって絶対死にたくないもん!


…前向きに行かなきゃだもん!


…大好きだもん!キッド!


「へへへ、私は強いんだよキッド!知らなかったかい?」


『知ってる!』


…だめだ!これ以上話すと依存しちゃう。


…集中しなきゃいけないから!


…時間とか全部生きる為に、、


「キッド時間が無いの出発まで、着替えて完璧にしないといけないから!」


『ああ、悪かった。』


…大好きって言いたいな、、


…生きてたらまたキスしてって言いたいな。


…キッドあなたは私の命そのものかもしれない。


…キッド!


「じゃあ切るね。」


…大好きなんて言えない。困るもんねキッドは。


『おう。』


…きっと会えるからバイバイも、サヨナラも言わないよキッド!


そして衝撃吸収スーツを内側に来て着替えて、キッドから貰った、季節外れのマフラーを巻き、


時間を、合わせて下に下りた。


「お父さん行ける?」


「行けるよ。」


「じゃあ行こうか?」


そう言うと2人で靴を履いた。


「お父さん忘れ物しちゃった。トイレも行きたいし、先行ってエンジンかけといて。」


「わかった車にいるね。」


そう言うとお父さんが家を出て行った。


10時16分15秒。


…まだ、早い。


トイレに入り、時間を潰した。


10時18分


10時19分


10時19分45秒!


…そろそろかな?


トイレを出て靴を履いて荷物を持った時に後ろに気配を感じた。


振り返るとお母さんが立っていた。


号泣したお母さんがいた。


…泣いちゃだめ!


…未来の私は泣いてなかったはず。


「行ってらっしゃい。唯。」


「お母さん。行ってくるね。」


「お父さんお願いね。」


「うん。」


そして私は家を出た。


10時20分30秒。


左後部座席に乗り込んで、右足元にヘルメットが入った袋をおいた。


「唯、、、シートベルトしたかい?」


「はっ?するわけないじゃん!しなくても違反じゃないんでしょ!きつくてやだよ。」


「そうかい。じゃあ行くよ。」


そうして、車は走り出した。


…お父さんごめんね。


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