90話
2013年 3月29日 金曜日
あれから3日後!
ユッティのお母さんに手紙が来たとユッティからメールが来た!
手紙が来たとはいえ、ユッティが自作自演でお母さんに手紙来てるよと渡した物だ!
しかも、セシルさんがいない時に、
そうしたら、案の上その内容に、ユッティが呼ばれ、ユッティはもう半年前から手紙が届き、全部当たっていると、説明したらしい!
5月6日に何が起こるかは、伏せた!
書くと頭痛が、したからだ!
だから、お母さんは何があるか知らないが命の危機が迫っている事だけは手紙で伝えた!
多分何が起こるか伝えたら阻止されてしまうのだろう計画が。
そして、もし、ユッティが助かった場合!この手紙通りに動くようにと指示が書いてあった!
この時点で、すみれさんの信用度は70%との事!
今日はその70%を100%に変えて来る日だ!
11時半
自分で書いた手紙とオレの携帯を持って、ジャイがユッティの家に着いた。
『大丈夫か?バッチリ演じれるか?』
「任せとけ!この携帯があればなんとかなる!説得して来る!そして、印鑑押させて来るから!」
『頼むな!』
そう言うとジャイがチャイムを押して入って行く!
医者の名刺を持って!
手紙と未来の携帯も持って、
入って行った!
裏方のオレはただ、ひたすら待つしか無かった!
1時間半が過ぎて、ジャイが出て来た!
『それではすみれさん!一緒に頑張りましょう!』
「それで3年後みんな幸せな家庭に戻れるなら辛いですが、頑張ります。」
その時ユッティから着信が入る!
『ユッティどうした?』
「2階から遠くにお父さんが見えるんだけど!」
『なんだって?』
ルームミラーを助手席に合わせて頭を低くし!ミラーを覗きこんだ!
『ユッティ今日はセシルさん仕事だろ?違うのか?』
「今日は会議もあるから遅くなるはずだけど、仕事中に帰って来たことも無いんだけどなぁ。」
少しずつ、近づいてくる!
その時、ジャイがすみれさんとハグをした。
ミラー越しにセシルさんのカバンが地面に落ちるのがわかる!
すみれさんはセシルさんに気がつかず家に戻った!
「バッチリだったぜ!印鑑貰ったぜ!なんでそんな隠れてる?」
『ヤバイ!後ろにセシルさんがいる!うちらの計画見られたかもしんない!』
「マジか?ユッティ乗せる前に車出すぞ!」
ジャイがエンジンをかけると、
ミラー越しのセシルさんは、カバンを拾いフラフラしながら来た道を戻り始めた!
そして、オレらも出発した!
『ジャイ!』
「なんだよ?」
『セシルさんから聞いた玄関で楽しそうに話してた浮気相手って今のジャイの事じゃね?』
「そうか、。だから、探偵に頼んでも浮気の気配が無しだったのか?」
『2の世界線でも似たような事があったんだ!きっと!』
「間違いない!それだ!」
離れた所に車を止めユッティに電話をかけた!
『ユッティちょっとだけ離れた所に車停めてるけど、出てこれるか?』
「お父さんには見られた?」
『見られた!』
「ヤバくない?大丈夫なの?」
『よく聞けよ!前の未来でセシルさんが話していた浮気相手と、玄関で楽しそうに話す姿を見たって多分今日の事だ!』
「そうなの?」
『とりあえず用意して急いで来い!筆記用具とか忘れんなよ!時間間に合わないなんて、シャレにならないからな!』
「今着替えてる!すぐ行く!」
『書類は貰ったから!』
「了解ちょっと待ってて!外にお父さんいないの?」
『前聞いた通り、引き返したみたいだ会社に!』
「お父さんかわいそうだね。」
『でもユッティが死ぬほうがかわいそうだろ?』
「そうだけど!【ガチャ!】今家出たよ!」
『次の曲がり角を左に曲がったとこにいる!』
ユッティが車に来た!
「今日はオープンじゃないんだね?」
『今日は髪型崩れたら大変だろ?』
「乗ったか?じゃあ時間無いから飛ばすぞ!これ持っておけよ編入試験の紙!」
「わかった!」
そして、オレらはセシルさん救出の最後の行動!
ユッティの編入試験会場の中学校まで送った!
「小泉先生、それに神取クリニックの神取誠先生まで、言ってた子はこの子ですね?」
「竹内 唯ですよろしくお願いします。」
「お2人のお願いでもとりあえずテストは受けて貰わないといけないんですよ。」
新しい中学の校門で、小泉先生と、ジャイとユッティと、この中学の偉い人が話している!
見た感じかなり頭がよさそうな学校だ!
だが、オレの受験した中学の方が偏差値が上だ!
まあ小泉先生と、ジャイの紹介ならそうなるだろう!
「無理を聞いて頂いて申し訳ないです。」
「天下の神取先生そんな頭を下げないで下さい!私達の医療系の学校の職員であなた方2人を知らない人はいませんよ!」
「誠先生。こちらが校長先生の城之内先生です。私の幼なじみです!今回無理を聞いてもらえる事になりました!」
「城之内です。そういう事になりましたが、合格点は超えてもらえないと編入は出来ません。それはお2人とも構いませんね?」
「はい。」
「では竹内さん。行きましょうか?試験は45分の3回です!17時半には終わってると思いますから迎えに来て下さい!」
『ユッティ頑張って来いよ!』
「頑張ってくるね!では先生よろしくお願いします。」
そう言うと行ってしまった。
「誠先生!これも誠一郎の人助けの1つですか?」
「そうなります!」
「私にまた力になれる事があれば言ってくださいね!」
「ありがとうございます。今回は助かりました。病院に送りますね。」
「悪いね。ではお願いしようかな。」
オレは後部座席に乗り込み、ユッティの合格を祈った。
祈りながら車は発車し、小泉先生の、病院へ送ったのち、また学校に引き返して来た!
病院では4月から楽しみに待ってるよ誠先生。
夜勤は諸事情で出来なくてすいません!
などの会話が繰り広げられていた。
そして、中学校のまえで1時間以上待ち、
ユッティと校長先生が出て来た。
「大丈夫でしたね。充分合格点は取れてます。いつから転校されるんでしょうか?」
「早くて、5月の中旬だと思うのですが、また、連絡致します。」
「わかりました。寮も確保しておきますから決まったら、電話下さい」
「ありがとうございます。」
「大丈夫です。私の妻も、あなたのお父さんに気にかけて頂き、よくして頂きました1人です。小泉先生の紹介で誠一郎先生を紹介して貰って、立ち直る事が出来たんです。そんな妻も今は元気にやってます。こんな事で誠一郎先生のご子息の誠先生や、小泉先生に恩返しが出来る日が来るなんて思いませんでした。」
「ひょっとして、親父の葬儀に、、」
「はい。妻とお酒持って並ばせて頂きました。凄い方だと思いました。凄いお酒の量でしたね。」
「そうでしたか。わざわざ、ありがとうございました。私4月からは小泉先生の病院で勤務しますので、よかったら、遊びに来て下さい。こちらからも遊びにいきますので。」
「ぜひ遊びにきてください。誠一郎先生のご子息となれば、妻も喜びます。竹内さん。5月と中途半端な時期だけど一緒に頑張りましょう!」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「では城之内校長先生また、連絡します。みんな乗ってくれ。」
「誠先生。因果応報です。誠一郎先生の救いがあったから、私もあなたを救えた。誠一郎先生の教えを忘れず新しい病院でも頑張ってください。」
「親父を超えるあつかましい医者になりますよ。」
ジャイと校長先生が握手をした。
「では失礼します。」
そう言うと車は走り出し、後ろでは見えなくなるまで校長先生が、手を振っていた!
『見えない所でいろんな人と繋がってるもんだな。』
「そうだね。助け助けられだね。」
「でも、オレがすみれさんの浮気相手だったなんてな、どうみんなの未来に関与してるかわからないもんだな。」
『でも聞いてくれ!これでやれる事はほぼほぼ全部終わったな、後は身体の手配はしてるから、車の手配か?』
「大丈夫だ民間のやつか、新しい俺んとこのやつを借りてくる!」
「上手くいくかな?」
「上手くいかせる為に、ここまで頑張って来たんじゃないか?」
『とりあえず体がきたら、一度俺ん家に来てもらう事になる!いまの所ギリギリの予定らしい!5月までかかるかもしんないってジャイが言ってたから!』
「4月はみんな新しい環境だから、あまり会えないかもしれないね!」
『そうだな!とりあえず電話で連絡は取り合おう!』
「キッドもし、もし生きてたら、一緒に遊ぼう。未来とかそんなの忘れてまたライブいったり、スケートしたり、新しい学校ならキッドの学校とそんな遠くないでしょ。」
『ああ。もちろんだ!こんどジャイの病院の側に山があって登山行こうぜ!唐揚げ持って、頂上からの景色が最高に気持ちいいからさ!』
「わかった。絶対に行く!絶対見るよ私!」
『泣くんじゃねーよ。ユッティ!まだ何も終わってねー!死ななかった時に泣きな。それまで頑張れ!』
「違うよ!みんなが私の家族の為に動いてくれた事が嬉しくなっただけ。もう1回肩借りるね!キッド、これはキッドが悪くて泣かせたんじゃないから、キッドは悲しまなくていいから、、、。勝手に泣いてるだけだから、、。」
『大丈夫だ!側にいる!』
泣いてる頭をなでてあげた。
その姿はまるで弱い女の子で、
いつも元気で、活発なユッティではなく、普通に華奢な女の子だった。
何か声をかけてやる事はなかったが、
おまえは今までよくやった!頑張れこれからもという念を持ち、
一生懸命グラン号の後部座席で
頭をなでてあげた。
そしてユッティの実家まで送り届けた!
『ユッティ寂しくなったら電話して来い!』
「何よ、彼氏でもない癖に彼氏みたいな事言って!」
『そんな事言わない方がよかったか?』
「バカキッド!鈍感!変人!アホ!」
そう言ってユッティは歩いて帰って行った
『なんかオレまずい事言ったか?』
「ユッティもユッティで大変なんだよ!キッドの事が好きだけどなるべく好きにならないように頑張ってるんじゃないのか?なのに、キッドが優しくするから、そのリミッターが外れかかってるんじゃないか?」
『かわいいなって思うよ!好きになりそうになった時が何回もあった!お互いそこで、一歩踏み出さず我慢してる感じだ!あんな鈴木さんしか愛せないと思っていたのに、浮気性な人間だなオレは、』
「でもちゃんと鈴木さんが好きだってユッティには伝えてあるんだろ?なら大丈夫だろ?」
【♩♩♬】
『あっ!ユッティからメールだ!今日はありがとう2人共、キッド私は諦めない諦めないから!だってなにをだ?生きる事をだよな?』
「バカだな!頭なでなでして、その後にこのメールだろ?この諦めないはな、未来の鈴木さんへの戦線布告メールだな!」
『マジか?とりあえず出発してくれジャイ!またセシルさんにこの車みられたら厄介だ!』
「おいよ!」
走る車の夜風に吹かれ頭を冷やしていた。
吊り橋効果なのか。
あの泣き顔みたら、ユッティを守らなきゃいけないと思ってしまったゆえの
寂しくなったら電話して来いよの発言が出た
こんなオレは駄目人間なんだろうか?
非難されても構わない!
最低と思われても構わない!
あの時はそう思ってしまったゆえに今は頭を冷やしている!
感情で、動いて悲しくなる事を知っているから!
そう好きになればなるほど辛い未来が待ってるのがオレでもわかる!
それでも、あの一瞬!こいつをユッティを守りたいと思ってしまった自分が嫌だと思った。
あんな暴言を吐き捨てて、恋しようとした自分がカスだと思った!
『なあジャイ幸せって一体何が幸せだと思う?』
「なんだろうな、オレの場合はワクワクだな!」
『ワクワクかぁ、、、。幸せかぁ、、。幸せってなんなんだろ?』
助手席の開いた窓に両腕を乗せたまま1人で夜景を眺めながら、
ただ淡々と、答えの出ない悩みに思いふけっていった。




