89話
オレは友達が来てる事を母ちゃんに伝え、母ちゃんの唐揚げが食べたいと伝えたら、快くOKが出た!
すこし部屋で作戦会議を話しながら時間を過ごし、
「出来たわよー。」
その合図で、決戦の場にみんなが集結する!
何が問題か?
それはハルねぇは鈴木さん押しだった!
それが別れて1ヵ月で違う女の子がまた食卓に座る
その光景に、なんと思うか?
母ちゃんもなんと思うか?
移動爆弾娘ユッティ!が余計な事を言わないか?
不安しかない晩餐が始まる!
「あらっ!女の子だったの?貴光とよく似たような靴だったから、男の子だと思っていたわ!」
「こんばんわ!お母様、私貴光君のお友達の竹内 唯と申します!」
オレはジャイを指で突いた!
「んっ?どうした?」
『あの今話してるの誰だ?』
「凄いな!家でも相当猫被ってる可能性があるな。っつー。」
『どうした?ジャイ!』
ジャイが自分の足元を指さしていた。
ジャイの足をユッティの足が踏んづけグリグリしている!
余計な事は言うなといわんばかりに!
「新しいお友達も礼儀正しい子で素晴らしいわ!」
母ちゃんの言葉に自己紹介が終わったユッティが一瞬ニヤリと笑いがこちらを見た。
…なんだすげー策士か?
「タカ!だれその子!」
奥の部屋からハルねぇが来る!
メンツは揃った!
始まるぞ!晩餐が!
始まって欲しくない晩餐が!
「私、貴光君のライブ友達の竹内 唯です!よろしくお願いしますお姉様。」
「ずいぶん変わった子ね。貴光!あんたあの鈴木さんと別れて落ち込んでたのにもう違う子家に呼んでるの?」
…ぐはっ!
…初めから強力な1撃が来やがった!
…ダメージ的には60くらいか?
…1/4は削られた感じだな。
どう返答したらいいかユッティを見たら、
…ユッティもダメージ受けてんじゃねーか!
…複数魔法系ダメージ!みたいなもんか?
…ユッティ超下向いてるし!
…だから、飯なんか、、、っておい!ジャイだけ美味しそうに唐揚げ喰ってんじゃねー!
『ユッティに優しくされて、、、一緒にいて楽しくて。』
…めっちゃ見てる!
…ユッティがめっちゃ嬉しそうにオレを見てる!
…ユッティをかばった訳じゃねーが、結局2人に回復魔法をかけた感じになったな!
「そんな簡単にわすれちゃうんだ?あんなにキスしてたのに!」
…ぐはっ!
…やめてくれ、おれの恥ずかしいキスネタを母ちゃんやユッティの前で話すの
…ぐはっ!凄いダメージだ!
ユッティを見ると聞きたくない話を聞かされ、下にうつむく姿があった
しかもさっきより酷い!
…やはりおまえもかー!ユッティ!
…めっちゃ落ち込んでんじゃねーか!
…魂抜けそうだ!ユッティはもう瀕死じゃねーか?
…左手に持ったご飯がまるで死んだ人にお供えするご飯にすら見える!
「いや、でも、遥さんね、別れたら次の恋に目を向けないと悲しみのままじゃ悲しいでしょ?」
…ナイスフォロー!
…ナイスだジャイ!
唐揚げを食卓の真ん中に挟み、一進一退の攻防が食卓で、繰り広げられる!
「そうよね!やっぱり別れたら次の恋に目を向けないとね!誠さんからそんな言葉が聞けるなんて!」
ジャイの食欲が止まりもみあげから、冷や汗が見える!
今まで美味しそうに、食べてた唐揚げが口にくわえたまま停止!
そのまま、オレを見た
やっちまった。みたいな子犬の目で!
オレは首を振る!
…無理だ自分だけで精一杯だ!自分の事は自分で頼む!
…そんな鬼にロックオンされたみたいな、顔すんなよ!
…ジャイより自分だ!
…なんて切り返せばいい?
「ハルねぇ!もちろんわすれてねーし!友達だユッティは!」
「ふーん!じゃあ唯ちゃんは?タカの事どう思ってるのよ?」
…もう勘弁してくんねーかな?
…どんなドロドロの昼ドラだこりゃ!
…ハルねぇ昼ドラ好きなの知ってるけどさ!
「好きです!貴光君の事は好きですが、3日前に振られました!」
『おいっ!ユッティ!マジか?』
「あんた振った女の子家に呼んでるの?どんな神経よ!」
『だから友達になったんだよ!』
「唯ちゃんあなたはそれでいいの?」
「いいんです。もしかしたらそのうち気持ちが変わるかもしれないじゃないですか?今は振り向いてもらえなくてもそれでいいんです。今は力になりたいんです!色々と!」
「ずいぶんはっきりとした子ね!そこまで、考えてるなら私は何も言わない!頑張ればいんじゃない?唯ちゃん!」
「はいっ!頑張ります!」
「しかしなんで、こんなタカばかりモテるのかな?不思議でしょうがない!」
やっと1人静かになった!
「唯ちゃん!好きな人に思いが伝わらないって辛いわよね!」
母ちゃんがチラチラジャイを見ている!
その視線を感じているのだろうか?
完全にジャイの食事のペースが止まった!
「お母様も誰か好きな方がいるんですか?」
「いるのよ!鈍感なのかね?なんもアクションも、ないのよね!」
「ゴホッゴホッ!唐揚げが喉に詰まった!あー!今日はお腹一杯だ!美由紀さんご馳走様でした!キッド部屋にいるな!お先に!」
そういうと、食器を台所に置きそそくさと、部屋に上がっていった!
『逃げたな!』
「はーあ!季節は春なのにね!春はいつくるのかしら、私もご馳走様!」
母ちゃんがため息ついて立ち上がりいつも通り食器を洗い始めた!
そしてオレらも食べ終え、一度部屋に向かった!
『ジャイ!生きてるか?』
「ああ!大丈夫だ!かなりやばかったけどな!」
「キッドのお母さんってジャイが好きなのね!ジャイは嫌いなの?」
「もちろん嫌いじゃない!でも父ちゃんになりたくないんだ!結婚はしたくない!」
「それはもっと恋愛したいから?」
「違う!子供が欲しくないんだ!キッドとも友達の関係でいたい!親子の関係になりたくない!色々オレの親父の話はキッドから聞いたろ?子育てって大変だと思うんだ!実際ユッティのとこだって、セシルさんとユッティ話をしてないだろ?」
「そうだね!キッドの話を聞くまでお父さん私達のこと興味無い人間だと思っていたからね!」
「だから、子供が欲しくないんだ!結婚自体はしても構わないが、子供はいらない!ましてや、美由紀さんの場合もうすでにキッドと、遥さんって子供がいる!結婚したからといって、キッドとの関係が崩れる事は無いとは思うが、今はオレの悩みがやっと晴れたばかりだからな。傷が完璧に癒えるまではこのままでいいかなって、思ってる!」
「ふーん。なんかみんな悩みが多いんだね。私そういうのを聞いてあげる職業も悪く無いかなって最近思う!カウンセリングとか、セラピストとかなりたいな」
「臨床心理士とかいいぞ!ユッティがやりたい仕事に近いかもしれない!まあ指定の大学院卒か、医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者とかだから、取るのが大変かもしれないが。」
「臨床心理士かぁ?今からやって間に合うと思う?」
「道のりは長いと思うが無理では無いんじゃないか?毎回0点取っていたキッドですら、弁護士になるって夢を見て、××中学の受験を合格させたからな!」
「凄いねキッド!いやホントそれは凄いと思う!私もやってみようかな?看護婦さんの仕事から夢を変えて走ってみようかな?」
『いんじゃねーか?やりたいことが見つかると楽しいぜ!』
「わかった考えとく!じゃあそろそろ帰るね!2人共この後暇?ドライブしたくない?」
オレとジャイは目を見合わせた!
『ジャイ!ユッティあれだけの案を持ってきてくれたからな!』
「全くしょうがないな!」
「さすがお2人さん!ポストの前経由私の家行きでお願ーい。」
「行くか?無限の彼方だろ?」
「さっすがジャイ!わかってるー!ほらキッド!運転手さんがドライブに連れてってくれるって!」
『行くよ行く行く!だからジャンバー着てんじゃん!ユッティその格好だと寒いだろ?こっち来いよ!』
「何っ?」
『ほらっ!』
オレはユッティにマフラーを巻いてあげた。
「あったかい!」
『だろ?』
「これ!貸しといて!」
『別にいいけど!昼間はそんなに寒くないだろ?』
「いいの!貸しといて!」
『わかった。』
「じゃあ出るぞ!」
『ユッティ行くぞー!』
ユッティがマフラーを嬉しそうに、触っていた。
「行こう!モングラン号」
3人でオレの部屋から降り、家を出て、後部座席に乗り込んだ!
『ジャイ!いいのか?毎回畑の細道に路駐で!』
「大丈夫だ!この畑の人には許可取ってある!」
『そっかじゃあ行こう!』
そして、少し走り、ポストの前に車が止まった!
「みんな!手紙持った、?」
『ポストに入れるのはこの2通でいんだな?』
「そうだよ!」
『みんな手を合わせて祈るぞ!上手くいくように!』
みんなでポストにお祈りをし、ユッティが言った新しい協力者に手紙を投函した!
「上手くいくといいね!」
『だな!』
「星が綺麗だ!」
「本当だねー!」
『行くか?ユッティ邸までドライブ!ユッティ大丈夫か?』
オレは先にグラン号に乗りユッティに手を伸ばした。
「なんかキッド白馬に乗った王子に見えるよ!大丈夫!1人で乗れるよ!あまり期待させないで。」
『そうか?そりゃ悪かった。』
「じゃあ行くぞ。」
そう言うとポストの前からまた、グラン号が走り始める
「キッドちょっとだけ肩貸して、眠たい!」
『いいぞ。』
「ありがとっ。あったかい!どっちもあったかい。」
『寝るならホロ閉めるか?』
「熱いからこのままでいいよ。」
『熱いか?寒いだろ?』
「熱いからいーの!」
『そうなのか?』
寄りかかるユッティの髪からオレの家では使わないいい匂いのシャンプーの匂いにちょっとだけ、ただの友達にドキドキした。
こうして、3月26日が終わった!
次大きく動く日は、3月29日!
ついに上手くいけば、すみれさんと、手紙に書いた時間!調度11時に家で会う予定で
そんな手紙の通りに動く1日になる予定だ。




