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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
224/534

82話







一般入場口の手前で端によけて、人を物色していた。


…ヤバイ人が多い


…無理じゃね?


…どこにいるんだよ。


時間だけが過ぎて行く。


今日は来ないんじゃないか?と思うくらいだった。


もしくは、オレが見逃したか?


そう思っていたら、来たっ!


唯ちゃんが、入場に並ぶ列に向かう。


やはり1人のようだ。


…来た。結構ガッツリメイクしてるんだな!


オレも、その歩くタイミングに合わせて、立ち上がり合流を図る


そしてタイミングを合わせ、列に並ぶ唯ちゃんの後ろに並んだ。


…並んだけど。


…いきなりナンパみたいにしていいのか?


…ここで、失敗したら、今後接触が困難になるぞ、


そんな自分の葛藤の中、時間だけが少しずつ過ぎていく。


目の前にセシルさんの娘がいるのに。


その為にこんなメイクをして来たのに。


入場ゲートを越えてしまったら、

バラバラに自分の席に向かう事になる!


…行け!


…行け!おまえはヒーローだ!


…ジャイがそう言っていただろ?


左拳をぎゅっと握り、右手で彼女の肩を叩こうと手を伸ばした時だった。


「君達凄い気合い入ってるね?オレの子供と一緒に写真撮って貰えないかな?」


話しかけて来たのは唯ちゃんの前に並んでいた家族連れのお父さんだった。


その言葉に、唯ちゃんがオレを見る!


これが2人のファーストコンタクト!


「2人共友達でしょ?その歳からバッチリメイクして、超カッコいいよ!イケてる!」


唯ちゃんが、首を振りながらオレを超見てた。


見方が尋常じゃない感じで見てた。


…いや、唯ちゃん見過ぎでしょ!


「ハイ。これうちの子記念に手繋いで撮って貰えないかな?」


…唯ちゃんが首振ってんの見てないのか?


そうは思ったが、子供もほっぺたにアートメイクをほどこしてあり、普通にかわいいと思った。


『かわいいな!この子。』


「そうだね。」


「みんなDL99が好きで集まった人だからね。みんな仲間でしょ?じゃあ撮るよ。ハイチーズ。」


【カシャ】


「ありがとう。いい記念になったよ。彼女のメイクも凄いけど、君ヤバイね!衣装から、何からかなりレベル高いよ!いやーありがとう。」


『いえいえ。』


唯ちゃんが一緒に写真を撮った子供に手を振っていた。


「ねぇ。」


話しかけるのに困っていたが、逆に声かけられた。


『んっ?何?』


「それ自分でセットしたの?」


『違うよ。マスターにやって貰った!君は?』


「私は自分でやってるんだ。何時間かかった?」


『3時間かな?』


「凄いね。3時間でこのレベルになるの?どこのお店?」


『××の××ってヘアサロン!』


「遠いなぁ。でも知ってるかも!完全予約制のとこじゃないかな?」


列が少しずつ、進む。


話もとめどなく進む、進む。


意外と話しが弾む事にビックリだ!


『そうなの?全然わかんねー!』


「わかんねーってそこでやって貰って来たんじゃないの?」


『いや、そーなんだけど、オレはついていっただけだからさ。』


「あっ!なんだ1人じゃないんだ、、、。」


唯ちゃんが凄い寂しそうな顔を一瞬したように見えた。


『友達の兄ちゃんと来たんだけど、そいつ医者で、Qってやつに連れてかれた。』


「Q様に?ハイハイ!そんな嘘はよくないなぁ!」


『いや嘘じゃないんだけど、、、ほらっ!』


オレはチケットを見せた。


「ちょっと凄いS席のチケットじゃない?いいなぁ。私のお小遣いじゃ、そんな高いの買った事ないよ!」


『じゃあ一緒にオレのチケットで見ようぜ!』


「えっ?いいの?お兄さん来ないの?」


『多分来ない!裏方に入ってたから!オレ連れてこられたけど、1人で不安だったんだよ!ジャイ連れてかれちゃったし、ライブ自体初めてだし。』


「いいのかな?いいのかな?」


めっちゃ嬉しそうだ。


…いやー!ジャイ行ってくれて、逆によかったかもしんねー。


『オレ実はガッツリメイクしてても、よくわかってないから友達になってよ!』


「もちろん!全然!ねぇ君何歳?」


『もうじき中学校!』


「本当?キャッー!運命みたい!私も同じ!同い年でこんな音楽聞く人いなくて、勧めても引かれるの、私からしたらなんで?って感じ!友達なろ!是非!私 竹内 唯!ユッティってみんなに呼ばれてるから、唯でもユッティでも好きな方で呼んで。」


『オレは木戸貴光 キッドって呼ばれてる。』


「木戸君だからキッドなの?」


『まあそんな感じかな。』


「どっちがいい?」


…木戸君は呼ばれたくねー。


…色々思い出すからな。


…かぶる!木戸君って言われると!


…好きで大好きだった気持ちが再発したら、大変だ!


…鈴木さん以外木戸君って呼んで欲しくねーし。


『キッドがいい!』


「わかった!私もユッティって呼んで。」


話しながら歩いていたらゲートまで来た。


「チケット拝見しまーす。」


『ユッティ!オレのチケット出すぞ!』


「お願いしまーす」


『ちゃっかりしてんな。ははは。はいこれっ!』


「ありがとうございます。右側にお進みください!」


「キッド右だって右!」


『どんだけ興奮してんだよ!いきなり呼び捨てかよ。』


「そりゃ、そうだよ!話す人いなかったんだよ今まで、それが今日同い年の友達が出来て、それが私より凄いメイクしてて、その人が、S席くれるって言ったらそりゃこうなるでしょ!」


『そんなもんか?』


「ねぇほら、こっち来て!これっ!今日限定グッズ!買おう!」


『えっ!結構すんだな!』


「今日しか買えないんだよ!私もね、これ買わなきゃねもう1レベル高い席買えたんだけど、これが欲しくて、席のレベル下げたんだ!」


『レベルなんだな!やっぱり!』


「そうだよ!間違ってもランクなんて、言葉使ったら死刑!」


『怖っ!』


「買わなくてもいいから、ほら一緒に並んでよ!並んでる間、曲の魅力と、なんの曲がお勧めかゆっくり話してあげるんだから!」


『はいはい聞いてあげますから!』


「まずポスターから行くわよ!」


『はいはい行きますから。』


肩の革ジャン掴まれて引っ張られて行った!


連れまわされた!と言った方がいいのか?


報告だと男っぽいと書いてあったが確かに男っぽい感じはするが、ちゃんと女の子だ!


だが今の容姿は男ってか、、。


男でも女でも、ない新しい新人類みたいな、、。


まあどちらかというなら完全男だ!


ザ、パンクロッカーみたいな!


2人が並ぶと、それなりに絵になってると思う!


1人でやるコスプレはさみしいが、


2人になり、同じタイトルで合わせてやるだけで、注目度は格段に上がる!


そんな感じとでも言えばいいのか?


とりあえず嫌われずに接触は出来てホッとした。


凄い喜びように、少しこちらとしても、嬉しく思う。


ただ、付き合って、ポスターやグッズを買うだけに並び、話をしているだけで、こんなにも人は笑顔になるのかと、思ってしまった!


『満足したか?』


「これ、S席チケットのお礼。」


『缶バッジか?』


「ごめんねこれくらいしかお金無くて、でも見て、お友達記念。つけてあげる後ろ向いて!」


『ん?いいよ別に!』


「早く向くの!」


『はいはい。』


「ほらついた!お揃い!一応悪いなって思ってるんだからね!」


『わかってるって。』


「よし!席に行こう!キッド初めてでしょ?これっ!本当ビックリするよ!ライブって行かなきゃわからないんだから!行って同じ空気を吸ったらもう中毒になるんだから!」


『あんまり、曲わからなくてもか?』


「大丈夫!保証するよ!」


『そうか。じゃあリード頼むな!』


「任せて、何年ファンやってると思ってるの?」


『じゃあ楽しもうぜー!!』


オレ達は笑顔で走ってS席に向かった。


…ジャイ!やったぞ!


…仲良くなれたぞ!


…おまえはおまえで、頑張ってるか?ジャイ!


…それにしても、Qってどこかで聞いた事あるような気がしたけど、なんだっけ?


…まっいっか?


…セシルさん!1歩ずつ進んでるぜ!


…ユッティおまえを死なせやしない絶対に!


…だってこんな楽しそうに笑うんだから!


…大丈夫だ!頭痛はない!


ユッティと席に着き、照明が落ち!


花火と爆発で、人生初のライブ観戦が始まった!



知り合ったユッティは、鈴木さんとは真逆で、握り拳を握りライブ中のQに対して叫んだり飛んだりする凄い女の子だった。





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