80話(6/21挿絵追加)
あのジャイの口説き落とし生公演を、聞いてから3日が過ぎた。
ジャイはあの後から、2人のデートの事をいわないがダブルブッキングしている事に気がついているのだろうか?
そうあの日から3日という事は今日で探偵を雇ってからも3日が経った事になる。
異世界にもちゃんと行っている!が、ただレベル上げしている事を報告してもどうかなと思い今は後回しだ。
でも寝ている事になっているから、こないだみたいに懇親会会場でおきた出来事を異世界で戦いながら歩きながら聞くそんな使い方も出来、今後の作戦とかも異世界でもたてられるので便利だ。
簡単に言うと、オレらはもう心の傷が大分癒えた人間にとっての異世界は、
1日が28時間になった感じだ。
2013年 3月22 金曜日
AM9:00
【ピッピッピピッピッピ】
ジャイの携帯が鳴った。
『時間ぴったりだな!流石探偵だ!』
「ちょっと下からその結果表貰って来るから待っててくれ。すぐ戻る。」
そして、ジャイが家の外で探偵と会い、A4サイズの封筒を受け取り戻ってきた。
「貰って来たぜー。もっと本格的に調べるなら3日じゃ、全然足りないんだけどな、最低1週間は欲しいところだけど、そんな待ってたら、2人とも春休み終わっちゃうからな。3日で、なんかわかったかな?」
『探偵ってのが使う機会がないからどのくらい凄いのか、まずそこからわかんない。』
「凄いぞ、3日見張りっぱなしだからな。ほらこれがその成果だ」
【バラバラバラ】
『3日でこの量か?すげー。電話番号まで書いてあるぞいいのかよ?』
「いんだよ!まず娘か!
何々 名前
竹内 唯 小学6年生!
なんだ、キッドと同い年かよ。で、家と外では性格がかなり違う。
××のバンドが大好きで、ライブに行くときはかなり激しいどちらかと、言うと男に近い性格になっているが、家では大人しい。ライブには1人で行っていて、その秘密を友達に言えずでも同じ趣味を持つ友達を探しているらしい。
将来は看護婦さんになりたいって書いてあるぜ。
今日の予定。17時にライブに行くって書いてあるな。」
『これが写真か?男に近いって書いてある割に普通だな。』
「それは外に出て、ライブに行く時の性格の話だろ?詩音が光の前にいる詩音とバスケしてる詩音みたいなもんだろ?これがライブに行く時の写真みたいだ。」
『なるほどー!流石ですジャイ先生。わかりやすい説明だな。ってかジャイこれ同一人物なの?マジ?』
「医者になって、色々先生凄いって言われるけど、キッドほど安っぽい流石ですは初めてだ。まあよくある事だぞ、こんなの。コスプレもコスプレした時だけやたら、強気で動ける人とかたくさんいる!気持ちから入って、なりきると別の自分になれるって、写真みたいにこうなるんじゃないか?」
『ふーんそういうもんか!アッー!!なるほど!』
「どうした?」
『身近にいたわ!そんな人!セシルさんがそうだった!ジャイは異世界のセシルさん知らないかも知れないけど、超筋肉質で、女の子プレイヤー引き連れて超男だぜって感じなんだよ!』
「へー。そうなのか。」
『それが現実世界じゃヘコヘコしてそうな、サラリーマンのおっさんだからな。』
「なんだ。やっぱり血は受け継いでいるんだな。ははは。じゃ次な、はい、この書類!」
【バサッ!】
「竹内 すみれさん。 奥さんだな。 何々、浮気の疑いがありと聞いていたから重点的に監視したが、その気配は、まるっきり無しだと。キッドどういうことだ?」
『わからん!そう聞いたんだ。本人からだからそのまま、ジャイに伝えたんだけど違うのか?』
「わかんないなー。そこらへんはうちらが、行って調査しながら探りを入れるしかないかもな。続き読むぞ!えーっと、すみれさんだったな。やはり旦那の亮平さん、これセシルさんの事だな、とはやはり、溝はあるらしい。」
『うーん。意外と前に聞いた話と食い違いが出てきているけどいいのか?』
「あれっ?浮気以外あるのか?」
『唯ちゃんな。友達に、誘われてライブに行く途中、セシルさんの車で事故にあったってセシルさんに聞いてたんだよ。友達なんていねーって書いてあるじゃんか!』
「うーんまあそこらへんはわからない事だらけだな。亮平さんは、キッドから聞いた通りで何も遜色無いな。じゃあ3日前に話した光を呼ぶか?」
『いやあれからよく考えたんだけどやめよう!あいつ勘がいいから、既に少し勘付いている感じがする!たとえ、ジャイが未来から来たって言っても、7月に戻った時から少し変わったってよくいわれて来たんだ。多分それを言ったらオレの事気がつく可能性がある!だからと言っても響は口軽いから論外、シオンヌに話すと多分光に相談するから、結局2人にバレるから、光に話すよりタチが悪くなる!だから、ぶっつけ本番しかねぇ!協力者1人で本が光れば協力者1人で実行するしかない!』
「マジかいけるのか?」
『しょうがないだろ?4人でアウトで、もうジャイ1人が仲間になって、後3年7ヶ月もあるのに、2人にバレて2人共仲間にしたら、残りは余裕0の状態で、誰にもバレず3年7ヶ月乗りきるのは流石に無理だろ?』
「確かにリスキーだな。でも協力者1人だと上手くいかない可能性も増えるんだぞ。」
『それでも、全力でやるだけさ、やっとここまで来たんだ。オレはこのみんなの為に来たんだから!』
「そうかわかった。じゃあ行くか?未来から持って来た携帯と、スキル本を忘れんなよ!」
『ああ。大丈夫だそれは。ジャイでも行くってどこに?』
ジャイが何か紙を2枚指に挟んで、ヒラヒラしている!
『すげー!探偵ってそこまでしてくれんのか?すげー助かる』
「だろ?だが、その協力者に接触するその前に行く場所があるんだよ。もう手配してある!いいか?やるからには全力だ!手は抜かない!それがオレのポリシーだ!」
『そうなのか?その紙の場所の前に行く場所があるのか?オレはどこにいくかわからないけど。』
「キッドは初めてかもしんないな。痛くしないようにするから、、、。」
『えっ??』
「どうした?」
『いやいや、ジャイ、マジどこにいくんだよ。』
「内緒だよ。シャンプーとかある場所だ。」
…オレもしらないんだが、いいのか?
ジャイが優しく手を伸ばしている。
…オレはこの手を取っていいのか?
…いやいやたまに出るこのくだり、えっ?
オレは手を取って、ベッドから立ち上がった。
『行こう!なんだか、わからないが、初めての場所へ。』
そして、オレらはジャイのグラン号に乗り、ジャイのリードでどこかに連れていかれた。
なんだがジャイに恋する女になった気分だ。
「キッド着いたぞ。」
『ここ?』
「そうだ、ヘアーメイクサロン!とメイクしてくれる所が一緒になったとこだ。はぁい!マスター!来たよ。」
「いやー誠ちゃんお久しー。元気してた?」
『ジャイ!この人これか?』
オレは手の甲を頬に当てて聞いてみた。
そうこんな言葉遣いだが、男だ。
しかも、結構ガタイもいい感じの
「多分な。でも凄腕だ!マスター!こんな感じでお願いしたい。」
ジャイがなんか紙を手渡した
「今日人に会うから、1番これに近づけてくれマスター!キッドも一緒に頼むガッツリ盛って、終わった後シャンプーで落ちる感じでガッツリ今日1日金髪にしてやってくれ。」
「了解。誠ちゃん。まかせて。うふっ。でもね、3時間はかかるわよ。」
「マスターこのくらいの完成度まで持っていけるならしょうがない!なあ、キッド、化粧なんか初めてだろ?」
『ああ、初めてだ、、、。』
…ですよねー。そのくだりだよジャイは。
…わかっていたけどよー。
「うふっ。」
マスターがオレをみて笑った。
…いやいやオレは違うから!
…そういうの無いから!
…マスターみたいな趣味ないから、同類かしらみたいに笑われても、、。
…オレ鈴木さん一筋だから!
…女のみだから!
「千尋ちゃん。こっちの坊ちゃんのやってあげて。」
…めっちゃ、綺麗な人来た。
…こんな人に、髪触られたり、メイクされたりすんのかよ!
…モデル並じゃん!
…超ドキドキだな。
「こんにちわ。」
『男かよ!!』
「いやねー!心も、身体ももう女よ。もう無いから。」
『無いって、、、。無いの?』
「触っていいよ。君なら。」
『いやいやいやいや!!!!』
「みんなキッドは彼女いるから、あまりからかわないでやってくれ。」
『マスター!ここで働く人たちって、もしかして、』
「そうよー。」
みんなに投げキッスされた。
『ジャイ普通のとこないのかよー!』
「キッド!でもな、みんな元は男だった人が女になったんだ。マスターは男のままだが、そんな人達がまず自分を女にするメイクや、ヘアメイクを研究した集まりのみんながメイクしてくれるんだぜ。どれだけのテクがあると思う?」
『そうか、、ジャイがいうと、説得力あるな。じゃあ千尋さんだっけ?お願いします。』
「君キッド君っていうのね?可愛い顔して。今いくつ?」
『小6!』
「わかった。8年後迎えにいくわね。キッド君」
『いや、最近そういうノリ多いから、色々勘違いされたら困るから!いらん!早く一思いにやってくれ!』
「ふふ。かわいい。じゃあ一思いにやっちゃおう。」
そして、散々色々触られて、3時間が経過した。
その間、ジャイが頼んでいたそれっぽい衣装も届き、着替えた。
「キッド君!出来たわよ!」
「千尋ちゃん?キッド君出来た?」
「マスターばっちり!キッド君仕上がりました。」
「誠ちゃんも出来たわよ。さあ2人共ご対面!」
『はははははははははははは』
「はははははははははははは」
『はははまるでデーモン閣下じゃん!ジャイの髪の毛立ちすぎはははは』
「ははははいや、キッドも相当顔真っ白だぞ髪の毛金金で金のハリセンボンみたいだ」
「お二人共どう?満足した?誠ちゃんの頼みだから頑張っちゃったわよ。」
「マスター最高だ。よくやってくれた。」
「誠ちゃんまた来てね。」
「もちろんだ。マスター。」
「いやーん。誠ちゃんにまたほっぺにキスされちゃった。」
「マスターだけいつもずるい!」
「うるせんだよおまえら。オレはマスターだからいいんだよねぇ。誠ちゃん。」
…男に戻るとこえー。
「じゃあまたなマスター。」
『お世話になりました。』
「誠ちゃん。キッド君もまた来てね。」
そういうと、店を後にした。
すれ違う人の視線がヤバイ!
見ない人はいないくらいだ。
「さあ行くぜ!これからが本番だ。」
『マジか超はずかしいんだが。』
2人はオープンのジャイ号に乗り込んだ。
『はははは。ジャイの髪の毛立ちすぎて、屋根より高いじゃん!超笑える!』
「いんだよ。このままオープンで行くか?」
『マジか?どんなチンドン屋だよ!隣に車で並んでそいつ牛乳飲んでたら必ず吹くぜ。もうなるようになれだな!!』
「いいか、オレらは今日の観客の中で1番のクオリティで、協力して貰う人に接触するんだ!しかも、キッド!今日は同い年のおまえがキーマンだからな。」
『わかってる。ジャイみたいに落とす事は出来ないけど友達にはなれると思う。』
「じゃあ有名なメタルバンドのライブに行くぜ!」
そして、オレらは向かう、1人目の協力者に接触する為に、まだ、未来から来た事を打ち明けるかわからない。
その相手はセシルさんでは無く、
セシルさんの娘の唯に接触する為に。
そう事故で死ぬ予定の女の子に、接触する方法がセシルさんを救う突破口だったのだ。
長くたった髪がユラユラ風に揺れながら唯にファーストコンタクトする為に行った事も聞いた事も無いメタルバンドのライブ会場に向かったのだった。




