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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
221/534

79話




「小林先生。すこしお時間いいですか?」


「どうしました?神取先生。」


ジャイの1人目の犯人探しが始まる。


1人目は小泉先生の病院の凄腕看板女医さん。


オレは2人のやり取りを携帯越しに静かに盗聴していた。


「いや、小林先生。今度とお化けなんか出た事無いってよく言うでしょ?」


「どうされたんですか?」


「いつかなんて言わず今週末ホテルの最上階でディナーなんて、、、おっと」


【ドン】


…どうした?ジャイ?


…なんの音?


「か、、神取先生、、、近いですよ。」


「すいません。誰かが背中ぶつかって、でもこのくらい近ければ約束も聞き間違えないですよねっ?」


…ジャイ!壁ドンか?


…みんながいる前で


…無敵か?おまえは。



「そ、、そうですけど、、みんないるわけで、、初対面ですし、、」


…めっちゃ小林先生動揺してんじゃんおもしれー。でも頭もいてー。


…まだ、この懇親会会場に入った時から頭痛の痛みは進んでないから大丈夫だな。


「そうですか?私はあなたともっと近づきたいと思ってるんです。小林先生っ!今週末土曜日もっとあなたを見つめていたいのですがどうですか?」


「いい、、ですよ。」


…落ちたーー!!


…天下の腕利き女医さんでも、ジャイにかかれば形無し!


…敵じゃないな!


「楽しみですね。」


…なんでそんな小さい声?


【ドサ。】


…まさか、もう落ちてる女にトドメの耳元囁きっすかジャイ先生?


…半端ねぇわ!


ジャイが歩く音が聞こえる。


「どうだ?」


『いやー凄かったわ!生落とし感動すら覚える!ドサって音がしたけどどうした?』


「小林先生が膝から崩れた」


『ははははマジ神だな』


「あれはな耳元で囁く時に、軽く息を吹きかけるように、、ってそうじゃないだろ!キッド頭痛だよ。頭痛!」


『若干痛いままだが、会場に入った時から変化無しだ。違うなあの人じゃない!次だ。』


「簡単に言ってくれるぜ。あっ!看護婦の緑さん今ケーキ取りに行ってて1人だ!キッド!今しかない!行ってくる」


『おう。頑張れ!って頑張れでいいのか?』


ジャイの歩く音が受話器越しにまた聞こえる。


オレは耳から携帯を離して画面見た。


電池4%!


…やばいぞやばい!


「み、ど、りさんっ。」


『神取先生。どうしたんですか?』


「緑さんこそケーキ?」


「はい!美味しんですよここの。」


「あれ緑さん頰に何かついてるよ?」


「えっ、、、ちょっと、神取先生、、、もう取れてますよね、、なんで頰に手を触れたまま、、、そんな、、みんないますし。」


「あっ!ごめん取ってあげようと思って顔みたらあまりにも綺麗で見惚れて見つめちゃったよ。」


「そんな事、、、ないです。私なんて。」


…やべーもうこの緑さんってのが顔が真っ赤なのが、手に取るようにわかるな。


「緑さん緑さんちょっとちょっと。」


「何ですか?」


「この後抜け出しちゃおうか?」


「いや、いやいや、神取先生、私。」


『うわーーっ!』


「緑さんちょっとこのまま待ってて、ちょっとトイレ!キッド!頭痛か?」


【ガチャ。】


「廊下に出たぞ。あの人なんだな。」


『わりぃ、悲鳴は全然違くて壁にゴキブリがいただけだった。』


「おまえなぁ。タイミング良すぎだろ!で頭痛はどうだ?」


『頭痛は何も変わり無しだった。』


「そうか緑さんでも無いのか?」


『そうかもしんないな!だから無理に約束しなくていいかもしんない!』


「馬鹿か!キッド」


めっちゃ怒られた。


「男たるものいつも本気だ!女に対してもいつも本気!こんなんで、やめたら神取の名がすたると思わないのか?じゃあオレは行ってくる!」


『もしもーし、いいのか?逆に懇親会会場で女2人を誘った方が名がすたる気がするんだけど!、って聞いてねー。』


ジャイが部屋に入る瞬間だけ離れていても頭痛でわかる。


「緑さんごめん。お待たせ。」


「神取先生!やっぱり今日会って今日抜け出すのはちょっと、、。」


…ジャイ撃沈か?


「じゃあ週末ウィンドウショッピングしながら、ランチしようよ。どう?」


「それなら。全然。」


「緑さんでも綺麗だから見つめすぎたら、離れるの悲しくて帰りたくなくなったらごめんね?」


「そんな。私なんか、でもたくさん見つめて貰うの好きなんです。土曜日待ってます。」


「そう?じゃあ2人っきりで見つめあえたら幸せだよね。緑さん君は特別だから。」


【ドサッ】


『ジャイ終わったか?』


「ああ、どうやら緑さんも、アルコールが回ったようで膝から崩れ落ちた」


『崩れ落ちた?ジャイが落としたの間違いだろ?全くどんだけだよ!頭痛は変化なしだ!』


「今回はな。初めに今日抜け出すと言う高いハードルを、セットしてだな、だいたい無理って言うんだよ。そこで日にちを開けて、ウィンドウショッピングに行くとハードルを下げる、そこに食いついて来た所で更に1段階あげて、2人でいたい事を目をみてつたえるという。上げて下げてやっぱり結果的には上げるんじゃねーか作戦だ。」


『聞いてねーから!電池も少ないから!こんなのやっぱり父ちゃんなんて無理無理!母ちゃんのいないうちに違う女引っ張りこんで来そうだもんな。母ちゃんにそんな変な口説き方すんなよ!』


「美由紀さん?なんで?美由紀さんはそんな事する必要ないから!」


『なんでだよ?』


「だって美由紀さん。オレにもう惚れてるから!」


『おいー!息子の前でそういう事いうなって!反応に困るだろ?そうかもしんないけどさー。』


「ははは。でも美由紀さんはマジいい人だと思うぜオレも。あんな考えで、子育てする人見た事ないからな。」


『はぁ。完全にジャイのペースにのまれちまってる。あっ!ジャイヤバイ電池後2%しかない!』


「わかった!じゃあ次は医療メーカーの菅原社長だな。オレより若いのに若社長なんて凄いよな。」


『そうなのか?なんだっけ?女の子の紹介の約束だっけか?』


「ああとびっきり若い子紹介してくれないか?って言われた。」


『よし!じゃあ頼む!電池も少ない!ジャイが部屋に入った途端あたま痛くなるからな』


「よし、言ってくる!ゴキブリでもネズミでも部屋にゴブリンが出ても頭痛以外で叫ぶなよ!あれは紛らわしすぎる!」


ジャイが最後の1人と交渉に行く。


やはり頭痛が始まる!


今会場にまた入ったのだろう!


それがわかる。


ジャイが、一歩ずつ、近づいて行ってるのだろうか?


…こいつか?少し痛みが増した気がする。


「菅原社長。ちょっとお時間いいですか?」


「神取先生。どうしました?」


…やべーめっちゃ痛い!


…頭に心臓があるみたいだ!


…ガンガンする!


『ジャイこいつだ!やべー』


ジャイがオレの声など無視して話を続けていた。


…マジか?聞こえてないのか?


「菅原社長、お若いのって何歳くらい希望ですか?」


「ちょっと神取先生耳いいですか?」


「はい。」


「中3〜高校3くらいがベストなんですが。」


…やべーめっちゃ頭われそうだ。


『割れるーー!!』


「あっ!なるほど、かなりお若いの希望ですね。さすがにそれだけ若いと私も今は知り合いがいなくて。今はお力になれずすいません。」


ジャイの上手い流れからの断りの言葉で、頭痛が引いていった。


「そうですか?もしいたら、内緒でお願いしますよ。安く流しますから、最新式医療器具!」


「わかりました。じゃあ連絡先交換しときましょう。」


「いいですね。よろしくお願いします。」


「そういえば活発な小学6年生ならいますけど。」


…あいつ、シオンヌの事じゃねーの?それ!


「小学生はちょっと。でもさすが、神取先生。私達は同士ですな。仲良くしましょう。」


「はい。またよろしくお願いします。」


ジャイが話を終えどこかに移動してる雰囲気だ。


「キッド!聞こえるか?今また廊下来たぞ!頭痛は大丈夫か?」


『頭痛は断わった瞬間から引いた!それよりジャイ!さっきシオンヌ売ろうとしたな?』


「馬鹿だな。ああいうのは、そう言った方が仲間意識が高まるんだよ。そんな事するわけねーだろ?だいたいキッドの未来に関わるんだから色々近づいて知っといた方がいいかと思ってワザと仲良くなる為に言ったに決まってるじゃんか!」


『そうか!そこまで考えて、、。それは悪かった!ジャイでもあいつだ!あいつに女を紹介しちゃいけないらしい!まるっきり訳わかんないけど、ダメらしい!バイクといい、まあ手紙は意味わかるけど、バイクと、この若社長の2件はサッパリだ!』


「とりあえず様子見だな。キッド!お父さんはもう少ししたら、、。」


いきなりジャイの声が聞こえなくなった。


『あーあ!電池切れちった!あのお父さんネタ気に入りすぎだろ?お父さんになるつもりもねーのに!でもとりあえず頭痛治ってよかった。腹減ったな兄ちゃん焼きでも食おう。』


オレは空腹に耐え切れず下に向かった


…そういやージャイ両方の女の人土曜日に約束してなかったか?


…まぁいっかオレじゃないし。


…慣れてるから大丈夫なのかな?


…ダブルブッキングとかオレならおっかねーけど。


…だから、チョン切るメールが来るんだよジャイは。ハハハ。


【チン!】


『相変わらず手軽で美味そうだ。いただきまーす。』


こうして、今までかれこれ、未来が原因と思われる頭痛の4個目の出来事が今日起きた


振り返ってみると、


1つ目、これが鈴木さんが異世界に来なくなりそうな時、


2つ目、ジャイのバイクを動かそうとした時、


3つ目、セシルさんに、正直に娘さんが事故に会う手紙を書こうとした時、


4つ目、菅原社長に、ジャイが若い女の子を紹介した約束をした時だ。


これからも増えていくのかもしれない!なんでか理由もわからず、頭痛が起きる事が。


そりゃそうだ


前の未来では、

1+1=2の未来だった


今オレはその答えの3を捏造し、

その捏造した3に向かっているんだ。


スキルを開いた瞬間から前方の1は捏造の3の未来に向かう為2になった。


そこに向かう2+1の片方が更に凄い勢いで変化している。


基本後者の1は基本は変わらない!


変わったとしても、前の2と連動して変わって捏造3の答えになっているんだ。


今はまだこのまま行くと多分まだの捏造した3の未来に向かう事が可能な線上にいるんだ。


最低限の事だけやれば結構すんなり、

2+歴史の修正力で1になり捏造した3の未来にすんなりいけたのかもしれない!


最低限の事だけやり、前と同じ様に優子の前で腹を切りながら進む未来ならその未来の変化にオレの2があまり変わらないから2も大してかわらないだろう!


しかしオレは自分の人生も変えて、出会わない人に出会い、心の傷を救うという事をする予定になってしまった為


捏造した3に行きたいのに、


その手前の2が今、歴史を改変してるせいで、


1.95632546みたいにその都度少しずつ変化してる状態だろう。


今は歴史の修正力のおかげで、

もう一方の後方が1.04367454とその都度勝手に変化してくれていて、


足して今は捏造未来の答え3に向かえる状態に保たれている状態なんだきっと。


多分その頭痛を、ほっておくと、

オレの望んだ未来の捏造した3の未来にならず、歴史の修正力を超え、来る前の2の未来でも、捏造した3の未来でもない、なんだか、わからない想像も出来ない意味不明な数字の未来が待ってると思われる。


そう!そして、1度頭痛の臨界点を突破してしまえば多分2度と捏造3の答えにはならない


頭痛はその歴史を捏造アンサー3に持って行ってくれるのに外れかかっている事を教える危機信号なんだ多分。


これを放置すると、捏造3の未来に絶対行けないっていうそんな事なんだろう。


ただ、わかってない事がある。


頭痛をほったらかしにして、放置して、自分の望んだ未来!捏造3の未来の線上から外れてしまった時、いったいオレはどうなってしまうのか?


やはり、あの病院の屋上から、マイミと飛ぶ所に舞い戻り、過去に行った記憶も無くし、何事もなかったようにマイミと緑神様が見せてくれた映像のように飛び降りるのか?


このまま、変わったまま、歴史が進むのか?


スキルの全部使った時のように異世界から帰れなくなるのか?


もしくは、頭痛によりそのまま死ぬのかは、


今はさっぱりわからない状態だ。


そして、この時のオレは身近にこの捏造アンサー3の未来に進むために強力な力を持ったやつが側にいるのに、


オレはまだ何も気が付かず

何もかも、謎のまま、

頭痛が、起きた日にち消えた内容、それを忘れない為に頭痛の事を全て時系列ノートに書き込み


3/19日は終えていった。











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