72話
2013年 3月18日 月曜日
AM 7:30
今日は卒業式だ。
異世界はちゃんと行っていて、卒業式の今日でもみんなとジョギングをちゃんと終わらせた後の7:30
全くもって忙しい
今日でいろんな事があった小学生が、終わる。
好きでよく言っていた、小学生なめんなよも、今日で終わりかと思うと寂しい限りだ。
『なんだよ。ジャイも見に来るのか?』
「あたりまえだろ。泣いてしまっ、、、たら、、、うっ。」
『ジャイそんな演技はやめろよ。』
「でも見に行くよ。その為にパート2人共休み入れたんだから。ねぇ美由紀さん。」
「貴光ももうじき中学生なのね。早いわぁ。アッと言う間に大きくなって。あんな頭のいい中学に入れたんだもんね。よく頑張ったわ。本当信じられないわよ。だって何回0点のを鈴木さんから貰ったかわからないのに。うっ、、、、うっ、、、。」
『母ちゃんジャイに乗っかって、泣くふりすんなよ!でもあの時は自分でもよくやったなと褒めてあげたいくらいだな。その位やった気がする。母ちゃんブレザーこんなんでいいのか?』
オレはジャイと母ちゃんの前でブレザーを、来て1周回ってみた。
「孫にも衣装だな。息子にも衣装か?」
『ジャイの息子になった覚えはないけどな。』
…懐かしいな。前は母ちゃんとハルねぇがこのシーンにいたな。
…2回目の小学校卒業式だな。
…確か卒業証書で、返事するやつの声が裏返って、オレと響が笑って、周りからオイ!空気読めみたいに睨まれた記憶があるな。
…最強小学生楽しかったな。
…高校小学生だもんな。
…小学生の割に辛い事もあったけど内容の濃い小学生だった。
…いいダチに恵まれた気がする。
『母ちゃん!ジャイ!行って来るぜ』
「行ってらっしゃい!」
「感極まって泣いて来い!」
『泣くかよ!小学生の卒業式くらいで男が、泣いてるやつなんて見た事ねー。じゃあいってきます。』
そして、玄関を開けて外に出た。
歩く一歩一歩が、ここまで、歴史を改変したんだなと、思いながら歩いていた。
…オレと鈴木さんが付き合うようになったから、
…それを見て影響を受けたシオンヌがオレらと行動を一緒に、するようになり友達になった。
…で、光と付き合うようになったんだよな。
…そして、オレは、違う中学に行く事になったし、
…壮絶な別れも体験した。
…そして歴史改変でハルねぇの足が怪我をしたのも事実だな。
…自分が変えた事なんて地球の歴史からしたら、砂漠の砂粒1つが無くなったくらいの事かもしんないけど、砂粒1つでその砂粒の周りは結構変わるんだよな。
…みんなと同じ中学に行けば、みんながどんな事を言って、こいつはどんなやつで、ある程度わかってるから行動がしやすいはず!
…でもなオレが行く中学、全然誰がいるかもわからない中学だからな。
…これからの新しい3年は歴史を変えたオレへの報いだな。
…変なやつとは簡単に知り合いにはなれねぇ。
…この卒業をしてからが、本当の1人の戦いになるんだろう!
…まあでもなこのドックタグがあれば、頑張れっかな?
…辛くなったら光、響、シオンヌ、ジャイに弱音を吐こう。
…だってオレは強くないからな。
…鈴木さんも頑張っていればいいな。
…弁護士という未来に向けて
…頑張ってたら嬉しいな。
「タカ!久しぶり!」
『響どこが、久しぶりだよ?さっき一緒に走ったばっかじゃん。』
「わかってる。ははは。」
『お互いランドセルボロボロだな。』
「タカが、室伏のテレビみて、次の日、畑にランドセルでハンマー投げとかしてたからじゃん!」
『やったなぁ。畑のおっさんに見つかって、おっさん超怒鳴ってたな。アホな事しかしてきてないな本当に。』
「いや、それでもオレは楽しかったな。うん楽しかった。」
『だな。』
オレは最後の小学生の登校を噛み締めながら学校に向かっていた。
『おっ!シオンヌ、光お二人揃って朝から熱いね。』
「ここが待ち合わせ場所で毎回、待つ方の身になってほしいものだ。」
『またまたー。うちらなんか、来なくて、ずっと光と2人で待ってたいとか思ってるくせに。』
「別にこの場所で合わなくても私達は会えるからな。」
『半年まで顔を、真っ赤なやかんにして、何も話せなかったシオンヌが言うねー。』
「ふふふ。成長していくのだよ。背も年も胸も人間的にも。」
『胸もねぇ、、、。』
みんなの視点が一点にあつまる瞬間だ。
「今は必要ないからな!むしろあるとバスケの邪魔だからいらないんだ。そんなにジロジロ見るな減ったらどうする?」
『減る程ねーじゃねーか。』
「相変わらず失礼なやつだな。」
歩きながら話していると学校までアッと言う間だ。
「タカ、ナフキン入れ何それ?今日給食無いよね。めっちゃこんもりしてるけど何か入ってるの?」
『今日悲しいお別れをするやつがいるからさ。家から手作りで持ってきたものがあるんだよ。いやージョギングの後で時間なくて大変だったぜマジ。』
「タカ!それオレらだろ?じゃあ、先にくれよ!」
『響おまえじゃねー!オレら3人はよく世話になったやつだ。中見るか?』
オレはナフキン入れを開けて中を見せた。
「おー!はいはい。なるほどね」
「そう言う事な!はいはい。喜ぶと思うぜ。」
「私も終わったら一緒に行っていいか?涙のハグでもしてみようかな?」
『いいぜー。あいつらは留年だからな。』
「確かにー。」
そしておれらは卒業式に出た。
卒業生代表として、壇上に上がったのは、寺島だった。
「卒業生代表 6年3組 寺島君 」
「はい。」
やはり緊張から声が裏返り、
それをみた響がとなりでクスクス笑っていた。
あの時と周りは一緒だ。
ほぼオレが変えようとしない限り歴史は同じ未来を歩もうとする。
そういうもんらしい。
前の世界での卒業式の時は、
オレも響の顔を見て、笑って後で担任に怒られていたが、
やつが卒業証書を受け取った時、
もし、再婚してなければ、本来あそこで受けとるのは鈴木さんなのかな?と考えたり寺島の顔を見るとやはり、あの記憶がフィードバックしてきて、卒業する事に加算して、今ここに鈴木さんがいない事が相乗効果になり、あれ以来初めて目頭が熱くなった。
「なんだよ泣いてんのか?」
『泣くかよ!アホか!』
「卒業生起立!」
【ドタ!】
「退場!」
【パチパチパチパチ】
保護者がみんな拍手して、卒業生を見送っていた。
『響!行くぞ!』
響が自分の母親に手を振っていた。
…母ちゃん。ジャイ。
…母ちゃん泣いてんじゃんか。
…いつもすぐ泣くな。
オレは2人に手を振りながら体育館を後にした。
教室に戻ると意外にも泣いてる女子生徒もちらほらいたりした。
…意外と最後のホームルームになると、やっぱり寂しいな。
先生が入って来た。
「1年なかなか内容の濃い1年だったが先生はこの担任になれてよかった。通知表を最後のテストの点数順にテストと一緒に返却する。呼ばれた者から前に出るように。」
「響!」
【ザザ】
「なんだよまたオレ最下位かよ。」
響が前にテストを取りに行く。
「途中から最下位独走だったな。中学に行っても、その明るさは忘れるなよ。」
「ほいほーい。」
そして、順番にテストの点数が悪い順に、呼ばれていく。
半分を過ぎのこり10人の時、
「光!」
「いやーこのテスト自信あったんだけどな。タカに勝てなかったかあ。」
【ザザ】
光が前に歩いて行った。
「だいたい安定してこのくらいだったな。みんなのムードメーカー的な存在だったな。中学に行っても、いい雰囲気を作って場を和ませるんだぞ。」
「はい。」
「次金沢!」
光が戻って来た。
「タカまだ呼ばれないの?そんな自信あった?」
『んーそうでもないけど、光テスト何点だ?』
「84点」
「次、斎藤!」
どんどん呼ばれていった。
『10位で84か、じゃあオレ90くらい行ってんのかな?』
そして、4位、3位、2位が呼ばれていった
「タカ!タカしかのこってないんじゃん!」
『まさかな。』
「じゃあテストの返却は以上だ。」
…えっ?オレテスト受けなかったっけ?
…学校休んでねーはずだけど。
『先生!』
「どうした木戸!」
『オレ、まだ貰ってないですけど。』
「木戸のテストか?ああ。すまん10点だから渡すの忘れた。答案書くとこずれてたぞ。」
『最後に10点かよ!光!10点だって。』
【ザザ】
「まあいんじゃない?タカらしくて、それはそれで。」
『期待して損したー!』
オレは先生の前まで来た。
『あれっ?通知表しかないじゃん!』
「チャンチャンチャチャンチャン」
『何先生?その表彰状わたすみたいな歌?』
先生が教卓から、額を出して来た。
「木戸!よく頑張ったな!あんな問題児だったおまえが、あの中学校に合格し、最後に単独1位100点だ。」
『マジか?先生。』
「先生このテストが嬉しくてな、職員室にいらない賞状が入ってたの勝手に外して、額の中におまえのテスト入れて来た!やれば出来るんだな!先生こんな感動したの初めてだ。あんな、、バカで、、何回廊下に立たせて、、何回怒鳴って、、何回木戸にチョークを、、投げたか、、、。そんなおまえも今じゃ立派な優等生だ!ほらそれみんなに見せて、1位の木戸みんなに一言言ってやれ。」
『先生ムチャぶりだな。』
オレは振り返り、額に入ったテストを天高く掲げた。
『木戸 貴光 12歳 小学生なめんなよ!!』
「おーーーー!!」
クラスが湧き上がった。
自分の席に戻るときみんなにおめでとうと言われ続け恥ずかしかったがめちゃくちゃ嬉しかった。
初めてだった。
100点も、1番も。
初めて自力で、掴んだ。
「タカおめでとう。」
『先生!いきな事してくれる!真面目に嬉しかった。卒業式よりウルッと来ちまう!』
「さて、これで先生からのホームルームは終わりだ。最後の号令は木戸にお願いしようかな?」
…先生、、、。怒られてばかりだったけどいい先生だったな。
『起立!』
『きょうつけ!』
『先生!1年間!ありがとうございました。』
「ありがとうございましたー!!」
「ははは。」
先生がメガネを外した。
「木戸!最後にやってくれたな。、、、。ったく。そんなつもりじゃなかったんだけどな。全く、、、、。でも先生は先生を辞めても必ず今日の日は忘れない。では6年1組!解散!みんな元気でなー!!」
そういうと、先生が眼鏡を外したままそそくさと出ていった。
「タカ。いいサプライズ返しだったよ。」
『いや、普通に嬉しかったんだ!100点取った事も、先生がオレが100点を取った事を特別に思ってくれた事が、めちゃくちゃ嬉しくてさ。あの時しか言うタイミングが無かっただけだよ。』
「タカー!先生泣かせてんなよ!」
『サプライズのカウンターパンチだぜ!響!』
「タカ!シオンヌ!が扉で半分顔だしてこっち見てんぞ!」
『懐かしい光景だな!シオンヌ!来いよ!2組も終わったか?』
シオンヌがオレの席に歩いて来た。
「懐かしいだろ?昔の私のマネだ。」
『自分のマネを自分ですんなよ。』
シオンヌが手を出して来た。
「木戸本当に楽しい小学6年だった。感謝してもしたりない。」
『シオンヌ!オレは何もしてねーよ。シオンヌが自分で見つけた自分の居場所だ!学校は変わるけど家は変わらないからな。またみんなで中学になってもバスケしようぜ、光と別れてオレとバスケ出来ないとか言うなよ。』
オレはシオンヌと握手した。
『さて、手作りプレゼントあげにいきますかねぇ。』
「行こう行こう!」
「私は初めてだな。」
『かわいいやつだぜ。骨抜きだからな。』
「それは楽しみだ。」
オレらはランドセルを背負い最後の教室を出た。
そして、靴を履き替え、校舎を出て、
左に曲がった。
『会いたかったぜ、ラビ!シオンヌこれがラビ、1号2号3号で、奥にいるのが4号だ!1号がかわいすぎる!ほらっ!持てるか?』
「キャッ、、。いやん。」
『今光!めっちゃシオンヌかわいいなとかおもったろ?』
「えっ?なんで?」
『あれな、ギャップ萌えって言うんだぜ!まあシオンヌの場合わざとやってる訳じゃない所が殺傷能力が高い。ちょっとオレもドキっとした。あれがギャップ萌えだ!吊り橋効果みたいなもんだ!一瞬やたらビビっと電気走るからな気をつけろよ。』
「別にオレは詩音さん彼女だから気をつける必要ないよね?」
『アホだな!あれをやられるとシオンヌに惚れる物好きなやつもいるかもしれんから気をつけろよと言ったんだ。』
「誰が物好きだって?」
『シオンヌ、、さっきの女の子のシオンヌはどこいった?』
「相変わらず性別関係なく言いたい放題だな。早く掃除して、手作りプレゼント兎ちゃん達にあげなくていいのか?」
『やるよもちろん!その為に来たんだからな!パパッと終わらせて、プレゼント食わせてあげようぜ。』
みんなで最後の兎小屋の掃除を終わらせて、
家から持って来た野菜を食べさせた。
そして、兎との触れ合いも終わり、ついに校門の前に来てみんなで振り返った。
「5人で並びたかった。私の隣に鈴木さんがいてほしかった。」
『そうだな。でもしょうがないさ。』
「いい子だったね。」
『死んだみたいな言い方すんなよ。』
「でもなタカ!今は4人で校舎みてるけど中学行ったら一緒に見上げるとしても、3人だぜ、それ考えると少し寂しいよな。」
『おめーらまだ3人いるからいいじゃんか?オレの方なんか誰も居ないんだぜ、、、。ハッキリ言って今から不安だ。』
「タカなんかあったら、抱え込まずオレに相談してよ。」
「そうだ木戸。光君の言う通りだ。なんかあったら公園に呼んでくれ!バスケでもして、汗を流そう。」
『光、シオンヌ。』
『じゃあ帰るか?』
みんなで校門を出て家に帰った。
家ではオレの帰りを家族のみんな+ジャイが待っていた。
「おかえり貴光。卒業おめでとう。」
「タカ卒業おめでとう。」
「キッド無事卒業出来たな。おめでとう。」
『みんなありがとう。』
「とりあえずお祝いのお昼ご飯少し早いけど食べましょうか?」
その時、家の前に車が止まる音がした。
【コンコンコン。】
「はーい。」
「神取 誠先生はいらっしゃいますか?」
『ジャイ?』
「この声ひょっとして、、、。」
ジャイが玄関まで行き扉を開けた。




