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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
213/534

71話

頂上で時間を過ごし過ぎて出発が遅れて、そこそこいい時間になっていた。


PM3:45


麓まで後1キロくらいの所までおりて来た所だった。


「そう君!そう君!しっかりして!」


お母さんらしき若い人が幼稚園児らしき子供を抱き叫んでいた。


『ジャイ!』


「わかってる!」


みんなで駆け寄った。


「どうしました?」


「そう君がなんか喉に詰まらせたみたいで、、、。」


『ジャイ!まだ意識はあるぞ!』


「お母さんとりあえず急いで救急車!」


「電波が入らないんです。」


「それはまずいな。」


「私、上りの時次の先の曲がり角で親と電話した。そこまで行けば電波は入るはずだ。きっと。」


「お母さん急いで救急車呼んで来てください。」


「でも、そう君を置いて、、、。」


『大丈夫だ。こうみえてこいつはあの神取の医者だから最前は尽くす。』


「わかりました。」


お母さんが走って降りていった。


『シオンヌ、光一緒について行ってやれ!』


【バンッ!】


「わかった。」


【バンッ!】


2人が、子供のお母さんを追って走って行った。


『ジャイ!何やってる?』


「口に手を突っ込んでも出ない!こうやらないと出ない!」


子供を抱える様に逆向きに支え、

背中を思いっきり叩いていた。


【バンッ!】


「こんなとこで死んでいいのか?」


【バンッ!】


「お母さんが、泣くぞ。」


【バンッ!】


「くそッ!出ろ!出ろよー!」


渾身の1撃だった


【バンッ!!!】


「ゲホッ、、ゲホッゲホッゲホッうわーん痛いよぉ。」


『ジャイ出た!!!出たぞ!!やった。』


「ああ。でも、もしかしたら背骨がヒビか折れてるかもしれん。キッド子供をオレの背中に、おんぶして、このまま、1キロ下山するぞ!」


お母さんと光とシオンヌが走って戻って来た。


「救急車呼べたよ。でも下までしか来れないと思う。」


「救急車が、くるまで平均8分だ。降りてれば調度いいだろ?お母さん!この子自分が背負ってこのまま降りますよ。」


「はい。、、、そう君大丈夫。」


「痛いよぉ。痛いよぉ。背中が痛いよぉ。」


「うちの子に何したんですか?」


「背中叩いて、詰まった物を出しました。」


「そう君大丈夫?早く下りましょう」


…なんだこの親感じ悪いなぁ。


…挨拶も無しでお礼も無しで、早く行きましょう?非常識だろ?


「はい。そうしましょう。」


みんなで無理しない程度で急いで下りた。


母親は相変わらず自分の息子をだけを心配し続けていた。


下までおりて来たらそこに今、救急車が到着したばかり、そんな光景だった。


オレが先に走っておりて、救急隊員を呼びに行った。


『こっちです。』


「こっちだ。」


ジャイが手を降っている。


「神取先生。こんなとこでなにしてるんですか?病院のみんな連絡つかないって、心配してましたよ。」


「関君じゃないか。久しぶりだな。君こっちに引っ越したのか?それより今はこの子だ。背部叩打法で喉の遺物は除去出来たから命は大丈夫だが、その背部叩打法の時に、強さで、背骨がヒビか折れてる可能性がある。」


「ちょっと!」


子供のお母さんがジャイの前に出て来た


「そう君の骨が折れたなんて聞いてないわよ!そう君今週全国バイオリンコンテストの決勝なのよ。出れるの?」


「ちょっとお母さん、、。」


救急隊員の関さんが止めに入るが、ジャイがお母さんに説明を始めた。


「無理です。諦めてください。」


「諦めてくださいって、あなたが、折ったんでしょ?どうしてくれるの?医者だから何しても、いいわけ?」


『おい!このばばあ!いい加減に、、、』


言いかけた時にジャイの手が伸びて来た。


それ以上言うなと言わんばかりに。


「私も医者ですから病院に付き合いますから。」


「あなたみたいなヤブ医者ついてこられても迷惑だわ!私のおじいさんは隣町の、病院の理事長やってるんだから、必ず問題にしてやるんだから!あんたどこの住まいか書きなさい。」


ジャイがオレの方を見ていた。


『書いてやれ!そんなもん!オレの住所。こんなアホ親なんて、ビビる事はねぇジャイ!』


オレがメモ紙を出して、殴り書きで、オレの住所と電話番号と、オレの名前とジャイの名前を書いた。


『ほらっ!』


「なんて態度なの。そう君の骨折って、頭おかしい医者に不良の小学生!おじいさんに頼んで。あんたら、許さないから!ほらっ!早くそう君連れて行きなさいよ。あなたら救急車で早く運ぶのがそれが仕事でしょ?それと、病院はおじいさんがいる病院で頼むわよ。」


子供のお母さんが、救急車に乗りながらジャイを、指差している


「このヤブ医者!裁判起こしてやるから覚悟して、待ってなさい。」


【バタン。】


【ピーポーピーポーピーポー。】


『なんだよ!あれ!くそッムカつくぜ!』


「まあでも、オレが折ったかもしれないからな。ヒビ位ならいんだけどな。」


『あーしなきゃいけなかったんだろ?』


「ああ。死んでいる可能性もあったな。あの場所で心肺停止になったら、運んでる間に確実に助からない。心肺蘇生しながら山道下りるなんて無理だ。だから意識があるうちにってちょっと強く叩きすぎたかな。」


『じゃあ、なんも悪くねーじゃねーか?』


「まぁ、最善を尽くしてもこう言われる事はたまにある。手術しても助からない人もたくさんいるからな。そういう残された人も見て来たから、あまり言われてもなんとも思わないよ。それより、あの子が助かって良かったそれだけだ。キッドも言ってたじゃないか。死んだら終わりなんだって。だから助かって良かったそれだけさ。」


『ジャイやっぱり大人だな。そこらへんは尊敬するわ!』


「キッド!小学生なめんなよ!」


『なんで、大人だなって褒めてるのに、このタイミングでそのセリフ?ははは。オレもすぐ感情的に動くの直した方がいいかな。』


「いや、キッドはそのままでいいだろ?キッドが考えながら行動したら面白くないよな?」


「私も木戸はそのままでいいと思う。」


「オレもだぜ。タカがそんなになったらそんなのタカじゃねー。」


「オレもかな。そこはタカの欠点ではないと思うよ」


『でも売り言葉に買い言葉で住所書いて名前書いて渡しちった、、、。ごめんなジャイ。』


「別にいいさ。間違った事はしてないつもりだ!こんな事で、裁判とかになって医師免許剥奪されるなら、それは神様がらもう医者をやめろって言ってるって事さ。その時はその時で別に道があるだろ?オレが医者にならない未来があったっていんじゃないか?」


『まあそうだけど、簡単になれるもんでもないし、あの病院は嫌いかもしれないけど、医者って仕事は嫌いじゃねーなら、オレの軽はずみな行動のせいでその道から外れたら申し訳無いかなって思ってさ。』


「そんなの気にすんな!オレがホームレスでもダチなんだろ?キッド!なるようになるだけだ。」


『そうか。』


「みんなも、帰ろう。今日は山も登れたし、唐揚げも最高の景色で、食べれたし、詩音と光の告白も聞けたし、男の子も助けられた。楽しい事しかなかった。それだけだ。すぐ暗くなるからな。帰りはマックでオレのおごりだぜー。」


「いえーい!今日はビックマック真面目に3ついける気がする!」


「いけいけー響!3つと言わず、好きなだけ食え。」


「マジでいいの?」


「じゃあオレ期間限定のやつ食べたい!」


「私も光君がそれなら、同じのにしようかな?」


「食え食え!期間限定でも、スマイルでも、期間限定のバイトのお姉さんでも好きなもん頼め頼め」


『ははははは。期間限定のお姉さんいくらすんだよ?』


「それはな、でたとこ勝負の時価ってやつだな。」


『ははは。生々しいな。その発言は教育上の関係でこれ以上のツッコミはやめとこう。』


「バカだな。キッド。高校でも一流大学でも教えてくれない課外授業だぞ。」


『ふーん。じゃあ母ちゃんとハルねぇにジャイが時価でマックのお姉さん買おうとしてたって言ってやろ。』


「やめろよ気まずいだろ。美由紀さんパートの時若い奥さんとオレが楽しく話してると態度怖いんだぞ。遥さんだって女の話すると寒い目で見るし。」


『ははは。あからさまだな。じゃあ帰ってマックで響の大食い選手権でも見に行くか?』


「ああ。楽しかった。行こう。キッドのおかげで、いい思い出が出来た。」


5人はそのまま電車に乗って、最寄り駅まで戻り。


ジャイのおごり夜マックを楽しく堪能し、


3/17日は終了した。




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