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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
212/534

70話

2013年 3月17日 日曜日




あれからほぼ1ヵ月が経った。


ジャイはもうスーパーでは仕事を覚え主任さんに社員にならないか?と誘われているくらいだった。


異世界ではというと、


オレと、ジャイのレベルは26まで上がり、


だいたいの異世界の地図を書き上げた。


方角を16分割した時に各方向の最奥にダンジョンがある仕組みのようだ。


それぞれレベル制限、かんたんに入れるもの、魔族のみしか入れない洞窟、色々様々だ。


とりあえずレベル15のダンジョンをジャイと狩りに、行きそのボスを倒しゲットしたのは武器だった。


そしてあの木の麓のクリアスキルの本が入った宝箱の所を掘ったが宝箱の中には何も入って無かったのだ。



魔族村は1ヵ月経つがまだ無人だ。



いつから魔族がこの異世界に転生されてくるのか今は見当もつかないそんな感じの中でオレらは木の下にスキルの本がない事から気がついた事があった。


それは4年後の未来に向けてオレらが、あれを集めなきゃいけないという事に。


そう4年後にみんながあの時と同じように進む為にオレが今のうちに出来ることをやらないといけない事に気がついてしまった。


洞窟によって、ランダムにスキルの本を出したり強い武器をドロップしたりはまちまちだが、クリアスキルの本だけは初回クリアのみと思われた。


そう1回しか入手出来ないクリアスキルの本をオレらで、探し4年後に繋ぐというものだ。


だから、誰かがあのスキル本を見つけて使わないように、うちらが、見つけて隠しておく必要があるという事になり、今はジャイと必死にレベルを上げ、全部のクリアスキルを無理しないで、探しに行っている最中そんな感じだ。




AM9:00


「ジャイ、タカ相変わらずギリギリだな。オレなんか自分の弁当用意して来ても15分前に着いたぜ。」


『おまえら、9時集合で9時に来てんだから遅くはないだろ?ってかみんな何そんな楽しそうな顔してんだよ?』


「木戸おまえが5人の思い出に登山で山に登りたいって言ったんではないか?まあ楽しみは楽しみで間違いないがな。」


『ランニング?ジョギング?始めて1ヵ月経って結構オレら走れるように体力ついたし、ジャイは家3月末に出て行くし、オレはオレで中学みんなと別だろ?最後のイベに丁度いんじゃねーかなと思ったからさ。』


「オレらもそう思ったから、来たんだよ。何より楽しそうだし。ねぇ詩音さん。」


「本当は2人で来たかった、、。」



『シオンヌなんか言ったか?』



「なんでも無い!ただの独り言だ。」


…いやシオンヌ聞こえてたから!


…独り言聞こえてたから。


「キッドこの山登った事あるのか?どのくらいかかるんだ?」


『いやオレは無いんだよ。光が登ってるはず。』


「まだ簡単な方だよここ、片道3時間かな?頂上でお弁当食べたら、下山で3時くらいかな?帰りの方が早いから、3時〜4時には帰ってこれるはず!」


『3時間か?』


みんなで頂上を見上げた。


頂上に山小屋みたいのがチョンと見える。あそこまで歩いていくみたいだ。


「あそこまで3時間で着くのかよ?」


「響も痩せたから大丈夫だろ?オレも酒辞めたし、何より体力がついたからな。お互いどれだけ、成長したか、自分試しだな。」


「確かに。いいとこで食う弁当は最高そうな気がする。さあ行こうぜ。」


響が1人で先に進み出した。


『響は相変わらずだな。ってかさ母ちゃんが作ってくれた大量の唐揚げが重えー。』


オレらもゆっくり響を追って歩き出した。


「タカのお母さん唐揚げ作ってくれたんだ。じゃあ俄然やる気になるよ。」


「確かにあの唐揚げは絶品だと、私も思うぞ。癖になるんだ。あの衣が。」


「オレも、1ヵ月泊めさせて貰って、何回食べたかわからん。いまだに飽きなしだからな。ただな、あれ、食い過ぎで太るからそれが注意だな。美由紀さんも、みんなが絶賛してくれて、嬉しいって言ってたぞ。」


『なんか母ちゃん褒められるって恥ずかしいな。着く頃には冷めてるかもしんないけど、みんなで食べようぜ!』


「おーーい!!早くしないと、昼に頂上につかないぞ!!」


20m位先で響がやる気に満々だ。


『歩いてるだろ?』


「遅いと置いてくぞーー!」


『別にいいよ。1人で行けよー。』


「そんなつれない事言うなよ、、。」


「『ははははは。』」


寂しそうに待つ響に追いつき、全員で、頂上を目指し登り始めた。




PM12:35


『着いたな、、、。足痛いな。ってかあんな張りきってた響が最後かよ。』


「凄い。いい景色だな木戸。」


オレはシオンヌの腕をつついた。


「なんだ?木戸?」


『あのな、後で景色見ながら叫ぶから、シオンヌ出番だぞ!』


「何がだ?」


『前にジャイを迎えに行った時言ってたろ?ドキドキさせたいんだろ?』


「いや、、、いや、、いや、ここか?ここでなのか?木戸。」


『やるかやらねーかは、任せる。じゃあ』


そう言って、シオンヌの側を離れた。


シオンヌがどうするか、考えるように下を向いていた。


…ちょっと無茶な場所で無茶ブリで、かわいそうだったか?


…でも光だって言われて悪い気しないだろ。


「着いたー!!!オレが最後かぁ。すげー景色だな。」


響が、大きく息を吸い込んだ!


「腹減ったぞー!!!!」


腹減ったぞー!がやまびこになり帰って来た。


『おもしれーやまびこ!シオンヌ次行くか?』


オレはシオンヌを見た。


シオンヌはどうしようって顔でオレをみてた。


…あの球技大会で光を、突き飛ばし、すまないって言った時も。


…あの大好きって言った時も、バスケのコートの中で、ボールが側にあったからな、、。


…バスケやってる、シオンヌは普通なんだ!むしろ無敵になれるんだよシオンヌは。


…でも、今日は大好きなバスケットボールも無い、コートの中でも無い!


…でもな毎回バスケしてる時しか光に気持ち伝えられないなんて辛いだろ?


…頑張れシオンヌ!


…ここでワンステップ上に行くんだ。


…頑張れ自分の、核は自分じゃないと変わらないから。


シオンヌが息を吸い込んだ。


…言うのか?


…深呼吸かよ。見てる方もドキドキだな。


そして4回深呼吸した後だった。


『光君。愛してるーーー!!ずっーとーーーー!!』


…よくやったシオンヌ!


シオンヌが恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、その場にしゃがんだ!


「やるなぁ。詩音!青春だな。オレもおまえらと同じ小学生に戻りたいぜ!」


オレはシオンヌの側に行った。


『シオンヌかっこよかったぞ。おまえはもう大丈夫だ。どんな好きな人の前でももう言いたい事を言える!今のシオンヌ超かっけーぜ。見とけよ。一生忘れない思い出作ってやるからな!』


そして、オレはシオンヌの側を離れ、光の前に来た。


『光!シオンヌが女だけど男見せたぞ!2年も好きで探してたんだろ?本当の男がどんなもんか、見せてやれ!!』


「始めてだよ。こんな事するの。」


そう言って3歩前に行って、シオンヌの横に行った。


「詩音さん。嬉しかった。だからこそしっかり聞いといて欲しい。」


光が大の字で立ち大きく息を吸い込んだ。


「どんな中学に行ってもーーー。

たとえ、引越しして、離れ離れになってもーーーーー!

オレはーーーー!詩音さんがーーー!ずっーと大好きだーーーーー!!

ずっーとーーー愛してるーー!!」


シオンヌの涙を久しぶりに見た。


『いいねぇ。青春最高だねぇ。』


「タカも叫べば?」


『いやいいよ。叫んでもだって、別れてるし、虚しくなるだけだろ?』


「届くと思うぞ。」


『シオンヌ、、。』


「そうだよ?タカ。言っただけでも思い出になるし、大人になったら迎えに行くって言ってたじゃん。その時にこんな事があってこんな事をみんなで叫んだんだよって言えるじゃん。」


『ったく、めんどくせーなー。全くおまえら。』


オレは前に歩いて行きながらあの時の事を思い出していた。


…あの秋葉原の駅でもみんなに同じ事言ってたな。


…めんどくせーなー。おまえらって。


…ははは。


…デジャブだな。


みんなに負けないように息を吸った。


『鈴木さーーん。まだ、愛してるぜーーーーー!!』


後ろを振り返った。


『ははは。これでいいかな?』


「木戸叫んでどうだった?」


『届けばいいなと思った。届くわけないけど。でもちょっとスッキリした。』


「木戸小学6年本当に楽しいな。最高だ」


『ああ、おまえらみんながいるからこそ楽しめてる。最後ここまでいったらジャイだな。』


「オレはいいよ。29だぞ。」


『ジャイ29?12の間違いだよな?』


「キッド、、、。」


「そうだよ。歳なんて考えた事ないよ。」


「光。じゃあオレも行くかな。ってか、おまえらは本当にバカだな。バカって本当に最高だな。」


最後ジャイが前に出て山にむかい息を吸った!


「小学生ーーー!!!なめんなよーーーーーー!!」


『ヒュー!ナイスジャイ!』


「まさかここでそのセリフが聞けるとはな。まあ私も言ったがな。」


「ジャイ!最高だぜ。」


「もう立派に友達だねみんなの。」


「いやー。少し恥ずかしかった。」


『「ははははははは。」』


『思い出も出来た所で、じゃあ唐揚げと弁当食って下山だな。』


みんなで、持参したお弁当を食べ、

そして、母ちゃんの唐揚げをみんなでつまみ、


PM1:15


下山を開始する。



この後、ジャイの人生を左右する出来事がある事をまだ、この時のみんなは誰も知らないで、楽しくピクニックを満喫している真っ最中だったのだ。



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