5.6話
本を読みながら、一生懸命スキルの発動方法をキッドが教えてくれている。
マイも一緒だ。
かれこれ、1時間半が過ぎた。
『マイミそろそろ大丈夫かな。』
『うんキッド!完璧じゃないけど、大丈夫だとおもう。』
『2人とも。ありがとう。じゃ試しに使って、、、』
『アホジュン!おまえアホか、モンスターのスキルは1日1回までだぞ、今使ったら、ホントに魔時間が来た時に、使えなくて、村から出なくちゃいけなくなるぞ!』
『マジか?あぶねー。。』
知らなかったので、うっかりスキルを発動するところだった。
『さて、お2人さん。キッドの教えもバッチリで、ジュン君もバッチリ覚えた事だし、魔族長のところに戻ろうか?』
『そーだな。マイミ!ほら、ジュン行くか?ジュンおまえなかなかセンスよかったぞ。』
『そうかぁ。そりゃありがと。』
オレがお礼を言うと、2人がビックリした顔で、こっちを見ている。!!
『マイミ!あれっ!!』
『えっ!?ちょっとジュン君何それ?』
…んっ?あっ!体が光るやつか。
いったい何をビックリしているんだろうか?
みんなも光るんだろう?
その為にスキルを覚えたんじゃないか?
『なんだよ、、。2人とも鳩が豆鉄砲くらったみたいな、顔して、、。
2人とも体が光るようになるんだろ?その為にスキルがあるんだろ?』
『ジュン君、、。色がね、違うの私たちとは、』
『アホジュン!とりあえずおまえは魔時間が始まってる!スキルを今すぐ使え!マイミ!魔族長に急いで連絡!今すぐ呼んできてくれ!』
…どうなってる。なにをあわてている?
意味がわからない。
とりあえず言われた通り精神を集中し、
スキルを発動した。
『ハッー!』
体から赤い光がゆっくりと消えていく。
『アホジュン!おまえ早すぎるんだよ!』
『何がだよ。』
『魔時間が始まるのがだよ。』
『みんなも始まるんだろ?』
『あー!始まるさ!始まるんだが、始まるのは、人間界に戻る20分前だ!』
『みんなは光一個組だけな話なんだろ?』
『そう言ってるんじゃない!
うちらの村には光が一個のやつしか見た事がないんだ!うちらは。
それにオレと、おまえじゃ、光の色が違う!おれらはみんな青にひかる。
赤い光!しかも、そんなにたくさん光るなんて聞いた事がない!!』
『キッド!このスキルで消せる魔時間は何分だ。』
『だいたい30分かな。』
…ダメだ全然足りない。
…あまかった。何もかも。
安堵した気持ちは、また、どん底に突き落とされる。
そうこうしてると、
マイが族長を連れてやって来た。
『ジュン君!君は赤魔族なのか?』
『魔族長。何を言ってんですか?』
『じゃあ。単刀直入に聞こう。ジュン君!君は人を殺した側の人間か?』
…何を、言ってる?
…人を殺した?
…意味がわからない。
…殺すわけがないじゃないか?
…そりゃ、この異世界に来て、人間を、爪で殺そうと向かって言ったことはある
…でもこの聞き方そうじゃない!この真剣な目!
…この人は人間界で、人を殺したのかと聞いているんだ。
オレははっきり答えた!
『そんな事はしていないし、この先するつもりもない!人が誰かに陥し入れられるのを見ているのも嫌だし、理不尽な暴力だって大嫌いだ。』
『そっか?じゃあジュン君にここの青色者達の村の話をしよう。
ここはね、自殺者達が集まった村なんだよ。』