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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
208/534

66話






『母ちゃんただいま。』


「おじゃまします。」


「あれ?誰?お友達にしちゃ、随分大人の方ね。あれっ?どこかでみた事ある方ね。どこで見たのかしら。」


「こんばんわ。神取 誠です。隣町で医師をしてます。今は訳あって、アルコール依存性になり、キッド君の力を借りて、酒依存を治す為にお力を借りてます。」


「ああ、あの大きい病院の御子息の方?なんでそんな方がうちなんかに?」


『母ちゃん!今日からジャイオレん家に泊まるから!1ヶ月くらい!』


「えっーー!!聞いてないわよ。うちはそんな、凝った料理とか出来ないし、家だってボロいし、、、。」


「全然。ご迷惑なら、ホテルに泊まりますけど、、、。」


「いやいや、ご迷惑ではないのだけど、いいのかしら、あのおぼっちゃんが、こんな家で、、、。なんか申し訳無くて、、。」


【コツンコツンコツン】


「ちょっとお母さん!騒がしいけどどうかしたの?んっ?あなた誰?」


『ジャイ!あれがハルねぇだ!』


「あれがその足だな。」


ジャイが自分の部屋からくるハルねぇに近づき手を差し出した。


「あっ、ありがとっ!って誰なのあなた?」


「遥、その方、隣町の病院のお医者さんで貴光の友達の神取さん。」


「神取です。足痛い?」


「ちょっ、、ちょっ、、ちょっ、、、いきなり足触らないでよ、、、。」


「足マッサージしてます?」


「病院の先生はした方がよくなる可能性があるって言ってたんだけど、やっても、全然よくならないから、最近はあまりやってないかな?」


「そんな事はないから、後でやってあげるよ!刺激する場所と伸ばす場所をピンポイントで!諦めずやったほうがいい!」


「そうなのかな?」


『ジャイ、そうしてると立派な医者に見えるぜ!』


「そうか?これでも何百人の腹切ってきたからな。」


「とりあえずご飯食べましょうか?貴光椅子持って来て。」


『ほーい!』


『持って来たぞ!父ちゃんの椅子。』


「懐かしいわね。そっちの奥にお客様用があったのに、まあいいわ座って。神取さん、唐揚げ食べれるかしら?むしろ嫌いな物ある?」


「めざしやししゃもとか少し苦手です。」


『ジャイうちは肉中心だから、そこらへんは大丈夫だ!ってか、母ちゃんまた唐揚げかよ?』


「胸肉がね、私のスーパーで100g38円で売っててね。1.5キロ買いだめしたからね。後何回唐揚げが出てくるかしらね?」


『マジか?響の事ばかり言ってられず、オレまで、太りそうだな。』


「いいのよ。若いうちはたくさん食べて、たくさん遊んで、やりたい事やって、たくさん寝る!今しかないんだからね、学生でいられるのは。」


「凄い考えですねお母さん!」


「ちょっとお母さんとかやめてくれるかしら、あまり歳変わらないでしょ?美由紀さんでいいわよ。なんか神取さんにお母さんって言われると、凄い老けた気がしちゃうわ。」


「いやいや、老けたなんてまだこんなにお綺麗で、、、。」


「ははは、お世辞がお上手で、ははははは、じゃあご飯サービスね。はいこれっ!次遥茶碗頂戴。」


「はーい。」


横から

ツンツンジャイがオレの腕を押して呼んでいる。


「キッド尋常じゃない量のご飯が目の前によそわれているのだが、、、これは異世界では無くて現実なのか?」


『すげーな。ジャイのマンションなみじゃねーか?ご飯の高層マンションだな。』


「残してしまったらどうしよう。」


『未亡人の母ちゃん褒めるからだろ?これもお前が通らなくていけない試練の1つかもよ!』


「キッド試練の高さが高すぎだろ?」


『ちょっと茶碗持って顔の前に持って来てこっち見てみ!』


「こうか?」


『あははは、どんな日本昔話盛りだよ!茶碗と、米で顔が見えないでやんの!気合いだ!ジャイ!』


「ああ。」


「どうしたの神取さん。ご飯足りなかった?」


ジャイがブルブル首を横に振っていた。


母ちゃんもなんか褒められたせいかご機嫌そうだ。


『ジャイ冗談だ食えなくなったら言え!残ったら食ってやる!』


「みんな座ったかしら?では」


『「いただきます。」』


「なんだこれめちゃくちゃ!美味い!尋常じゃない美味さですね。」


『ジャイ、響や光や鈴木さんやみんなも絶賛するんだぜ、オレもまた唐揚げかよ、と思いながら食べ始めたら止まらないんだよなぁ。』


ジャイがもくもくと食べていた。


それほど美味いのだろう。


「美由紀さんこれお店に出せるレベルですよ。」


「100g38円のお肉なんだけどね。そう言ってもらえると嬉しいわ!」


『そーいやな!未来には唐揚げ専門の店が東京に増えるから、母ちゃんも、やったら儲かるんじゃね?ってかそこらへんの専門店にゃ負けねー気がする!』


「貴光、未来?」


…やべー!やっちまった!


『そう言ってたよな!ジャイ!』


…すまねー!


…無茶振りしちまった!


「グハッ。ゲホゲホ。えっ?あー!そーなんですよ。美由紀さん。自分よく海外とか行くんで、唐揚げのお店とかアメリカのお店じゃ、、流行ったりしてるんですよ、、ははは。」


「唐揚げってアメリカでも売ってるのね?アメリカで唐揚げって何て言うの?」


『ジャイ!ご飯のタワーで顔を隠すな!』


「あっ!あーそんな事より、その髪のシュシュよく似合ってますね!美由紀さんみたいな綺麗な方は、そう言う髪の縛り方すると大人な色気が出て素敵ですよね。」


「あらー!まあ。貴光素敵な方連れて来て、1ヶ月と言わず1年でもいたらいいのに、ちょっと神取さん、いや、誠さんでいいかしら?誠さん!茶碗貸して!」


「えっ?はい!」


『ジャイ嫌な予感がする!』


「オレでもわかる!」


「はい!嬉しいから今日は超特大サービス!」


米の高さと重さに持ったジャイが半分白目を向いている!


「おい!キッド半分食ったオレの飯が過去に時間逆行で戻ったぞ!」


『わりい!オレのせいだわ!未来の事口滑らした。』


「これはRいくつのスキルだ?」


『多分なR、、、4分くらいかな?』


「恐ろしい歴史の修正力だ!オレの白飯高層マンションレベルでビビっていたが、歴史改変で白飯がトランプタワーになって返って来やがった!」


『ジャイ!歴史をな変えようとすると、そういう事が起こるんだぜ!鈴木さんも、多分昔の5倍はひどい事いわなきゃいけなくなった。オレはそれは1人で乗り越えたぜ!』


オレは親指をジャイに立ててやった!



『ってか、ジャイ!トランプタワー知ってんのかよ?この時代で。』


「半年前旅行で行ったばかりだ。」


『そうなのか?それな4年後めっちゃ有名になるから!』


「そうか、じゃあ時代の先取りだなオレ。先取りだとしてもさキッド!このトランプタワーを1人で超えろと?オレの胃袋も一緒に時間逆行してても無理なレベルなのに、胃袋は大分お腹いっぱいだぞ!」


『大丈夫だ!一緒に未来を変えると約束したじゃないか?死ぬときは一緒だ!』


「響じゃないが、心の友よー。」


「何をこそこそ話しているんだい?唐揚げが冷める前に早く食べちゃった方がいいわよ。」


『ジャイ!唐揚げはゴブリンと思え!そして、ボスは巨大な一旦もんめみたいな白飯だ!全力で狩りにいくぞ!スピード重視だ、時間がかかったら負けと思え!』


「死んだら骨は拾えよ」


そして、

2人は死んだ。


間違えた。死んだように動けないの間違いだった!


『ウップ、無理!』


「ヤバイ!無理!」


「よく食べたわね〜。作った甲斐があるわ。お粗末様。」


「ねぇ、2人はどういう関係なの?」


2人で机にダウンしてる状態のオレらに、ハルねぇの質問攻めの攻撃が続く。


『オレが行く、新しい学校の、、、先生の知り合い?みたいな。』


「そんな人がうちに泊まりに来るの?変なの?神取さん彼女はいるの?」


なんかその会話に台所の母ちゃんの耳がゴブリンみたいに伸びてるような気がした。


「いないよ。でも、体だけの付き合いの人はいるかな。」


【ガチャーン】


「あら、ごめんなさい。コップが滑って割れちゃった、、ははは。」


「は、、、は、、はっきり言うのね!でも、そういうのはダメだと私は思う。」


「遥さんだっけ?別に好きでそうなってるわけじゃないよ!寄って来る女がみんな金目当てな女ばかりなだけさ、こっちは恋愛したいんだけど相手がオレより金しかみてないから。だから最後の恋は中学時代のバスケ部のマネージャーとの恋愛かな?」


『ハルねぇ!ジャイは辞めとけ!義理の兄ちゃんになっちまう!それに歳離れすぎだろ?まだ母ちゃんの方が歳近いし。』


【ガチャーン】


「今日は、、よくコップが割れるわね、、どうしたのかしら、、、ははは。」


『母ちゃん!ジャイは顔はイケメンだけどダメだ!兄ちゃんじゃなくて、父ちゃんになるなんてもっと無理だろ?友達だぞ!友達が父ちゃんなんて、複雑すぎだろ?』


「いやーねー!そんな事考えてないわよ。」


「ふーん。私は興味無いから大丈夫。今は自分の足の事で、精一杯だから。」


ハルねぇが杖を使い立ち上がり、部屋に戻っていった。


「キッドオレ遥さんの足マッサージ行ってくる。」


『ハルねぇに手出すなよ!』


「大丈夫だ!酒は入ってないからな。シラフでそんな事するかよ。でも酒飲みてーなー!」


そう言って、ハルねぇの部屋にジャイが向かった。


『母ちゃんさ!あいつ、酒依存性なんだわ!オレが学校行ってる間監視しててくんない?』


「そりゃ、お母さんも家で楽しくおしゃべりしていたいけど、唐揚げ代の為にパート行かないといけないからね。」


『唐揚げの為に働いてんのかよ。』


「最近お母さん、貴光のお友達みんなに、唐揚げ褒められてね。作るのたのしいのよね。だから一生懸命働かないと。」


『じゃあジャイ昼は1人になるのかな?響と一緒で意思弱そうだからなあ、、。』


「じゃあお母さんとこで一緒に日雇いパートするってどう?9時から3時まで!」


『やべぇ!それ名案だ!医者で時給5000円以上稼ぐようなジャイがスーパーで800円で働くのか?出来んのかよあいつ、、。』


「レジ打ちじゃなくて、日用品の品出しの人が足りないって言ってたの。丁度いいんじゃないかしら?」


『まあ!いい経験になるんじゃねーかな?ジャイも!医者しかやった事ないだろうし、金持ちでバイトなんて、無縁な感じするし!医者がスーパーで品出しかウケるな!』


「結構コキ使われそうな気がするのよね、うちのスーパー!それが心配よね。」


『神取ゴミ捨てて来い!ほらタイムセールだ神取!ティッシュ前に持っていけ!神取!品出しのパレットが来たぞ!ほら神取!神取!そして、うわーとなり、酒を飲むってならなきゃいいな。』


「はははは。貴光!その光景予想できるわね。」


「キッド!美由紀さん!」


ジャイがハルねぇの部屋で呼んでいる!


「何かしら。」


『ちょっと行こう。』


母ちゃんと一緒に元々母ちゃんの部屋に向かった。


そして扉を開けた。


「はいそこで止まって、お2人さん。遥さん大丈夫?」


「うん。なんかいけそうな気がする。」


ハルねぇの横でジャイが手を支えて立っている。


「遥さん離れるよ。」


「うん。マッサージのせいかな?いつもより全然痛くない。」


ジャイが横から、ハルねぇの3歩前に来た。


『ハルねぇ!行けるのか?』


「わからない!けど足に少し力が入るの今日。行けるかな?」


「ここまで、これるかい?」


ジャイが手を広げて待っている!


ハルねぇが1歩踏み出した。


『マジか?』


後ろで母ちゃんが泣きそうな顔で、手で顔を覆っていた。


…1歩歩いた!


…杖なしで!奇跡だ!


『頑張れ!ハルねぇ!』


「キャッ!」


「オッと危ない!よくやったね。2歩でも、充分頑張った!キッド!奇跡は意外と簡単に起こせるんだぜ!」


『ああ、、、知ってる、、、知ってるけど、頼む!もっとオレがボロボロ泣くくらいの奇跡をジャイ、オレに見せてくれ!』


「大丈夫だ!毎日オレが、マッサージとリハビリに付き合う!必ず杖が無くなるとこまで引っ張りあげてやる!」


『ハルねぇ、、、。』


「見たか?タカ!私だってまだ死んでないのよ!まだやれる!」


『一緒に母ちゃんに喜んで貰う未来に歩くんだろハルねぇ!』


「もちろんよ。この神取さんさえいてくれたら、なんとかなるかな?」


「オレは3月末までいる予定だよ。」


「私なんか今、目標が欲しい。私もこのまま終わりたくない!みんなが頑張ってる中私だって負けられない。」


「じゃあ、オレが、この家を出て行く日、杖なしでデートしよう!遥さん。それで頑張れないかな?」


「そうかぁ、頑張らないと私の場合デートじゃなくて、介護になっちゃうのか、デートがしたい!自分の力で」


「じゃあ遥さん。一緒に頑張ろう。今ならまだ間に合うかもしれない!」


「よろしくお願いします。神取先生。」


「いいよ。普通通りで、オレは今小学生になった気で春休み遊んでるだけだから。」


母ちゃんが、嬉し涙をこらえきれず、風呂場に顔を洗いに走って行った!


「キッド!今無理して歩いたからもう少しマッサージしてから、部屋に行くから、先に行っててくれ。2階でいいんだよな?」


『ああ!ジャイ!2階で待ってるな!』


オレは2階に上がった。


…みんなを救う?


…いつもみんながオレを救ってくれる。


…嬉しすぎて、目がぼやけちまうよ!


…ハルねぇ頑張れ!


…オレのせいで、あんな苦労かけて、本当申し訳ない!


…ハルねぇだって頑張っているんだ!オレだって負けられるかよ!


オレは勉強道具を出して、勉強を始めた!


暫くしてジャイが戻って来た!


『ジャイよくなりそうか?』


「病は気からって言うだろ?大丈夫だ!なんとか頑張ってみる。」


『そうかそれは本当よろしく頼む!後、オレが学校行ってる間パートしないか?母ちゃんのスーパーで。』


「なんだそれ?面白そうだが、オレやった事無いからな、迷惑かけないかな?」


『何事も経験じゃん?』


「別に構わない!むしろやってみたいな!」


『そうか、じゃあ母ちゃんに言っとくな。』


「やっぱりキッドを呼んでよかった!酒を飲む暇すら与えてくれない!」


『やっぱり飲みたいか?』


「大丈夫だ。遥も響もキッドおまえも頑張ってるんだろ?オレだけが、甘い汁、アルコールの汁すえねーよ!」


『そのいきだ!頑張れジャイ!おまえは立派な医者だ!アルコールに負けるな!遥みたいに、おまえを必要にしてる人がいる!頑張ろうぜ!』


「わかってる!無理な時はノンアルで、一杯やるよ!」


『異世界はとりあえずレベル上げと探索な。』


「わかった。」


『寝るまで時間あるから漫画でも、読んでたらどうだ?やたらいっぱいあるから。』


「そうする!」


オレは勉強し、ジャイは漫画に没頭し、時間は過ぎて行って、


かなり夜は更け

お互い布団に入った。


オレはベッドで、


ジャイは床に布団をひいて寝ている。



寝てる窓から月が見えた。



…ジュン2月は色々忙しいぜ!


…それでも時は待ってくれず進んで行く!


…必ず来いよ!お前もたくさんのトラウマを、背負って、オレが光りを消すスキルを魔族村で教えてやっからな!


…おまえと、オレはそっくりだ!


…オレも、もろいが、ジュンおまえもオレくらいもろい!


…ジュンは今中1か?もうリンに、無視され、リンの彼氏からぶっ飛ばされ、今はカズキの前にいじめられてる最中か?


…潰れんなよ!


…おまえはマイと言う女が、みんなが、おまえを待ってる!


…必ず笑える未来がある!


…それは伝えられねーし、助けることも出来ないけど、


…弱いもん同士頑張ろうぜ!



外の月を見ながらジュンにメッセージを飛ばしながら眠りに落ちた




















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