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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
203/534

61話

2013年 2月16日 土曜日、AM6:00



異世界に行ってる為毎朝6時に強制的に起こされるっていう規則正しい生活が昨日から始まっている。



…ジャイを家から引っ張り出して、それからどうするか?


…酒が飲めない環境で監視しないとまたすぐ飲んじまうよな!


…じゃあもうアレしかないか?


…とりあえず、1人じゃ無理だな。


オレは朝早くまだ6時の迷惑極まりない時間に光に電話を、かけた。


『もしもし、光?今日暇か?』


「いや、暇だけど、ってかまだ寝てたよ。どうかした?」


『わりいちょっと、親戚の兄ちゃんがヤバい事になってて、ちょっとだけ手伝って欲しい事があるんだ。響とシオンヌに連絡取って朝9時に駅に来れないか?』


「いいけど、タカが連絡してよ。」


『彼女でもないオレが朝からシオンヌに電話して、シオンヌの寝起きの声を聞いて光はそれでいいのか?』


「いやかなぁ?じゃあ響は?」


『シオンヌに電話かけるなら、1人も2人も一緒じゃね?光なら、朝かけても怒らないだろ?オレかけたらあいつ寝起きわりーんだもん!まだ6時だぜ。からあげくんおごるからって言っといてくれ。』


「タカ全員に昼ご飯でどう?」


『さすが、参謀いい作戦で交渉のテーブルについてくるな!1人1000円以内な!』


「しょうがないな。じゃあその条件でやってあげよーかな。」


『さすが誰からも嫌われない光先生!頼りになります。』


「ほめてもキッチリ1000円分食べるからね。」


『光、響と違ってそんなに食えないだろ?』


「確かに。そしたら響にあげるよ!」


『またあいつデブになるぞ!』


「ははは。そうかも。じゃあ9時に駅で。」


…酷いやつかオレは?


…でもシオンヌもオレが朝から電話かけたら、めっちゃ機嫌悪いだろうし、


…でもお互い好きな者同士なら、「おはよっ。寝てた?」「いや寝ていたが、朝から光の声聞けて嬉しい!」

「今日用事があるから、じゃあ9時に駅に来て。」「わかった。」そして、光君と朝から話をしてしまった。嬉しいな!って言って赤らめた頬を布団を半分被るみたいな。そしてお互い「幸せだ。」とか言いながら夢の続きをみよ的な、、、。


『あー何が嬉しいだ!リア充ー!爆発しろー!』


『そんな夢の続きなんか見せるか!電話してやるぜ!』


【プルルルルルルルル。】


『もしもし光だけど。』


「木戸!朝から冗談も大概にしろ、、、。今、光君から電話があったばかりだ。液晶に木戸自宅と出ている。

光君はそんな木戸みたいなゲスな声では無い!もっと女神様みたいな声だ!せっかく光君の声の余韻に浸っていたのに、台無しだ。なんだもう鈴木さんがいなくて寂しくなったのか?私はダメだぞ!光君しか見えない!」


『朝からよくそれだけしゃべれるな。』


「それはそうだろう、初めて、、、初めて光君からモーニングコールが来たんだ。胸がドキドキで不整脈で死ぬところだった。だからおまえからの電話で台無しだ。私の幸せのひと時を返せ。」


『想像した通りの展開になってんなよ!』


「あー!寂しくなったのだな。しょうがないな。今の鈴木さんのメガネをかけるイメージで、言ってやるからな!ちょっと待ってろ!」


「ゴホン、、ゴホン。」


「木戸君、大好き!」


『ぶはっ。似てねー。まんまシオンヌじゃねーか!』


「木戸!鈴木さんモノマネ料2000円な。今のはまあまあ気持ちがこもってやってやったから2500円でも構わないぞ。」


『あのレベルで金取んのかよ詐欺だな。』


「私の声を鈴木さんだと思って寂しくて枕を濡らすがいい。いやー、いとおかしだ。ではな。」


【ガチャ、、。プープープー。】


『前々から変なやつだと思っていたが、ここまで個性的なやつだったとは。さて、次は勢いとノリで響にも電話は、、。昔マジ切れされたから、響はやめとこう。勉強も朝からはしたくねーから、また家族に朝ご飯でも作ってやるかな?』


2日連続して、早起きをして、朝ご飯を家族の為に作る。


こんな事は多分オレが生まれてから初めての事かもしれない。


母ちゃんが見たら涙を流す程度の奇跡の出来事だというだろう。


1人でご飯を作り、朝風呂を満喫し、起きて来たみんなのトーストを焼き、身支度を済ませて、早めに家を出て駅に向かい、8:40駅に着いた。


ここで人を待ってると、あの時、ハルねぇを待っていたのを思い出す。


…懐かしいな。あの日は色々あった1日だったな。


「お待たせタカ。」


『光、シオンヌ、響!みんな一緒か?』


「タカさ、そろそろ携帯買って貰えば、家電話だけじゃ大変じゃない?」


『そうなんだよ!それはわかってる!中学に行ったら買って貰おうかなって思ってる!』


「木戸私の電話でゆっくり寝れたか?」


『んなわけねーだろ。あの真似に自信ありとかポジティブにも程がある。』


「今日はイタリアンのフルコースか、、、。楽しみだなみんな。」


『はい?シオンヌどうしたら、そんな話になりまして?』


「違うのか?あなたの心の隙間お埋めしました代金だ。」


『埋まってねーから!むしろ広がったわ!』


「タカ、とりあえず、からあげくん買ってくれよ!約束だろ?」


『今シオンヌと話してんのに、忙しいな!』


「KYじゃないぞ、今買いにいかないと、電車間に合わなそーだから、しょうがなく、割って入ったんじゃん!」


『響、KY調べたのか?』


「お母さんに聞いた。」


『で、なんだって、お母さんは?』


「響あなた、KYって言われていじめられてるの?だって。」


『ははは。ウケるな。ほいっ!これ!』


響にsuicaを渡した。


『他のもん買うんじゃねーぞ!』


響が親指を立てて、コンビニに走って行った。


「久々の魔族一家の活動だね。」


『ああ、これからは4人だけどな。』


「木戸そんな事を言うな!離れていても鈴木さんは大事なメンバーだろ?」


『シオンヌ、光、言ってなかったけどな、オレら別れたんだ、、、。』


「まさか、木戸冗談だろ?私はおまえら2人を目標にしてきたのに、、、。」


『色々あるんだ、、、。別れた方が楽な場合もあるし、別れなきゃいけない時もあるんだぜ、例えお互いが好きな同士でも、、、。でもまさかオレらがそういう状況になるとは思わなかった。運命の前には人は無力だと思ったよ。早く大人になりてーな本当!』


「木戸そんな事とは知らずに、私は朝酷い事言ってすまなかった、、。遠距離で続いているものばかりと、、、。」


「タカ、、、。オレもてっきり絶対結婚するくらい好き同士だと思ってた。みんなの憧れだったからね。2人は」


『まあオレもこれで終わりだとは思ってないさ、いつか、迎えに行く予定だ。だからそれまで、鈴木さんにもオレの話題やオレの方も含めてそっとしといてくれ、オレも鈴木さんも、傷は深いから、、、。』


「わかった。」


「みんなお待たせ、からあげくんだけだって、言ってたからレッドとチーズ2個買っちった。」


『シオンヌ、光、こういうやっぱりKYなやつが必要だわ!』


「そうだな。私も響のKYが場の空気をよくしてるのに初めて気がついた。」


「なんだよ。KYKYって言うなよ。ってか何があったんだよ?」


「響。タカと鈴木さんが別れたみたい。」


「そうなのか?」


『ああ。』


「心の友よ。」

そう言って抱きしめられた。


『やめろよ響。おまえがやるとリアルチビジャイアンだぜ。しかも慰めるじゃなくて喜ぶとは響らしーわ!』


「1人は寂しかったからな。これでまた同士だな。」


『おまえがそんなやつで逆に嬉しいわ!立ち話もなんだし電車行っちゃうから、行こうぜ、今日何があるのかは、電車で話す。』


そう言い4人は駅に向かい歩いて行った。


こいつらといるとこんなに小学生が面白いと思った事は無い


まだまだオレは最強無敵小学生青春学生生活真っ只中だ。


小学生万歳!




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