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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
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59話


『おまえジャイロだろ?大剣使いの?』


「???オレの名前は神取だが、。」


『いやいやいやいや、こっちの異世界の名前はジャイだろ?』


「オレを知ってるのか?さては、オレの未来でも見て来た物言いだな、、。」


『ちょっとま、、、あっー!!』


遅かった!


カバンから本が光りながら勝手に飛び出し、


ロックかかってる本のロックが外れ


オレらの頭上でパラパラページがめくられ、


1ぺージ目が開いた状態で、

手を前に伸ばした手の上へゆっくり降りて来た!


『おまえ馬鹿野郎だな!』


「なんだこりゃ、手品か?」


ページの下に書いてある数字の4が立体的に飛び出て来てクルクル本の上で回り、3に変化して、本の中に沈んで行った。


『あーあーあー!やべーどうしよう!』


「なんだ?全然話が見えないぞ。」


そして、本はオレの手の上でまた閉じ、ロックがかかった。


まさかの、まだ3年9ヵ月も残ってる状態で全然わからない奴に知られてしまった。


…腹決めて話すしか無いのか?


…こいつだってあの時異世界にいたもんな。


…んっ?ちょっと待てよ!


…そーいえば、こいつオレと同じ名前のやつと冒険したって言ってなかったか?


…でも前の異世界はオレはプレイヤーとして、転生してないはずだ!


…でも声も似てるって言ってなかったか?


…とりあえず話すか?前の異世界と同じジャイなら大丈夫だろ?


『なぁ!ジャイ!オレ真面目に未来から新しい未来を作るために過去に来たって言ったら信じるか?』


「面白そうな話だな。聞かせてくれ。」


『なんだよ。疑わないのかよ。』


「じゃあ、おまえ、未来のオレに会ってるんだよな?って事はなんか俺の事知ってるんだろ?言ってみろよ。」


『会ったのは3年と9ヵ月後の未来だ。オレはその未来から、4年4ヵ月もどった。ジャイなんか言ってたかな?』


…ちょっと前の記憶だからな。


あの異世界の記憶を手繰り寄せた。


『そーいや、マスカットってやつも一緒に冒険したって言ってたな。後クリアスキルのこの本の事も知ってたぞ!ジャイロって名前になんか聞き覚えないのか?』


「そりゃー今オレがはまって改造してる3輪バイクの名前だ!それが、そうなんじゃないか?ますます面白いな。最近人間界に退屈で退屈で飽き飽きしてた所に、この異世界に、未来少年だろ?

信じるも信じないもさっきの本やら、この異世界を見たらなんでも信じるだろ?

でもな、その本とマスカットってやつは知らないな。でも面白そうなのは間違いないな!」


『そうか、じゃあ協力してくれるなら話すけど。』


「おまえな。オレほど頼りになるやついないぞ。オレ医者だし。でもな、今まあ、自宅待機中だけどな。」


『そこらへんが心の闇なのか?』


「そうなるのか?どちらかといえば、飽き飽きしていたからなあの人間の世界に。そっちの方は根は深い。」


『じゃあ話すな。』


オレは未来に何があり、その未来を変えるために過去に来て、何をしたか、

話した。そしてこれからやる事も話した。


もちろんジャイの事も、オレらしきプレイヤーと冒険したって話も話した。


「いやーかなり面白い話だな。でもおまえオレの未来でもおまえと、冒険してたのか?じゃあ知り合うようにして、知り合ったって事になるのか?」


『おまえって言うな。オレはキッドだ。そこが、不思議なんだよ。前にいた、さっき話した、鈴木さんを知らないジュンが殺される未来をAとするだろ?

そこだとオレは青魔族としてしか、異世界に転生してなくて、プレイヤーとして、異世界に転生されてないのに、ジャイはキッドとマスカットと冒険したってはっきり言ったんだ。


今は2012年の7月からまるっきり新しいルートBに入ったと思ってくれ、こっちでは、今日ジャイと知り合うからジャイが未来でオレを知ってるのはわかるけど、Aの方でジャイがオレを知っていた。そこがさっぱりわからない。』


「確かにな。タイムパラドックスって知ってるか?」


『いや、わかんね。』


「有名な話だ。自分が過去に行って自分の先祖を殺す話だ!自分が生きてるのに、自分が自分の先祖を、殺したら、自分は生まれてこないはずのに今自分がここにいる矛盾みたいな物が生じるって話だ。」


『それは出来ないな!』


「なんでだ?」


『オレは先祖までは過去には行けない。今の年のまま過去に行くわけではなく、戻った年相応の年になる。もし16歳の時に15年戻るスキルの本があるとする!それを使ったら脳は16のまま1歳の赤ん坊からスタートになる!』


「はははっ!ますます興味深い!タイムリープ的なやつか?」


『そう呼ばれているのかオレはわからないけどこの世界の過去に来たからといって、未来の自分と、過去の自分が出会うようなバックトゥザフューチャー的な心配は無いと思う。』


「流石に医者のオレでもそこまではわかんないな。でもこうなるように世界はその未来に向かって進むんじゃないか?だから、大なり小なりの歴史改変は出来ても、出来ないものってのもあるんだと思う。確かに、その未来のオレはキッドってやつと冒険したのかもしれない。

それは今目の前にいるおまえのキッドかそうじゃないかは、わからないが、

多分だけどな、キッドってやつと冒険しなきゃ行けないオレの道なんじゃないかな?

キッドが、鈴木さんって子にトラウマを与えなくちゃいけなかったように、

それは何回過去に行ってもやらなきゃいけない過去で、

オレの場合、キッドとまだ知らないマスカットってやつと冒険しなきゃいけない道は通らなくてはいけない道なんだと思う。

もしキッドが、そのオレと会う前に人間界で死んでいたら、違うキッドってやつがここに来て、

オレと冒険するんじゃないか?まぁあくまで予想だがな。

変えてはいいものと変えてはいけないものがあり、変えた場合、似たような感じで歴史が上手く補填するみたいな。歴史の修正力っていうだろ?

そのAのルートは違うキッドだったかもしれない。でも多分4年後オレ達は、その場所で会うんだぜ。

そうしないといけないから、オレはここに来たのかもな。」


『ジャイおまえ凄いな。オレにはさっぱりだ。でもな、未来を変えようとした為に違う道に進んでしまった人もいるんだわ!』


「さっき話してた、キッドの姉さんの事か?」


『ああ!オレは自分の未来を変える事に必死で、周りが変わるなんてバカだからあまり考えてなかった。姉ちゃん足が杖無しじゃ歩けなくなっちまった、、、。』




「落ち込むな男たるもの。キッドでも2つ転機はある。1つそれはキッド、おまえがオレと知り合いになった事だ。異世界、人間界共に退屈させないで、くれたら、姉さんの足見てやるから連れて来い!うちの病院は最新の治療装備が万端だ!もしかしたら、よくなるかもな!

そしてもう1つ未来から来たって事を言われるのが不安なんだろ?」


『あぁ。後3年9ヵ月でバレていいの後たった2人だからな。』


「じゃあその未来から来てるって役オレがやってやるよ。なんかあったら、オレが未来から来たからって事にしとけば、本の数は減らないし、大分不安も減るだろう。」


…すげー案だな。


…それは大丈夫なのか?


…もし大丈夫ならマジ凄い案だ!


…医者ってすげーな。


『マジいいのか?学校に入学できたとはいえ、ハルねぇ、いや、姉ちゃんの姿を見ると心が痛むんだ!しかもジャイの案で本の数が減らなければ、凄い案だと思う。オレとしたら両方神的案だ!』


「だろ?頭の回転は舐めてもらっちゃ困る!」


『いいのか?こんなに甘えちまって。』


「別にそこらへんは構わないが、オレもキッドの話を聞いて、不思議な事がある!オレも誰にも言わない代わりにキッドお前もオレの話を誰にも言うなよ!」


『ああ!口は堅い方だ。』


「嘘つけよ。会ってすぐオレの名前呼んでるやつが。まあいいか。とりあえず聞いてくれ。不思議な事は4年後オレが生きてるって事だ!今の予定だと4年後は死んでいるはずなんだ!」


…ジャイは何を言ってるんだ。


…病気か何かか?


ジャイは死ぬはずだと自分で言う

しかしオレの知る未来では笑ってるジャイを4年後を見ている


その矛盾がまだオレに理解できない。


そして、ジャイが話し出す。





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