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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
199/534

57話 鈴木さん編 end

母ちゃんとハルねぇにご飯を作り、


2人とも、仕事と学校に向かった。



オレは部屋に戻り、勉強をしていた。


そして、時間は過ぎ、PM4:00を迎えた。


「木戸ー。いるか?」


家の外から、シオンヌの声が聞こえる。


…来るとは思ってたがな。


…やっぱり来たか。


…あれだけ、酷い事を鈴木さんに言ったんだからそのふざけた行動に対して鈴木さんの親友のシオンヌならキレて当然だ。


…オレは1人になるってわかっていて、取った行動とはいえ。


…あれだけ仲のよかった光、響、シオンヌに事情を説明できず1人にならなきゃいけないのも辛いな。


…まあしょうがないよな。ジュンが適当ないい訳でマイミを振ったとして、マイミが、ジュンが適当に遊んでやっただけで本気になってバカじゃねーって言われたって、マイミから相談受けたらオレ多分ジュンぶっ飛ばすわ!まじで!


…そのジュン役がオレで、オレ役が、シオンヌって訳か?


…ぶっ飛ばされっかな?


…行こう。


…これもオレの人生の通過点!


…頑張れキッド!笑える未来の為に、みんなが転生されて来るまで、オレは1人だ!


…孤独でも。


オレは階段を降りて玄関をでた。


『よお!シオンヌ1人か?足は大丈夫か?』


「ああ。木戸迎えに来た。足は1日経ったらほぼ大丈夫になった。3時間の重症ってよく言うだろ?捻挫なんてそんなもんだ。」


…なんだ全然怒ってないじゃないか。


…なんでだ?


「今日から、鈴木さんはもう出発するらしい。時間は17時の電車だ。」


『オレは会えない!もうお別れは済ませた。』


「いいのか?それで、、、。」


『あー!しょうがないだろ?鈴木さんなんか言ってなかったか?』


「特に何も言ってなかったぞ。ただ、木戸お前と引っ越しで遠くへ離れるのがかなり辛かったんだろうな。目が真っ赤になり、話し方も少し変になっていた。」


…オレのせいだ、、、。


『そうか、シオンヌがオレの家に来た事は無かった事にしてくれそのまま、駅に向かってくれ。オレは行けない。』


「おまえはそれでいいのか?私に言ったではないか。今やらず後悔する未来が来ると。おまえは今日、鈴木さんを見送りに行かなくて、自分が大人になり、人生を振り返った時にそれでよかったと思えるか?」


…だって、しょうがないだろ!


…無理だ会える訳がない!


…でも鈴木さんみんなに言わなかったんだな。最後までどれだけ優しい人間なんだ、、、、


…だから、こそ、行かない事も優しさなんだ。


『あぁ。行かない。それで大丈夫だ。』


「そうか?それで木戸がいいなら。私は構わない。1人で駅に向かう。時間取らして悪かったな。」


『ああ。』


シオンヌが家から歩いて、離れて行く。


オレは部屋に戻った。


勉強机に向かうが落ち着かない。


…なんだよ!


…どうにも出来ないだろ!


…会えないんだから。


机にペンをカチカチ押しながら無駄に貧乏揺りが止まらなかった。


「貴光!ただいま。あなたに手紙が来てるわよー。」


…なんだ?誰から?


『今行くー。』


貧乏揺りを辞め、椅子をくるっと回し立ち上がり、


1階に降りた。


【リリリリーン】


電話が鳴った。


「貴光!それ、手紙!電話お母さんが出るから。はい!もしもし、木戸ですが、、、。」


…この字鈴木さんの字じゃんか!


急いで封筒を開けた。


中からハート型のドッグタグ2つと、手紙が出て来た。


〜〜〜〜〜〜〜〜


木戸君へ。


今までありがとう。


大好きでした。


鈴木 美樹


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『くっ!鈴木さん。あの夜、あんな暗い中1人で田んぼの中をドッグタグ探したのかよ!

しかも引きちぎったの治ってるし

気持ちが揺らぐ事すんなよ!

泣いちまうだろまた。』


「貴光。あんたに受験した学校からだって。」


『えっ?』


オレは電話に変わった。

そして学校の人と話した。


『母ちゃん、、、1人急遽、入学を取りやめる人がいて、、、オレ、、、オレ、、、、学校いけるって。努力無駄にならなかったよ。』


「本当によかったわね。」


『母ちゃん!オレ行かなきゃ!』


もう理屈より感情で動いていた。


会って大好きだ!未だに大好きだ!嫌いになった事なんて1秒も無いなんて言えないのはわかってる!


でも最善の方法は家にいる事じゃない!


そう思い家を飛び出した!


「いってらっしゃい!唐揚げ用意して待ってるわね。」


オレは靴もかかとを踏んだままチャリを出して、シオンヌが駅に歩いて行った方向へダッシュで漕いだ!


…開けてくれた。


…また、閉まりかけた運命の扉を!


…いつもなんで、こんな素敵なんだ!鈴木さん。


…神様オレが今しようとしてることがわかりますか?


…もしダメなら頭痛を起こしてくれれば、やめます!


…わかってる会えないのは。


…影から見えない位置で電車を見送る位なら大丈夫かな?


…開けてくれたんだ、鈴木さんが。


…せめて、見送りくらいしたい!


『鈴木さん!必ず4年後会いにいくから!!』


ダッシュで、シオンヌを追った。






…いた!!



『シオンヌ!はぁはぁ待ってくれ!おまえに、、はぁはぁ頼みたい事がある!』


「どうした?大丈夫か?」


『すまんがこれ、、、落ちてたって言って渡してくれ。』


鈴木さんが買ったドッグタグの方をシオンヌに手渡した。


「自分で渡せばいいじゃないか?」


『色々ややこしい事情があるんだ。でもこのシオンヌが渡す行動は、シオンヌが光に告白したのと同等の価値がオレにはある!必ずオレから貰ったって言うな!オレは訳あって会いに行けない!だから昨日最後のお別れはすましてる!シオンヌおまえにしか頼めない。落ちてたの名前が書いてあるから拾って持って来たと言って鈴木さんにかけてやってくれ!それだけでいい!たったそれだけでいい!オレは会いに行けないが近くの陸橋から電車を見送る!必ず、オレが来てる事と、オレが持ってきたって事は言わないでくれ。やってくれるか?』


「木戸おまえには借りがあるからな。詮索はしないが、それで、木戸が将来このシーンを振り返って、最高の結果と言えるんだな?」


『シオンヌ!オレが言った事さえ守ってくれれば、オレは何年後もこの行動に感謝しか感じない。』


「わかったまかせてくれ。」


『頼んだぞ!これは2人だけの秘密だ!光にも響にも、鈴木さんにも言わないでくれ。』


「大丈夫だ。」


オレはがっしりシオンヌと握手し想いを託した。


そして、駅から離れた場所で、電車を待った。


そして時間が流れホームに電車が入る。


夕日が眩しい。


こっちから電車をみたら夕日で明るいが、


電車からこっちの陸橋をみたら、逆光で黒く誰かがいるくらいしかわからないはずだ。



駅の方で小さくだが、シオンヌがドッグタグ渡してハグしてる様な光景がなんとなく見える。


【ジリリリリリリリ】


電車の扉が閉まり、


電車が走り出す。


1秒1秒こちらに近づいてくる。


おれは洋服の中にある。


ドッグタグを洋服越しに握った。


オレの人生の点と


鈴木さんの人生の点、


本来交わる事が無かった点が、


ひょんな事から合わさり、


7ヵ月同じ方向に一緒に動いていた。


しかし運命は儚く、この点同士は別の道を歩まなくてはいけないと決まっていた。今日その点同士がここから離れて行くのがここからわかる。


ここ陸橋が2人が別ルートを歩き出す出発点だ。


電車の窓際に、鈴木さんが立っているのが見える。


安牌なら、隠れなきゃいけないはずだったが、立ったまま、胸のドッグタグを握っていた。


オレの陸橋の、下を電車が通過していって、鈴木さんを目で追っていた先、


確実に目があった気がした。


それでも目をそらさなかった。


その時、鈴木さんの胸元が夕日に当たりドッグタグに反射した光がこちらに届いた。


…鈴木さんつけてくれたのか?


…シオンヌちゃんとやってくれたんだな。


『絶対みんなな点を繋いで、必ず、ジュンとマイミの結婚式に全員、鈴木さんも含めて笑って連れて行くから!』


あれだけ電車が離れてるとどんなに叫んでも聞こえる訳もなく、

ましてや逆光で口が開いていることすらわからないはずだが、考えるより前に、声が出て電車の鈴木さんに向けて叫んでいたいた。


2人は2人が見えなくなるまで手を振るとか何もそういった行動はしなかった。


そもそも向こうからこっちは逆光で誰だかわかっていないわけだから。


そして、7ヵ月一緒に行動した鈴木さんの点が、暗闇の方へ、電車が運び

オレは夕日の方へ、歩き出した


今日、たった今!分岐した。


…4年後お互い高校生だな。


…オレはやるよ!


…弁護士になる。


…そして、もう1度あって、お互いのドッグタグを交換するまで、女と話す事はあったとしても、彼女は作らないし、キスもSEXもしない!


…償いじゃないけど、それくらいするよ。オレの決意表明だ!


オレは電車の中で光った!鈴木さんドッグタグと、オレの胸にかかってるペアールックのドッグタグに強く誓った。


電車が見えなくなり、夕日が眠りに入り闇が街を覆い被そうとしていた。



オレは1人で陸橋を降りていた。


『シオンヌ、光、響、、、、。みんなどうして。』


「詩音さんが、多分辛いから迎えに行こうって、、、。」


シオンヌが寄って来た。


「大丈夫だ。何も言ってない。もうお別れは済ましてあるがどうしても、見送りがしたいから陸橋に来てると今、言ったばかりだ。おまえが辛いんじゃないかと思って、ダメだったか?」


…光、響がオレが陸橋にいた事を鈴木さんに言う事は無いだろう


…シオンヌが鈴木さんに言わなかったら大丈夫だろ?この2人同士しか連絡を取れないし。


『いや、そういう、優しさ嬉しいよ』


「タカたくさん泣いたのかよ?」


『そりゃ、泣くだろ?同じ学校に行く予定だったのに、引っ越すの知ったの昨日だぜ、、、。』


「そうか、、、。悲しかったらみんなでバスケしようぜ!悲しい時はみんなで遊ぼう。シオンヌもいるから前より楽しいぜ。絶対。」


『響、、、。』


「タカ、学校は受かったの?」


『ああ!大丈夫だった!4月から、そこの生徒になる!』


「おめでとう。」


光に抱きしめられた。


「あれだけ頑張ったもんね。彼女が急に引っ越して、学校まで落ちてたら、なんて、声かけていいかと思ってたんだ。やっぱりなるんだ、弁護士に。」


『そうだ!オレは弁護士になる。光』


「そうかぁ。じゃあ、今は鈴木さんが引っ越して辛いだろうから、毎日卒業するまで、4人で遊ぼう。オレらがいたら楽しいよ。オレも、タカが勉強始めて前ほど遊べなくて寂しかったし、鈴木さんを思い出しても会えなくて寂しくなるから、それの寂しさを忘れるくらいいっぱい遊ぼう。」


『光、、、。本当っ、、おまえって、、、。』



「木戸ちょっと来い2人はそこにいてくれ。」


オレはシオンヌに連れられ、光と響に話し声が聞こえなくなる所まで移動した。


「木戸。私の役割は果たしたぞ。」


『ああ、わかってる。夕日の光で確認出来た。』


「初めはいらないって言っていたんだ。でも、無理やり首に掛けてやった。なんか凄く困った顔で、ネックレス見ていた。」


『ありがとう!いずれ、そのネックレスがオレと鈴木さんを助けると思ったから、シオンヌに頼んだ。』


「すまないな。光と響に言って呼んで来てしまって。私は私なりに考えて、木戸を私の立場で鈴木さんを光君の立場で考えたら、1人で帰るのは辛いかなと思ってな。」


『ああ!ありがとう。その通りだ。いつもみんなに助けられてる。実は弱いんだオレ。でも今は自分が弱い事にちゃんとわかってるから、前ほど弱くはないよ。シオンヌ今度公園でフリースロー対決しようぜ。』


「ああ一向に構わない。」


『学校の体育のゴールより高いけど大丈夫かよ?』


「むしろ望む所だ。」


『わかった!じゃあ卒業まで4人で遊ぼうぜ!シオンヌおまえがいてくれて、よかった今日は助かった。』


「感謝される事は無いさ。友達だから。」


『シオンヌ、、、。』


やはり、オレがクソだと思っていた人生は、悲しい時は、必ず誰かが寄り添って来てくれる。


…全然クソじゃあ無いじゃないか。


…このみんながオレにして、暖かかくしてくれたこの気持ち!


…そうだ!この気持ち。


…それは希望なのかな?


…それを大人になって、みんなに返していく仕事をして、みんなを暖かかくするんだ。


オレと大事な友達4人で馬鹿話をしながら、家路に帰っていった。


でも、4人で話せば話すほど、

鈴木さんはオレがやった出来事を誰にも言わず1人で抱えて申し訳ない気持ちと、その優しさを今実体験で感じていた


多分優しいから、オレが1人になると辛い思いをするから、


あそこまで酷い事を言われても、そこまで思って、言わないでくれたのだろう。


オレはその気持ちもしっかり受け取り

今4人でいる。


こうして、秋葉原から4年前に飛び、1日鈴木さんと話をして、更に4ヵ月を過去に飛び

そこから、7ヵ月彼女になってくれた。優しい鈴木さんとのオレの物語は幕を閉じたのだった。











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