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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
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51話

頭が少しだけ痛い。


頭痛の事すら忘れていた。


頭痛が朝の夢を、嫌でも思い出させる。


我慢出来ないほどではなかった。


帰りのホームルームが終わりバレンタインの学校行事が終わった


『光帰ろうぜ。』


「えっ?タカ今日兎小屋掃除しないと、、、。」


…そうだった自分でそう言ったんだった。


『あー!あれ無し!明日で大丈夫になった。光も肩貸してやらなきゃいけないから早く帰らなきゃダメだろ?』


「誰に?」


『もちろんシオンヌだよ!光おまえが怪我させたんだから、家まで送るんだろ?』


「あっ、そうか?」


響、鈴木さんもオレの机に集まって来た。


「光君!そこ!」


鈴木さんが教室の入り口を指差していた。


みんなで振り向くと、教室の入り口でこちらを恥ずかしそうに足首に包帯巻いたシオンヌがちょこんと半分だけ顔を出して見ていた。


『あれっ見てみろよ!さっき公開告白したシオンヌと本当に同一人物かよ?光待ってんぞ!行ってやれよ!』


「わかった。」


光がシオンヌを迎えに行った。


「光いいなぁモテモテじゃんか!下駄箱にチョコいれてくれた女の子オレにくれよ!」


『響!そんなに焦らなくても大丈夫だって!おまえにはおまえの良さをわかって好きになってくれる人が来るって。』


「そうだよ。響君。」


「そうかな?でもなんかオレだけ、1人で寂しいじゃんか?」


オレが響の肩に手を回す。


「そんな事ねーって!オレが彼女が出来たって何も変わんなかったろ?この5人は仲間だから友達だから、何があっても友情は不滅だろ?」


光が、シオンヌの手を引き


オレの机まで来た。


「詩音さん。足痛そうだね。」


「当分バスケの練習は出来ないな。」


「ごめんオレのせいで。」


「いやそんな事、、、全然大丈夫だ。いいブロックだった。気迫が凄くて、必ず止めてやるってかっこよかったぞ光君。」


『シオンヌ普通に話せてんじゃん?』


「さっきのに比べたら話すくらい訳なくなったみたいだが、さっきの自分の行動は何年経っても、もしかしたら、一生で1番恥ずかしい経験かもしれない。でもおかげで人間として、ステップアップ出来たのは間違い無い。ありがとう協力してくれて。」


『よかったな。シオンヌ!かわいい彼女じゃんか?光。』


「そうだね。オレも幸せだよ。でも全然気がつかなかったよ。どれだけ鈍感なんだろオレ。」


『ははは。恋愛漫画読んでたのにな。オレと、鈴木さんは寺島の話をしに来た時から、わかってたぜ。』


「そうなの?じゃあ言ってよ。」


『オレから伝えたってダメだろ、そういうの、だからさ今だから言うけど、球技大会の時に賭けしてたんだよ!シオンヌが負けたら告白するって。』


「光君すまない。裏でこんなくだらない約束をしていたんだ。」


「そうだったの?詩音さんに、オレをマークつけたのもそのせい?」


『あぁ!シオンヌは光の前だと緊張して上がる特性を上手く利用して勝って2人をくっつけてやろうとオレなりに考えたんだけど、バスケ中は別人だからな!光とぶつかった時もすまないとしか言わないシオンヌを見て、こりゃやっちまったと思ったよ』


「正々堂々とやっていた方が勝つ確率があったと思うぞ。」


「オレずっと詩音さんに避けられてオレだけ嫌われてると思ってて、だから、詩音さんにマーク付けって言われたとばかり思ってたよ。」


「恥ずかしかったんだ。後私は、ずっとスポーツばかりやって来た女だから、話し方とか男っぽいだろ?だから嫌われたら嫌だなっていうのもあって、考えていたら話せなくなっていたんだ。自分のコンプレックスに自信が持てなかったんだ。」


『でももう大丈夫なんだろ?』


「あぁ!私はみんなと頑張って友達になってよかった!今日自分が取った行動は今も顔から火が出るくらい恥ずかしいが、木戸が言った通り何10年経って、思い出した時には多分自分で自分を誇れる事が出来たと思えると思う!後は木戸と鈴木さんだな。結果2人とも受かってる事を祈ってる!」


『あぁ!みんなハッピーエンドだといいな!』


「木戸君!あれだけ頑張って勉強したんだから、自信持って大丈夫だよ!」


『クラスも誰もいなくなったし帰るか?』


「タカ、光、今年もオレチョコ貰えなかった!」


『これ以上太ると、響の事を好きな人が困るからあげなかったんじゃね?』


「なんだよ!それ慰めにもなってねー!」


笑いながらみんなでランドセルを背負い、クラスを後にして、下駄箱で靴を履き替え校舎から出た。


『ちょっとオレ鈴木さんと話があるから、先帰ってて。』


「木戸告白でもするのか?」


『もう付き合ってるのに、そんなの必要ねーだろ。』


「ははは。痛っ!」


『ほらっ!光!彼女痛がってるぞ!ちゃんと家まで送ってあげるんだぞ!』


「わかってる。詩音さんつかまって。」


「すまない光君。」


「じゃあうちら3人は先帰るよ。」


「タカ落ちてても泣くんじゃねーぞ!」


『大丈夫だ!じゃあまた明日な。』


シオンヌが光の肩に手を回し、3人が帰って行った。


『ちょっとあそこに座ろうか?』


「うん。」


オレらは、校庭でよく校長先生とかが昇って話す台に座った。


静かな校庭だ。ほぼ人がいない。


『話って?』


「うん。あのね。新しいお父さんが私と合わないの。色々。」


結構重い内容だった。


…今まで散々助けて貰ったんだ!


…オレが力にならなくてどうする!


『もう一緒に住んでるんだっけ?』


「うん。お父さんは私なんか邪魔みたい!でもお母さんは私の味方をしてくれていて、こないだ喧嘩してたの。」


『かなり精神的にやばいのか?』


「そこまでじゃないけど、私のせいでお母さんと新しいお父さんが喧嘩するのは嫌だなって。」


『もし、学校受かったら寮に入ったらどう?オレも受かったら母ちゃんに相談してみるし、勉強も出来て、いいんじゃない?』


「その方がいいかな?」


『そしたら、長い時間!オレと話せるよ!』


「凄いねそれ!最高かもしれない!お母さんに相談してみる!きっといいって言うと思う。いや絶対言う!ありがとう。」


鈴木さんが座りながら抱きついて来た。


『ははは。でもお母さんに会わずにオレとばかりいるようになるよ?もちろん男子女子は寮別って書いてあったけど。』


「側にいてくれるだけで、心強いよ。多分だけど、木戸君がいてくれれば不安もなく進める気がする。いつまでもいてくれるかな?私の側に」


『あぁ!いるっていつもいってんじゃん!』


「その言葉が今の私の精神安定剤なんだよ。私に救われてるっていうけど、私も充分救われてるんだよ。いるだけで大丈夫。元気たくさん貰ってる。恋人って本当いいね?」


…やべー頭いてー!


『鈴木さん!ヤバイ少し頭痛い!』


「大丈夫?今日の、集まりやめる?」


『いや行く!今日あの場所に行かなきゃ!じゃとりあえず1度帰ろう!』


「具合が悪かったら延期の電話してね。」


『わかった。』


オレらは校庭を出て、光の家の前で別れた。


…初キスしたのもあの場所だけど、


…未来を変えに来る前、そう、本当のオレは、あの場所に家から呼び出され、鈴木さんと向かって、


…オレはあの場所で言ったんだ気持ちわりーんだよ。メガネブスって。


…だから、あそこには、2つの因縁があるから行かなきゃ行けない!


…行かなきゃ行けない気がする!


…たとえ、学校が不合格でも、鈴木さんを好きな気持ちを改めてあそこで伝えて、2人が分岐してかない未来に進むんだ!


…なんなんだこの頭痛は!


…受かっていたとしても、学校に行っちゃダメってことなのか?


…でも今日まで、毎日毎日夢の頻度が正確になって来て今日!夢をはっきり見ちまった。


…そういう事なのかもしれない!


…悲しむかな?鈴木さん。受かっていても、学校に行けないって嘘つく事になるとしたら。


…なんでかわからないけど、とりあえずなんかある!確実に!


…今までの夢と頭痛がなんとなくそう言ってる気がしてしょうがない!


…せっかく受かった学校を諦めて、普通の学校に行って、また、悪友と友達になって腹切る未来を歩まないと、行けないのか?オレが望んだ未来に!


…青神様教えてくれ。


…オレの死ぬくらいの努力は無駄だったのか?


…もし、受かったのに、行かない選択をしたら、足を動かないハルねぇはなんの為にオレに受験票を届けた?


…行けない理由を周りのみんなになんて説明したらいんだオレは。


…そういう事なんだろ青神様!


…自分勝手に未来を変えようとし、ハルねぇの足まで動かなくしといて、学校に行けませんなんて。


色々考えても、どうしたらいいかわからないまま、


オレは家に着いた。ポストを見たら入っていた。


入試の結果が。


オレは封筒を取り、部屋に入り、封筒を机にに置いてベッドで横になった。


集まる時間はPM7:30


まだ時間があったので頭痛を抑える為にゴロゴロしていたら、


眠りに落ちた。



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