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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
188/534

46話



2013年 2月14日 木曜日 AM7:45


『うわーーー!』


やはり飛び起きた。


夢を見た。


でも今までと違う。


今日の夢は映像があったのだ!


…頭が痛えー!


頭痛が酷い!


…なんなんだあの夢は!


…オレがジュンになって、


…でなんであいつに斬られる?


…なんでだ?おかしい!そんな訳ない!


…そこの未来と今は関係ないはずだ!


…意味がわからねー!


…結局そこで、ジュンが負けるとオレが望んで開いた本の未来に行けないって事か?


…なんなんだ!中学を諦めればいいのか?弁護士になる未来を諦めれば異世界での未来は普通に戻るのか。


…しかし、なんであの夢に、あいつがいなかったんだ?



…わけわかんねー!!


…頭も痛いし!


…学校に行けないほどじゃないから行くか?


考えてもわからないし、誰にも相談出来る内容じゃないから、頭は少し痛かったが起きた時ほど痛くなかったので、とりあえず学校に行く事にした。


頭痛は少しずつ時間が経つと引いていった。



この時間に家を出ると、必ずみんなと通学路で会う!


『オッス響!』


「タカおはよ!いよいよ今日だな!」


『それはバレンタインか?オレの入試の結果か?』


「両方だよ!オレがチョコ貰えて、タカが受かれば最高じゃね?」


『いや!響がチョコ貰うのは別にどーでもいいけどな!』


光が歩きながら合流して来る。


『オッ!光!』


「タカおはよー。今日だね。」


『それ響にも言われたわ!それバレンタイン?オレの結果?』


「もちろんタカの結果だよ。」


「光どうせチョコもらえないからだろ?」


「響。オレ去年も一昨年も大好きって手紙付きでチョコ貰ってるよ。」


『「マジか?」』


響とセリフとタイミングが被ってしまった。


『誰だよ相手?』


「かわいい子なのか?光。」


「それがさ、名前書いてないんだよね。しかも2年間同じチョコでメッセージも大好きって書いてあるだけなんだよね。いったい誰なのか、貰った日はいつも、モヤモヤして寝れないよ。」


オレは光の肩に手を回した。


『今日は手渡しで貰えればいいな。』


「そうだね。オレ達も小学生は最後のバレンタインだもんね。」


「木戸君!」


校門まで来たら、後ろから呼ばれる声が聞こえた。


『おー!鈴木さんに、シオンヌ!遅かったな。』


「家を出るの2分遅れて、光君の家の前で合流出来なかった。」


『そっか。まぁそういう日もあるよな。』


「チョコの用意でもしてたのか?2人共。」


「響!おまえは、そのKYを治さないと中学にいっても、ずっとチョコなんて無縁の生活になるぞ!」


「シオンヌ。それじゃまるで、今日オレが1個も貰えないみたいじゃね?」


「いや!まるっきりその物ズバリの発言のつもりだが?」


「タカ、シオンヌが夢も希望もない事いうー!。」


「タカ。相談があるんだ。」


光が、みんなの前で口を開いた。


「あのさ、オレにチョコくれる人ってさ、必ず昼休みに下駄箱にいれるんだよ。」


『ほー!それで?』


「あのさ、オレ恥ずかしい話なんだけどその大好きって紙恥ずかしげも無く2年も大事に取ってあるんだ。」


『うん。』


「で、なんかめっちゃ恥ずかしいんだけど、顔も知らない相手に恋してるんだ。落ち込んだ時とかその紙から元気を貰ったんだ。見てこれ。」


光が財布を、あけた。


「この紙2枚!オレこのたった、大好きって書かれた2枚の紙に結構助けられたから、昼休み下駄箱をはってチョコ入れてくれた人に告白したい。」


『だってみんな!協力するぜ!』


「もちろん!光オレも手伝うぜ」


周りを見渡すと1人100度の空焚きしたヤカンのような人間がいる!


『女子達も手伝ってくれんだろ?』


「私は手伝っても構わないけど、、、。」


「いやいや、もちろん私も、、、手伝いますです。」


『シオンヌどうした?言葉が変だぞ!』


「ちょっと朝から熱っぽいだけだ!具合悪いから先に失礼する!」


シオンヌがすたすた下駄箱の方へ早歩きで、行ってしまった。


「詩音さんたまにあんな風になるよね?風邪かな?大丈夫かな?」


…おまえのせいだよ!


…恋の病の酷い版だ!


…まるであれじゃ告白じゃねーか?


…小学生の最後に恋の花咲かせてやりますか?


『わりぃ!光、響、先行っててくれ。鈴木さんと新しい中学の事で聞きたい話がある。』


「わかったタカ。教室に行ってるね。」


「授業遅れんなよ!」


光と響が、下駄箱で上履きに履き替え教室に向かって行った。


『鈴木さん!』


手招きで、よんだ。


「どうしたの?」


『さっきのやりとり見てた?』


「見てた。詩音さん見たらちょっと胸キュンしたよ。」


『今日が最後のチャンスだと思わね?』


「そうだね。あの日木戸君が球技大会に勝ってたらもう付き合ってたのにね。」


『あれはしょうがない!作戦ミスだった!どうしたらいいと思う?』


「詩音さんから告白させるのが1番なんじゃないかな?」


『休み時間作戦取りにいける?シオンヌ、光がシオンヌの事言ってるの気がついてるからシオンヌも今日しかないって思ってるはず』


「わかった2組に行ってくるね。それで木戸君に伝える!」


『なんか楽しいな!これぞ学生って感じがする!』


「そうだね。知って貰おうよ。恋愛の素晴らしさをあの2人にも。」


『じゃあ小学生最後の魔族一家の活動だな。』


「絶対くっつけようね!」


『もち、あたりきっしょ!』


オレらは2人でどうしたらいいか作戦を練りながら教室に向かった。


楽しい出来事に、


頭痛はいつの間にかおさまり、


ワクワクする感情に、頭痛があった事すらこの時忘れていた。

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