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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
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42話

9時頃に担ぎこまれた木戸 遥って人はどこにいるか聞きその場所に向かった。


鈴木さんは、オレの左後ろでワイシャツを、引っ張りながらついてきていた。


そして、部屋の前まで来た。


どうしても病院の扉の前に来ると思い出してしまう。


ジュンとケンスケの悪夢を、、、。


開けた途端顔に白い紙が乗っている恐怖が、膝を震わせる。


『わりぃ。手を握っててくれないか?ちょっと色々あって、キツイんだ!色々、、、。色々、、、。』


「大丈夫私がついてるよ。木戸君。」


『ありがとう。開けるぞ。』


【ガラガラガラガラ】


『ハルねぇ!』


「タカ。心配かけちゃった?」


『なんだよ無事なのかよ。マジ最悪な事まで考えちまって、、。』


「タカ私は生きてるよ。タカ受験はどうだった?」


ホッとした、鈴木さんの目にうっすら涙が光っていた。


『ハルねぇのおかげで、バッチリ出来たはず!』


「そうかぁ。それは、、よかった、、、。よかったよタカ、、、。」


「うっ、、、、うっ、、、、。」


『なんだよ!そんな2人して、嬉しくて泣いたりすんなよ!ましてや母ちゃんまで泣くなよ、あれだけ勉強したんだぜ、これからは人を助ける道に進むんだ!』


「タカ、、、私は、、、車にひかれて、、ドブみたいな、、、排水溝に、、、落ちたの、、、、。」


『ハルねぇ??』


「なんかね、、、打ち所が悪かった、、、みたいで、、、」


そういうとハルねぇが布団をどかした


『ハルねぇ!!』


「片足動かなく、なっちゃったよ、、、タカ、、、。」


『折れたのか?ハルねぇ。』


「いや、タカ、、、もう2度と、、、歩けない、、、かもしれないって、、、、言われた」


そこには悲惨な姿の足があった


『うわーーー!!ハルねぇ!!嫌だ、、、。そんな、、、オレのせいじゃないか、、、オレが、、、受験票、、、忘れたせいだ』


「貴光!」


『もう、嫌だ!そんなのばかり!オレの周りではそんなのばかり!なんで、、、オレばかり、、、』


「タカ、、、。あなたのせいじゃ無いよ。」


『ごめんハルねぇ!ごめん。』


そういうと病室を飛び出した。


「木戸君。」


病室から鈴木さんの声が聞こえた。


どうやら本当にオレは弱いらしい。


母ちゃんが言った通りの人間だ。


…大丈夫だハルねぇオレには、スキルの本がある!


…まだ、1回使える


…後1回を4日のR96の方を使えば、ハルねぇを、、、。


オレは走った。チャリに乗るのも忘れて、走った。


家を目指し走った!


息も切れ、足も痛んでいたが、この世のおわりってくらい走った。


そして着いた。


オレの家に、


…ハルねぇ。今助けに行く!


…待っててくれ!


…オレの姉ちゃん!


…いつもオレを面倒見てくれた姉ちゃん!


…何も恩返し出来てないんだ!


…そんなハルねぇに、オレはなんて酷い事。


…マイミと同じような状態をオレのせいでハルねぇにさせちまった。


俺は机の前まで来た。


そして机をあけて、スキルの本を引っ張り出した。


『ハルねぇ!待ってろ!』


そして、オレはスキルの本を触った瞬間だった。



““““キッド。あなたは今これを開けてはいけません。””””


頭に声が聞こえる


『青神様か?聞いてくれ、オレのせいで、ハルねぇの足が、、、。』



““““よく聞きなさい。あなたは必ずこのスキルを使わなくてはいけない未来が来ます。””””


『何言ってる?ハルねぇの足が、、、足がもう動かないかもしれないんだって、、、。嫌なんだって、、、もうこれ以上オレのせいで傷つく人を見るのは嫌なんだって!』


““““キッド。あなたがこれを使うとこの先、一生後悔します。””””


『いやいや!青神様、それじゃ、ハルねぇの足は治せないじゃないか?』



““““あなたの為です。本はその時までロックします!””””


『やめろー!!オレは、、、ハルねぇ、、、を、、、救わなきゃ、、、、救わなきゃ、、、いけないんだって』


オレは強引に本を開こうとしたが、

ビクともしなかった。


『青神ー!てめぇ!燃やしてやるぞ!こんな本!』


““““キッド。これはあなたが選び進む歩む新しい未来です。遥はそういう運命のルートに乗っただけです。本を燃やしたらジュンは助かりませんよ!あなたはジュンからの声が聞こえなかった病院に戻り、マイミと病院から飛び降り死にます。次期、ケンスケは昏睡状態から死に、レイも自殺します。そのルートの未来に戻るのですよ。それでも燃やしますか?””””


『くっ!じゃあどうしたら、いんだよ、、、。』


““““運命を受け入れるのです。””””


『無理だ』



““““大丈夫です。遥は立ち直れます。私を信じてください。人はどんな形でも生きていれば幸せになれます。マイミを思い出してください。手が動かなくてもいいから、ジュンに会いたいと待っています。死んだら終わりです。キッドあなたは救うのでしょう?みんな何も犠牲無しで行くなんて無理です。あなたが入学出来れば、誰かが落ちるのです。その人が絶望し自殺したら、あなたは責任を取るのですか?みんなこのルートの運命です。あなたの本を開いた時に願った未来に向けて頑張って運命を受け入れて歩んでください。1つ言っときます。この先こんな悲しみより壮絶な苦しみが必ず訪れます。それでも、みんなが待ってる事を忘れず頑張ってください。キッド、マイミ、ジュン、ケンスケ、レイの命はあなたにかかってます。””””


『青神!!』


『青神!!』


『青神様、、、。こんなんじゃ、4年なんて持たねーよ!持つわけねーだろ?』


「木戸君!!」


外から鈴木さんの声が聞こえた。


オレのチャリに乗り追っ掛けてきたらしい。


オレは燃やそうとしていたスキルの本を机にしまい鍵をかけて、家の外にいる鈴木さんに会いに外に出た。



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