41話
PM 3:00
【ガラガラガラガラ】
『母ちゃん!帰ったぞー。』
「お邪魔しまーす。」
『なんだよ母ちゃん全部やりっぱなしで、こんなんでパーティ出来るのかよ?』
「木戸君!大変!これっ」
鈴木さんが渡してくれた紙には、
遥が事故にあったから、××病院にいますという書き置きだった。
『鈴木さん!母ちゃんから不在来てたの何時になってる?』
「9時。」
『オレに受験票を届けた帰りか?』
「木戸君今木戸君のお母さんに電話してる。」
急に不安になった。
これが歴史を変える代償なんじゃないかと。
オレが幸せになろうとしたら、
その分誰かが不幸になるんじゃないかと。
オレの心の傷がオレを闇へと引きずり下ろす。
…嫌だ!
…オレのせいで、周りの人が辛い思いをするのが嫌だ!
…そんな未来なんか望んでない!
…嫌だよそんなの。
「ダメ。繋がらない。」
『行こう病院に!チャリ出してくるから外で待ってて。』
外に飛び出して、チャリを引っ張り出した。
『乗って!』
鈴木さんを乗せて、病院へ全速力でペダルを、漕いだ!
後ろに乗る鈴木さんは終始無言で
捕まる手が震えていた。
家では衝撃の書き置きの内容に買って来たホールのケーキが、床に落ちグチャグチャになった。
…なんでそんなケーキのイメージが頭に浮かぶ!
…いい加減にしろ!
…んな訳ないだろ!
…気をしっかり持て!
…恩返しするんだろ?ハルねぇに!
…そんな訳ねーんだよ!
…鈴木さんなんとか言ってくれよ!
…いつもオレを導いて励ましてくれたのに、なんで、、。
…なんでオレを掴んでる手が、、。
…手が震えてるんだよ、、。
…やめてくれ、何かあったら、オレは立ち直れない、!
…無事でいてくれ。
めっちゃ漕いで病院に向かって
病院に着いた。
『ハルねぇ!』