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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
181/534

39話

2012年 12月23日 日曜日 AM7時


ついに入試の日を迎えた。


…よし、今までの5ヵ月をぶつける日が来たな!


オレは着替えて外に出た。


『鈴木さん待った?』


「全然待ってないよ。朝は寒いねー。一緒に行こう。」


『行こう。』


オレらは手を繋ぎ駅まで普通なら30分の距離をゆっくり歩いて向かった。


試験は8:45分開始だ。


電車で6駅乗った結構栄えてる市内の駅降りてすぐの学校だ。


「どう緊張してる?」


『大丈夫かな。でも受からないと鈴木さんのお母さんに認めて貰えないからさ。頑張らないと。』


「お母さんあんな事言ってたけど、もう大丈夫だよ。木戸君が頑張ってるの見てたし、もうあんなに仲良しじゃない。お母さんももう認めてくれてると思う。」


『でも、あの時約束したからな。もしそうだとしても、どうせなら、2人受かって、オレの実力で認めさせたいじゃん?』


「そうだね。でも認めてもらう為だけにやってる訳じゃないのを忘れちゃダメだよ。もし木戸君が受かって、私が落ちても、私が受かって、木戸君が落ちても、2人して、落ちてもこれだけは私と約束しよう。私達は離れて学校に行く事になっても目指す所は一緒!必ず2人で弁護士になって、一緒に困ってる人を救うって。これは私と木戸君の約束!」


『わかった。でもやっぱり将来もずっと、オレと一緒にいる気なんだな。鈴木さん。』


「もちろんだよ。木戸君は嫌なの?」


『んな訳あるかよ!死ぬまでいるよ!そして、違う道歩いても弁護士になって一緒に頑張ろう。約束だ!じゃあもう一つ離れ離れになっても、オレ以外のやつとキスするの禁止!絶対!』


オレは繋いでた手を離して小指を出した


「わかった。私達の約束!」


鈴木さんが小指を繋いで来た。


クリスマスイブイブに指きりで神様に誓った。



「小学生から、付き合って、死ぬまでいるやつなんてそんないないはずだよね絶対。』


「たまたま運命同士の2人が早く知り合っただけだって。私はどの世界でも木戸君に会いに行ってたと思う!」


…前のオレの時もバレンタインにチョコ持って告白に来たもんな!


…全然知り合わない世界にいたとしても、いつか知り合って一緒になっていたと信じたい。


…これが運命だって。


…いつも思ってる気持ちが自然と相手に伝わってくれれば、どれだけ大切に思ってるか鈴木さんもわかってくれるんだろうな。


…気持ちわりーんだよ。メガネブスなんていった鈴木さんと知り合わない小6の自分を殴ってやりたい!


…本当に。


「そうだね。でも幸せすぎるほど、お別れが来た時はすっごい悲しいよね。」


『いやオレ別れるつもりないよ。大好きだし。』


「木戸君そうじゃないよ。お別れって必ず来るんだよ。人間に生まれた以上。永遠に生きてられないんだから。」


『その事か、、。わかってる。いやっていうくらいわかってるつもりだ、、、。でも今は幸せだから鈴木さん。今の幸せを楽しもう。』


「さすが私のポジティブ木戸先生だね。その通りだと思う。」


その時、鈴木さんの携帯が鳴った。


「木戸君ママって書いてある!これ木戸君のお母さんからだよ。はいもしもし。」


「貴光一緒にいる?受験票忘れたでしょ?」


「木戸君受験票持った?ってお母さんが、、。」


『マジで?』


カバン開けてみると筆箱と一緒に置いた受験票が無い!筆箱も無かった!


『鈴木さん!携帯貸して!』


「はい。」


『母ちゃんやばい!無い!筆箱も無い』


「そうでしょ!今遥が自転車で急いで向かうから、駅で待ってて。今日は鈴木さんのお母さんとみんなでうちで一緒にお疲れ様のホームパーティになってるから試験頑張ってくるのよ。」


『わかった!』


携帯を鈴木さんに返した。


…大丈夫か?間に合うか、、?


もう駅まで目と鼻の先の場所まで来ていた。


『鈴木さん。遅れそうなら先に行ってていいよ。』


「大丈夫だよ。余裕持って来てるから後1本は乗り過ごしても間に合うはずだよ。」


『ごめん鈴木さん。』


…7時45の電車行っちゃったな、、。


…次の電車が7時58か?


…真面目にこれに乗れないとヤバイぞ!


時間が1分1分過ぎていく!


…まだか、、ハルねぇ!


…頼む!この日の為に頑張って来たんだ!


…視力を落として、寝る暇を削り、遊ぶのも控えて、やって来たんだ!


…神様!頼むよ、、!


…変わったっていいじゃんか、、。


「木戸君!来た!」


「タカーー!!!」


『ハルねぇーー!!』


「はぁはぁ、ハイ!タカ、。これっ!頑張んなさいよ!あんた弁護士になるんでしょ!」


『サンキューなハルねぇ!鈴木さん時間は?』


「7時55!後3分!間に合う!木戸君suicaある?」


『ある!行こう。』


走りながらハルねぇに叫んだ。


『ハルねぇ今度絶対恩返しすっからー』


ハルねぇが親指を立て頑張ってきなって言ってるような気がした。


鈴木さんと階段を走った。


…suica持ったな、、。


『鈴木さん!改札ダッシュ!』


「わかってる!」


鈴木さんが走りながらsuicaをタッチして、中に入る!


7時56分


…間に合う!いける!


suicaをタッチした瞬間だった!


【ピンポーン】


自動改札が閉まった。


お前は行ってはいけないとでも言ってるかのように。


『くそっ!』


「木戸君!」


『わかってる!必ず乗るから先にホームで!』


電車が来る音が聞こえ切符を、買う場所から電車が、ホームに入って来るのが見えた。


…ヤバイ!


財布から適当に金を出して1番安い切符を押した!


もうボタンを連打した!


…早く早く!早く出てこい!


【ピーピー!】


切符が先に出た!


お釣りが出て来ない!


『くっ!しょうがねー』


お釣りを放置して改札にダッシュした!


改札に向かう途中、券売機からお釣りが出て来る音がした!


改札を過ぎた瞬間、電車の扉がプシュー開く音がする!


…ヤバイ!


そして階段まで来た時発車ベルが鳴った!


【リリリリリリリリリリ】


「木戸君!」


電車から鈴木さんがオレをよんでいる!


…ダメだ間一髪間に合わない!


『鈴木さん!』


奇跡を信じて猛ダッシュで階段を下った!


…後、10段、


…後7段!いけるかも!


ベルが鳴り止んだ途端、無情にもドアが閉まってしまった。


未来へと続くはずだった扉が、


目の前で閉ざされた。






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