37話
「貴光終わったわね。」
『なんだよ、母ちゃん緊張してたのかよ?』
「いや、あの場合お母さんがガチガチに固まってたら、伝染するでしょ?緊張するわよ、お母さんだって人間だもの。ちょっと無理して頑張っていただけよ。」
『オレ母ちゃんは鋼の心臓持ってるのかと思った。』
「ないない。そんな物ある訳ないでしょ。それより貴光あなた、中学受験するの?」
『あー!実はもっとテストでいい点を取った時に言おうと思ってたんだけど言わなきゃいけない状況に今日なったから、言った。』
「何かなりたいものでも出来たの?」
『弁護士になって困ってる人を救いたい。』
「なんて、。もうお母さん嬉しくて泣いちゃいそうだわ。鈴木さんのおかげかしら。本当神様みたいな女の子ね。帰ったらお父さんにお線香と一緒に報告しないとね。」
『母ちゃん大げさだな。』
「鈴木さんに出会ってなかったら貴光はどんな未来を進んでいたのかしらね。」
…それは母ちゃんオレが16歳で腹を斬り、
…彼女が、いたぶられながら見て見ぬふりをして逃げ、
…新しく出来た友達が死に、
…その彼女と一緒に病院で自殺しようとする未来だ。
『さぁ、、、。未来なんて何もわかんねーよ!母ちゃん!未来は自分で作るんだぜ!』
「そうよね、未来はわからないから面白いのよね。さあ帰りましょもうすぐお家よ。」
…未来なんて、わかっていても楽しい事なんてねーよ!本当に
…あんな未来があるなんて、わからなければ、どれほど楽か。
…知ってれば知ってるなりの辛さがあるんだ。
…だからこそ、違う道を行くんだ!
…オレだって少しだけ幸せになる未来へ。
…そんなめっちゃ、幸せになるんじゃない、
…オレのせいで、オレの周りの人が傷つかない未来。
…金もいらない。
…ただ、心の傷が無い未来へ
…鈴木さんと進むんだ!絶対。
やっと長い1日が、終わり
家でゆっくり休んだ。
その日の夜も夢をみた。
なんの夢か起きると覚えてない夢を。
毎回悲鳴と共に起きる夢を。
過去に来て2回目の悪夢らしき夢を。
また見た