31話
「タカ自習になっちゃったね。犯人の件どうする?」
『光言うなよ!絶対。帰りあいつをぶっ飛ばす!』
「タカ本気?あいつかなり強いらしいよ。空手とかやってたはずだから。お父さんが先生みたいだし。」
『それでもオレはオレの意地を通す。鈴木さんは鈴木さんの意地を職員室でオレに見せてくれた。オレらの付き合ってるのは間違いじゃないって、はっきり先生に断言したんだ。なら、鈴木さんはもうオレの彼女なんだから、オレの彼女に嫌な事すんじゃねーって帰り言いに行く。まあ言うだけで済めばいいけど。オレが顔みたらキレちゃいそうだけど。』
「そんな喧嘩した事ないんだからタカは、無理だって。」
『光。必ず立ち向かっていかなきゃいけない時は来るんだぜ。』
「それが今日なの?」
『あー。犯人がわかった以上、オレは行く!』
「じゃあオレもついて行くよ。」
『ついて来ていいけど、オレのせいで光が殴られるのだけは嫌だから離れて見ててくれ。そして、絶対オレが負けそうになってたとしても出てこないって誓ってくれ。オレはあいつの家の側の公園で張って帰ってくるの待つ。』
「だったら、手紙を書いてこないとバラすぞみたいに呼び出せばいいんじゃない?」
『手紙か、、、。』
…なんかデジャブ感があるな。
…あの時も谷口をそんな手紙で呼び出したんだよな。
…で、ジュンが死んでケンスケが意識不明になったからな。
…しかも寺島も強えーやつなんだろ?
…ほぼ状況が一致するじゃねーか?
…まあでも小6の呼び出しで死ぬ事はないだろ?
…未来を変えるんだ。ここから同じような状況でも越えて自信つけていかないと、未来なんて変わる訳がねぇ!
…なんかここで負けたら全部が変えられない気がする。
『やろう!光!その計画乗った!手紙で呼び出す。』
「じゃあタカ調度いいよ。今3組体育でしょ?今のうちに手紙書いて机に放り込んできたら、ベストじゃない?」
『さすが参謀、自分の恋愛以外は完璧だ。』
「タカなんの事?」
『まあ気にすんな。手紙じゃねーな。脅迫状でもない、果たし状だな!』
「はい!ノートの紙。ちょっと待って今手紙の形になるように折るから。」
器用に光が、ノートの紙を手紙に見えるように折ってくれた。
『さすが光すげーな。恋愛以外は。』
「さっきから何それ?まるで恋愛は全然みたいじゃん。タカここに果たし状って書いて、開いたとこに文を書くんだよ。」
『なあ、はたしじょうってどう書くんだっけ?』
「こうだよ。」
『よし。』
オレは寺島が必ず来るように文を書いた。
『書けたぞ。』
「これは絶対来るね。」
『こなきゃ、鈴木さんを諦めることになるのと一緒だからな。完璧だ!』
果たし状
鈴木さんが好きなら卑怯な事しないで、オレを倒しに来い!来ない場合お前の気持ちはその程度で、卑怯な事しないと、オレに勝てないチキン野郎って事を、鈴木さんにバラす!
17時 ××公園で待つ
鈴木さんの彼氏 木戸
「でもこれ挑発し過ぎじゃない?果たし状って言うより半分脅迫状だよね?」
『ムカつきながら書いたらこうなっちまった。』
「ははは。タカらしいかな。じゃあオレが今から放り込んで来るね。」
『わりぃ、頼むわ!』
光が教室を出て行った。
…空手か、、、?
…喧嘩3段くらいのオレがどれだけいけるかだな。
…これが、未来を変えて、鈴木さんと同じ学校に行く新しい人生の初めての試練だな。
…越えてやる!ぜってー!
…のしてやる!ぜってー!
…まけないぞ!ぜってー!
光が帰ってきた。
「バッチリだった。」
光がVサインしながら、席についた。
『よしっ!時間あるからな。』
「サンドバックでも、、、」
『勉強しよう。』
「えっー!」
周りがみんなこっちを見ている。
鈴木さんと響もこっちを見ていた。
『光!声でかい』
「いや誰でも驚くでしょ。どうしたの?頭でも打った?」
『オレさ、鈴木さんと同じ中学に行こうと思っててさ、勉強しないといけないんだよ!』
「タカそれは恋のせいでそうなったの?」
『まぁそんな感じだ。』
「いいなぁ人生が変わる恋がオレもしたいな。」
『光彼女出来たらオレよりバスケが上手くなると思うぜ。そして口が悪くなる。』
「なんで?バスケ?勉強じゃないのオレは?しかもバスケ限定?」
『光おまえがそんなやつでオレは嬉しいよ。』
結局勉強もあまり手に付かず、
手に付かずというか、光と話していて、5時間目が終わり、6時間目も終わった。