29話
職員室では先生の質問の嵐だった。
とりあえず手を離しなさいと言う先生の言いつけを鈴木さんは断固拒否。
何が悪いのか?
キスの何が早いのか?
みんな鈴木さんの言い分に目を丸くしていた。
そりゃそうだ。今まで学年1の優等生。みんなのお手本の鈴木さんが先生に、くってかかっているのだから。
先生がオレを睨んだ。
オレにはわかった。
その睨んだ意味が。
お前と仲良くなるようになったから、あの鈴木さんがこんな風になってしまったんだ!この馬鹿野郎が。
の睨みだろう多分。
結局、先生も、鈴木さんも折れる事は無く、先生は保護者に連絡する!となり、構いませんとの鈴木さんのセリフで、職員室の話は終わった。
「なんで、みんな小学生でキスしたらいけないって言うの?何がそんなにいけないのかな?私が今中学2年生の勉強してるのはいけないって言わないのに、、、。」
『鈴木さん凄い剣幕でオレでる暇無かった、、。オレも別に全然いいと思うけど、みんな鈴木さん頭いい優等生だから、オレみたいのと付き合ってバカになったら大変って先生も心配してるんじゃん?』
「そんなのみんなの勝手なイメージよね。おかしいよ。人間なんてずっと一緒じゃないのに。私はそんなの気にしないよ。ただ多分お母さんには怒られちゃうかな?」
『厳しいって言ってたもんね。』
「うん。お父さんと離婚してるからね私のお母さん。なんでかよく聞いた事ないけど。」
『鈴木さん。それオレなんかと付き合ってるのバレたら鈴木さんもまずいし、オレもめっちゃ気まずくね?』
「じゃあ木戸君。私のお母さんが別れなさい!2度と会うなって言ったら、別れて、2度と会わないの?」
『そんな事は無いけど。』
「でしょ。恋は人を狂わせるとか、人を変えるってよく書いてあったりするけど、本当だなって思う。初めてお母さんに反抗する事になるかもしれない。それでもいいの。それだけ大事だから。今は木戸君が。」
『オレめっちゃ愛されてるのわかるよ!鈴木さん。』
「そうだよ。1年片思いだったんだから。それに私と全然違うタイプだから、付き合うとか天地がひっくり返ってもないと思ってたし、まさかそんな相手とキスするなんて、夢みたい本当に。」
『鈴木さん、キスとか声が、、、、。みんなに聞こえちゃうよ。』
「私は何も恥ずかしい事なんてないもん。」
…恋する鈴木さんはスターマリオ状態!まさに無敵だな。
…こんなルンルンみたいな鈴木さん想像出来なかった。
「でも木戸君!私は黒板くらいなんて事ないし、先生に呼ばれるのもなんて事無いけど、私達を妬んでる人がいるのは事実でしょ。これからも続きそうだよね。」
『だな。別にやられたからって、そんなオレはなんとも思わないけど、鈴木さんは大丈夫?』
「大丈夫!こんなの負ける訳ないよ!木戸君が大丈夫なら私も大丈夫!でも誰がやったか手がかりが見つかればいいね。」
『そうだな。聞き込みした光と響に聞いてみようぜ!』
オレと鈴木さんは職員室から音楽室の間話をしながら向かい、
20分ほど遅れて音楽室に入り音楽の授業を受けた。