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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
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27話


『なんだよ!これ!』



「タカこれ、事実なの?」


光が耳の側でコソコソオレに聞いてきた。


この光との会話は多分今側にいる4人にしか、聞こえないようにきいていたんだと思う。


『あー!事実だ。オレと鈴木さんは付き合っている。』


「タカじゃあ、あの書いてあるキスって?」


『あー響!あれも事実だ!』


2人がビックリしていた。


教室を入ると黒板に、


真面目は大ウソ→男大好き学級委員鈴木と、

不良で女たらしミスター0点男→木戸の道端でのキスシーンと言葉で書いてあり、


幼稚園児が書くような酷い絵で2人がキスしてる絵が描かれていた。


ご丁寧に日付けまで書かれていた。


となりのクラスからもオレと鈴木さんを見にヤジウマが出てくる。


最悪のタイミングで2人が一緒に登校してしまったようだ。


「タカ!隣のクラスの黒板にも書いてあるぞ!オレが消してきてやる!」


『響、、。』


「隣の2組が書いてあるなら3組も書いてあるよね多分!そっちはまかせて。」


『光、、、。』


「木戸君、、、。一緒に消そう。」


『おうわかった。』


2人で前まで歩いて行った。


まるで処刑台に歩いていく雰囲気だ。


みんながオレらだけに注目していた。


オレはオレが付き合ったからと自責の念に襲われながら消していた。


自分のせいで彼女が酷い目にあうことがめちゃくちゃ嫌だった!


でもまた起きてしまった。


その事がかなりショックで落ち込んでいた。


しかしここは小学6年の教室!


静かに消していてもやはりヤジが飛んでくる。


「おめーら付き合ってんのかよ?」


「今ここでキスしてみせてよ。」


オレと鈴木さんは黙って、黙々と黒板を消していた。


「キス!キス!キス!キス!」


ヤジがヤジを呼び連鎖的に広がって行く!


…なんの気持ちもわからねーのか?小学生ってのは!


…面白ければそれでいいのか?


…クソ共!


ムカつきも頂点に達して、黒板消しをぶん投げようと振り返った瞬間だった!


【バシン!】


鈴木さんが両手で教壇を叩いた。


「何?キスしてほしいならするけど!」


そこにはめっちゃ怒ってる鈴木さんの姿があった。


他のクラスに黒板を消しに行った光と響も帰って来た。


「私は、木戸君が好きで付き合ってる!それの何が悪いの?

キスがどうかした?私が今まで読んできた小説の中じゃみんな普通にしてたし、キス!キス!って馬鹿じゃないの!これだから小説も読んだことの無いような子供は嫌なのよ!

私はあなた達とは違う!勉強も、恋愛も、もう先に行くの!

私達に文句があるならハッキリ言いなさいよ!木戸君の靴隠すなんて卑怯じゃない!木戸君の靴は焼却炉のゴミ袋から出て来たんだから!私の木戸君に嫌な事する人がいたら私は許さない!」


【バシン!】


もう1回教壇を思いっきり叩き、鈴木さんは自分の席に座った。


その1部始終を扉の外で先生が見ていたようで教室が静まってから、何事も無かった様に入って来た。


「ほら!みんな座って、授業始めるぞ!木戸もいつまでそこにいるんだ!早く座れー。」


オレが黒板の前から窓際の後ろの席に向かって歩いていく。


オレの姿を全員が見ているようなそんな気がした。


だが、そんな事はどうでもよかった。


…鈴木さん怒った事無いって言ってたのに。


…怒ってくれた!オレらの為に


…こんなに嬉しい事言われた事が無いけど、


…あんな事言ったら鈴木さんが悪役になっちゃうだろ?


…今まで頑張って来たイメージなくなっちゃっていいのかよ、、、?


…鈴木さんはいつもみんなの勉強出来る優等生の憧れの姿じゃなきゃいけないんじゃないのか?


オレは席に着いた。


「タカ!あの子は凄いよ。タカじゃなきゃオレが好きになってたかも。」


『全く光!なんて慰め方しやがる!それも考えて話してんのか?参謀!』


「違うよ。あんな事言える子いるわけないじゃん。普通にタカが羨ましかったんだよ。だから慰めるとかじゃなくて、鈴木さん普通にかっこいいと思って、ちょっとタカに嫉妬したよ。」


『やっぱ鈴木さんも最高だけど、光!おまえも最高だわ!』


「なに?告白?オレと鈴木さんでタカの二股とかそういうの嫌だよ。」


『んな訳ねー。』


「ふふふ。」


【ヒュー!】


【パシン!】


…あぶねーチョーク飛んで来た!


…でも前と違って取れたぜ。


「おっ?取ったか?流石だな木戸!でも後で職員室来いよ!じゃあ授業続けるぞ。」


『光!呼び出しくらっちまった!』


「まあこれだけ騒ぎになれば、しょうがないよ!頑張れしか言えないけど頑張れ!職員室行ってる間、犯人でも探してるよ。痛っ!」


光にもチョーク豪速球が飛んで来て頭にストライクした。


「木戸、光!それ以上話をしてると、チョークが無くなるから真面目に授業受けろ!なっ!」


「はーい。すいませーん。タカ、じゃあなんかわかったら後で教える。」


そういうと光が前を向いてしまった。


それからは普通に1時間目の授業が終わった。


「じゃあ次は音楽だから、みんなは遅れず音楽室に行くように。鈴木と木戸は職員室に来るように。」


「タカ行かなきゃ。」


『そうだな。』


響が走ってオレの席まで来る。


「タカなんか怒られんのか?」


『どうだろうな?行ってみないとなんともだな。』


鈴木さんもオレの所に来た。


さっきの発言に、光と響が少し鈴木さんに対して緊張してるように思えた。


「木戸君行こう。私達は何も言われる事なんかしていないんだから。」


『あー。じゃあ響、光、行ってくる。』


「気をつけろよー。」


「響。気をつけろは変でしょ。2人とも頑張って。先に音楽室に行ってる。」


オレらは一緒に職員室に向かった。






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