26話
2012年 7月18日 水曜日 AM 7:45
なんの解決策も見出せないままオレは学校に向かおうとしていた。
「貴光!パン食べていきなさい。」
『出たー!兄ちゃん焼き!ってか母ちゃんなんで兄ちゃん焼き推し?』
「こまかい事は気にしないで食べながら行っておいで。」
『ほーい!』
さて玄関に来た。
ここで、4択だ!
1、ハルねぇのお古の靴をカカトを潰して履く!
デメリットはカカト潰したまま履くので土踏まずが痛くなり学校に遅刻する恐れあり!
2、ビーチサンダル
デメリットは足が悲鳴を上げる!これは間違い無い!しかも、先生に怒られる可能性あり、後靴下を持参しなきゃいけない!
3、長靴
デメリット、晴れてるから頭がおかしい人間だと思われる。
4、光から貰った上履きを家から教室まで履いて行く
デメリット、学校が近づくにつれて、生徒から1番寒い目で見られる!後、先生に1番怒られる可能性あり!
『やべーどうしよう。ババしか無いババ抜きじゃんか!』
「貴光!どうしたの?行かないの?あーこんなので悩んでるのね?じゃこの中だとこれよね。」
『やっぱ母ちゃんもこれか?これしか無いよな』
『よし、母ちゃんどうだ?』
「ははは晴れの日によく似合う長靴だこと!」
『笑うなよなこれから多分みんなに笑われるんだから』
「あーお母さんいい事考えたわ。貴光今日長ズボンでしょ?長ズボンの裾の中に、長靴入れてみたらどうかしら?ブーツインの逆のブーツアウトみたいな。」
『やべー完璧だ!ちょっとズボン膨らんでラッパズボンみたいになってるけど全然いける!さすが、母ちゃん!』
「でしょ?いってらっしゃい!」
今日はいつもより、早く家を出た。
…しかし、この兄ちゃん焼きのパン美味いから、今度マヨネーズとケチャップの上にハムとチーズでも乗せてみるか?
パンを食いながら学校に向かった
「おっす!タカ今日は早いじゃん!」
『響!いつもこの時間なのか?』
「そうだ!毎日この時間。」
『じゃあ一緒に行こうぜ。』
学校に近づくと、光の姿が見えた。
『光!』
「タカ!それに響!響はいつも通りだけどタカは珍しいね。」
『ちょっと早く出て来た。今日から光になるんだオレ。』
「なに言ってんの?タカ。」
オレは光と書いてある上履きを見せた。
「ホントだね。オレの名前が書いてある。タカは今日から光だ。ははは。」
3羽カラスの3人組は昨日靴をオレが盗られても今日はいつも通り、いつもと変わらない日常があった。
笑いながら、ふざけながら校門を入った所で、呼び止めらた。
「木戸君!」
『鈴木さん。』
鈴木さんがビニール袋を持って駆けて来た。
「これ木戸君の靴だよね?」
「おー!委員長すげーオレらも昨日探したのに。」
『間違いない。オレのだこれ?どこにあった?』
「焼却炉のゴミ袋を1つ1つあけたら、見つけたの。」
「えっー!鈴木さん。あれ全部開けたの?オレも怪しいと思ったからタカと響に言って探したよ。でも凄い量だったからゴミの中までは開けなかった。凄いね鈴木さん。少し見直したよ。」
「そんな事ないよ。委員長として、当然の事しただけだよ。」
『鈴木さん。あれだけの量があったんだどのくらいかかった?』
「、、、、、、、、、見つけたのは夜8時くらいかな」
「委員長夜8時まで1人で探してたのかよ。マジ根性ある!すごいなタカうちの委員長は。」
『そうだな。最高の学級委員長だ!今日から、仲間に入んないか?ってか響と光とも仲良くして欲しい。』
「何それもうタカと鈴木さんはもう友達な訳?」
『あー!たまに勉強教えて貰ってる!』
「あー!ずりー。タカだけ。でもガッツがある奴は最高だ。オレ知ってると思うけど響!よろしく委員長。」
「オレはタカと響のお世話役になるのかな?自分で言うのもアレだけどね。そんな感じかな?光だよ。よろしくね。鈴木さん。」
「木戸君。私木戸君の他に初めて友達が出来たよ。学級委員の鈴木です。よろしくお願いします。」
『自己紹介も済んだ所で行こうぜ。靴もあった事だし!教室までみんな一緒に。』
「おー!」
「木戸君の靴長靴なの?」
「タカ長靴履いてたのか?全然わからなかった。」
「オレはわかってたけど、言わなかった。ははは。」
嬉しかった。鈴木さんがオレの為に時間を割いてくれた事が。
嬉しかった鈴木さんが、光と響と分かり合えて、仲良く友達になってくれた事が、
『見ろ見ろ!今流行りのブーツアウトだ!』
「木戸君この履き方だと長靴として意味ないよね。」
「鈴木さん。言わないであげて、タカは0点だから、長靴の履き方も知らないんだよ!」
『んなわけあるか!』
「タカ今日雨ふんのか?」
『降らねーよ!』
「木戸君ズボンがラッパみたい!」
『長靴中にいれてますから!って鈴木さんまでやらせないで!ダメだから、この光と響のノリに一緒に乗ると偏差値50下がるから。だめー!』
みんなが下駄箱の側で爆笑していた。
全員が上履きに履き替えていた。
「鈴木さんって、もっと堅苦しい人かと思ってた。」
「オレもオレも」
「よくそう思われてるみたい。でもいろんな本読んでるから知識はあるよ。色々。」
「タカいったいどこで仲良くなったの?うちらのノリについてこれる子少ないよ。」
『仲良くなった日は、3on3で鼻血出した日かな?』
話をしながら教室に向かっていた。
「タカが委員長見てた日だ!」
『響がデリカシーない事言った日だよ!』
教室が騒がしい!
「みんなおっはよー。」
光が教室に最初に入り、
オレ達も続々入っていった。
「タカこれって、本当?」
クラス中の全員がオレらをみていた。