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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
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20話

『ただいまー。』


「おかえりー。」


母ちゃんが自分の部屋から出て来た。


「随分かかったわね?。お腹すいたでしょ?」


『母ちゃん。お礼言って来た。』


「そう。それはよかったわ。今温めるからちょっと待ってね。」


生姜焼きを温めてくれた。


「貴光。あんたにはもったいない子なんだから。悲しませるような事しちゃダメよ。」


『なんだよ。いきなり!そんなつもりないし。』


「あらそうなの。食べ終わったら、食器洗って置いといてね。お母さんちょっと忙しいから。」


『あー。ありがとう。』


オレはご飯を食べ、食器を洗い、自分の部屋に戻った。


【コンコン】


「タカいる?」


『いるけど。』


「入っていい?」


『あーいいよ。』


…ハルねぇ。


「タカ、あんた今日会いにいったの彼女?」


『まだ違うけど、なんで?』


「まだって事はそういう事なんでしょ?」


…あんまりハルねぇとそんな話をした事なかったけど興味ある歳頃なのか?


『かなり気にはなってる。』


「あんた全然そういうの興味無いと思ってた!その子凄い頭のいい子なんでしょ?」


『あー!毎回テストで100点しかとらないような女の子だな。今は学級委員やってる。』


「タカ!あんたその子が好きだから同じ学校に行きたいの?」


『それもない訳じゃないけど、それは違う!人生を変えたいんだって、言わなかったっけ?きっかけを与えてもらったはもらったけど、一緒にいたいからっていう不純な動機ばっかじゃねーし。』


「ふーん。そうなんだ。でも1番頭のいい子と1番頭の悪いタカって少女漫画みたいでいいね。」


『そうか?たまたまそうなっただけだよ。ハルねぇは好きな人いないのかよ?』


「なかなかビビビビって電気が走るような人いないのよねー。」


…ハルねぇでも高1で付き合い出した人とずっとラブラブで暑苦しい感じだったよな。


『ハルねぇ、高1で、多分ラブラブな彼氏出来るよ。』


別に深く何も考えてない発言だった!


「あんた、まるで、、。」


『ちょっと待った!』


『マジ待った!その先絶対言わないでマジ!それ言うと不幸になる!』


「はぁ?何それ?そんなのあるの?まぁいいや。タカ私もそう言う事なら全面的に協力してあげるから、なんかあったら言いなさいよ。」


心臓のドキドキが止まらない!


『わかった。ありがとう。ハルねぇ。』


ハルねぇが自分の部屋に帰って行った。


『マジ危なかったろ?今!』


『止めなきゃ言ってたろ?』


オレは鍵を開けて、スキルの本を引っ張り出し、1番初めのページ見ると、

まだ数字は4のままだった。


ただ、表紙に書いてある数字の

R4 R96 R2976 R35064 のうち、

R4とR96だけは残りR2976とR35064の文字は消えていた。


馬鹿なオレでもわかった。


軽々しく未来の話をしてはいけないと


いい教訓になった。


ハルねぇを未来を変える仲間にしても、まるっきり意味が無い!


未来から来てる事を信じてくれる人じゃないと意味なしだ!


…マジでこの先はきをつけないと。


身をもって今日知った。


いつでも、そのセリフは言われる可能性があるのだと。


たとえ、未来を知らないで予想で何かを言ったとしても、


おまえ未来でも見て来たみたいだな的な発言は多いにありえる話だった。


…おいおい、4年と4ヵ月で、3人まで仲間に出来る?


…馬鹿か?4年と4ヵ月でたった3人にしかバレちゃいけないの間違いじゃないか?


…そういう事なのか?このスキルはこの先の事を予想でも知っていても気軽に話せないじゃないか!


…めちゃくちゃリスキーじゃねーか?


…過去は変えられる凄い力を持ったスキルだが、


…それに伴う対価もそうとうだ!


…どんな会話でもその一言は飛び出すか 可能性がある。


…あの先生感じ悪いからそのうちみんなに嫌われて、先生変わるかもな?


…なんて話したら、


…おまえ凄いな未来でも見て来たみたいなセリフだな?


…これでアウトってことか?


…母ちゃん今日カレーだと思ったよ。


…そうなの?貴光まるで未来予知でもしたみたいね


…これでアウトって事か?


…テストでいきなり、100点を取ったとして、それがどれだけ勉強して取った100点だったとしても、オレが勉強をしてるのを知らない人がいたら、


…なんだよ未来にでも行って、テストでもカンニングしてみて来たんだろ?じゃなきゃ、100点なんか取れる訳ないじゃないか?


…これでもアウトなんだろ?


…どのくらいの言葉でスキルの本の数のカウントが減るかわからないけど


…普通に考えて無理だろ!4年4ヵ月も!


…前、ジュンが赤い光を3個から減らなくして、プレイヤーを増やさない契約をした時、おまえは考えが安易なんだよ!ってキレた事があった。


…安易なのはオレの方じゃないか?


…4年使って、更に4ヵ月も使っちまった。


…これで新しい中学に行って、優子も悲しまず、薔薇色の生活?


…はっ?だな!


…これからは発言、言動、会話に細心の注意をしながらビクビクしながら生きるのか?


…ったく!とんでもねースキルだ!


…失敗したら人間界に帰ってこれないなんて弁護士どころじゃねー話だな。


…そうなって来ると優子救うどころでもなくなって来るな!


…人間界に帰ってこれないなんて死ぬのと同じだろ?


…しかもひたすら人間界に戻れず、異世界にいるなんて死ぬより拷問じゃねーか?



…しかもスキルを使ったのはこのオレだぞ!小学3年のドリルをやって、100点取れないオレだぞ!


…無理だろ、、。


…人間の生き死にを変えに来てるんだから、オレも命をかけなきゃいけないってことなんだな?


…過去に来る時間が短ければ、その分未来を変化出来る量も減る!


…でもその間に未来予知的な事を言われるリスクも減る!


…逆に、オレみたいに4年4ヵ月も飛んだら、大幅に、未来を変える事が出来る!


…なんなら、宝くじや、万馬券や地震予知、なんでも出来る


…ただ、やったら、まるで未来を知ってるようだと言われるに決まってる!


…凄いことをやればやるだけ、3人で済むわけがない。


…何も考えてなかった。


…なんて素晴らしいスキルの本だと思った!


…そんなおいしい話なんかある訳なかったんだ!


…なんで早く気がつかなかった。


…欲があったせいか。


…心の何処かに優子を救いたい!人に任せたら優子を救えないからオレがやるっていう欲が、、。


…馬鹿だな。


…もう首吊りの輪っかに首がかかってる状態じゃないか?


…誰かが椅子を蹴ったらオレも終わりだ!


…でもオレの隣に、もう時限爆弾を持ったまま、椅子に座ってる、ジュン、ケンスケ、そして、ジュンが死んだら絶対立ち直れないマイミ、ケンスケが死んでも、立ち直れないレイがいる。


…その4人の時限爆弾はオレにしか救えない!


…やるしかない!


…その為には必ず違う中学に行かないと!


…オレの知ってる未来に進むより、知らない未来に進もう、4年4ヵ月、なるべくひっそり生きよう。


…先がわかる未来は必ずボロが出る。


…だって未来がわかってるんだから。


…1分後にそいつの顔にボールが当たるのがわかってるとして、


…わかってるから、早めにどうしても身構えてしまう。


…なんでボールが当たるのがわかってる素ぶりすんだよ、ひょっとしておまえ、、。となるに決まってる!


…だったら、ボールが飛んで来るのが、わからない未来の道に進む方がいいに決まってる。


…当たるのがわからなければ、みんなと同じリアクションが取れるはずだ。


…やっぱり、どう考えても、鈴木さんと一緒の学校に行って知らない未来に歩くしかない!


…それしかないんだ。




色々考えすぎて頭が痛くなり、


勉強をあまりすることもなく、


早めに寝た。



天国だと思った、4年4ヵ月は、いきなり、地獄となり、

地獄の1日目がやっと終わった。


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