17話
ウサギ小屋に着いた。
…今日は金曜日だから、綺麗に掃除して、たくさん餌をあげないと、土日は面倒を見てあげられないから。頑張ってやらなきゃだな。
『よしっ、ウサちゃん!移動だ』
掃除の間一時的にウサギを違う部屋に移動させる。
いつものやり方だ。
抱っこした時のなんともいえないおっとりしたそのモフモフした全てが癒やされる。
それでいて大人しく、愛くるしい。
「やっぱかわいいよなー。」
「だよねー。6年はウサギだから、飼育係になったようなもんだもんね。」
『だな。5年の鶏とか大変そうだし。なにより、このウサちゃんに触り放題!なんて最高なんだ。狭い部屋なんてかわいそうだ。早く終わらせて、戻してあげようぜ。』
「ラジャー!」
みんなで、せっせと小屋を洗って、デッキブラシで水で流し、綺麗にして、餌を用意してウサギを運んで戻した。
「終わったー。おいチビウサ。いっぱい食べてオレみたいに大きくなるんだぞ。」
「響みたいになったら、病気になっちゃうよ。」
『そうだな。その通りだな。』
「だからーそんなに太ってないから、オレ!バスケだってみんなについていけてるから!」
『「ハハハハハ。」』
「タカ!あれっ!」
ウサギと戯れてる、光が、指差した先には、鈴木さんがゴミ箱を焼却炉に持って行きながら歩いてる姿と、もう1人男の姿が、見えた。
『隣のやつ誰だあれ?』
「あれ3組の学級委員の寺島君だね。なんか鈴木さんが好きだって噂だよね。」
『そうなの?』
「なんかでもあまり、鈴木さんは相手にしてない感じだけどね。」
…鈴木さんを好きな人いるんだ、、。
…まぁ、あれだけ、頭良くてしっかりしてればそうなるよな!
…気になる娘が違う男子にいい寄られてる姿!なんかあまり見たくない光景だな。
「タカ!おまえ今日委員長見過ぎ!!」
『そんな見てねーし!誰をはっ?掃除も終わったし、帰ろーぜ。』
…寺島か?
…ふーん。
…別にいいか。
…そーいえば。ゴミ箱持ってたな。今日はビリビリに破いたから、焼却炉行きだな。
…母ちゃん!赤点100回記念が1回分遠ざかったぞ!ハハハハハ。
オレらはウサギ小屋を出て、学校を出て、各自別れて家に戻った。