13話
「貴光。ご飯よ冷めないうちに食べなさい。」
『えっ?母ちゃんさっき食べたじゃん!また食うの?』
「貴光何言ってるの?さっきお母さんご飯で呼びに言ったのよ。それに母ちゃんって。それに大分口が悪くなったわね。あの本のせいかしら?」
…そうか、あの母ちゃんと、ハルねぇと鈴木さんの話は無かった事になってるんだった。
『口は悪くても、心は綺麗だから、みんなお母さんの事、かーちゃんって呼ぶみたいだからオレも母ちゃんでいい?』
「まあお母さんは別にそれで構わないけど。早く食べちゃいなさい。」
『わかった。』
…めっちゃデジャブ。
…さっきしたやり取りをまたやらなきゃいけないんだな。
となりには、ハルねぇがいたけど、
完全無視状態だ!
…何をそんな事で無視するんだろう?
…自分だって、高校2年になったら、彼氏と仲良くするくせに!子供っぽすぎるんだよ!
『母ちゃんあのさ、』
「なーに貴光。」
…いきなり弁護士になろうって言おうと思ったけど、やめよう
…口でいくら言っても無駄だ!
…多分理解して応援はしてくれるとは思うけど、
…洋服のまま、シャワーを浴び、エロ本を踏ん反りかえって読み、いきなり口が悪くなり、母ちゃんと呼ぶようになった息子が、とどめに弁護士になりたいって言ったら、母ちゃんビックリして、本当に倒れたら大変だ。
…言うのは今日じゃない!
…あんた連続する赤点記録を止めて見たらって言ってたし、2ヵ月前に、100回連続赤点記念テストを貰ったって言ってたな!
…よし、100回目のテストを赤点より、上に、いや!むしろ100回目だから100点目指しやって見てその時に言おう!
…喜んでくれるかな?
『母ちゃん唐揚げ美味いないつも!最高だ!』
「そう?ありがとう。変な貴光ね。」
「お母さん!なんでタカと仲よさそうに話してるの!あんな本読んで開き直るなんてどうかしてる!」
「そう?遥もいずれ大人になったら、キスとかするのよ。お母さんは別に気にしないわ。そういう歳に成長したんだなって思っただけよ。」
「そうかもしれないけど、タカはまだ小学生だよ!」
「いいのよ。お母さんのとこは、自由に幸せに育てば、それで、押し付けって嫌なものよ。遥だって、私が嫌いな食べ物残さず食べなさいって強制するの嫌でしょう?いいじゃない!誰に迷惑かけるわけじゃないんだから!」
「そうかもしれないけど、私は嫌なの!」
【パシン】
箸を机に押し付け部屋に帰っていってしまった。
『ハルねぇ。いっちゃった!』
「貴光。女の子の中学2年生あたりは1番デリケートな年頃なのよ。まぁ、ホッときなさい。気にする事ないわ」
『母ちゃんはオレの事怒らないの?』
「男の子なら遅かれ早かれみんなが通る道よね。貴光のお父さんも中学でもう経験したって付き合ってたころお母さんに自慢してたからね。お母さん呆れたわよ。そんなお父さんの子供だからね。蛙の子は蛙って事かしらね。フフフ。」
『はははは。』
…放任主義だけど、ちゃんと考えてるとこは考えてるんだな。
…やっぱいい母ちゃんだな。
『母ちゃん!ごちそうさま。ちょっと部屋掃除するから部屋に帰るわ!』
「はいはい。お粗末様でした。」
オレは部屋に帰って来て、
滅多にしない掃除をした。
まず、環境からっていうから、とりあえず自分を変える前に、身の回りの環境から、変えていくように、掃除をした。
…よっし!完璧だ!
…やるぞ!オレがあの中学に入るには必ず鈴木さんの助けが必要だ。
…明日は学校で、鈴木さんとコンタクトを取らないと。
…1度お互い心は通じ合っているから、大丈夫だろ?
…可愛かったな鈴木さん。
…4年でこんなに人間は変わるんだな。
…4年前のオレはなんとも、思わず、酷い言葉を吐き捨てた。
…それが、別に酷い事だと思って言ってない事が1番酷い!
…結構傷ついたかな?
…あの後引っ越したとか聞いたな。
…新しいその中学のそばにでも引っ越したのかな?
…まず優子に迷惑をかけるこの先の未来を変える前に、鈴木さんの中から酷い事を言う男のオレの記憶を払拭したい!
…頑張ろう!始まったばかりだ!オレの新しい人生!
掃除をして汗を、かいたオレは2度目の風呂場に向かい、体を綺麗にし、
暑い部屋に窓をあけ、扇風機をかけ、まだ22時過ぎだが、早めにベッドで寝た。