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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
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11話


【ガラガラガラガラ】


『母ちゃん、ハルねぇ、ただいま!』


「おかえりタカ。遅かったね。」


『2人ともちょうどご飯か!それはちょうどいい聞いてくれ!』


オレは2人が見てるテレビを強制的に、消して丸テーブルに座った。


「ちょっと今いいとこだったのに、」


「貴光あなた今日、本当どうしたの?」


『母ちゃん!ハルねぇ!オレは弁護士になろうと思う!』


【ガシャン】


「お母さんごめんビックリしてお茶こぼしちゃった。」


「大丈夫。お母さんも茶碗落とすとこだったから。」


『なぁ、オレ進学校の中学校に行きたいったら、行かせてくれるか?』


母ちゃんが何も言わずに自分の方部屋の方へ行ってしまった。


「あんた、変な事いうから、お母さんご飯も食べずに部屋に行っちゃったじゃない!酒か薬物でもやってるんじゃないでしょうね?」


『いやこれは真面目に聞いとかないといけないと思って。』


「マジなの?ドッキリカメラ的なやつでしょ?馬鹿が見るーみたいな、、?」


『ハルねぇ!オレが今まで未来の事なんて言ったことあったかよ。』


「あったよ。うるさいバイク指差してオレ、絶対乗る!16になったらバイク乗るんだ凄いかっこよくない?!!って言ってたじゃない。」


…ははは。1回目の小学生のオレよ。


…おまえの夢は叶う!


…おまえは金を必死にためてRZ250を買い、夜の国道の光と風に溶けて、仲間とアクセルで語り、2ストオイルの匂いに酔いしれながら、目を合わすと笑いながら仲間とランデブーする16歳は来るんだぞ!最高なんだよなあの音と、煙と匂いが、、、。


『はっ!』


「あんた、今自分がバイクに乗ってる未来を想像して酔いしれてたでしょ?」


…するどいな!ハルねぇ。


『まぁ、少し。』


「どうやったら、あんなバイクに憧れる人間が弁護士になろうってなるのよ。」


母ちゃんが何か、紙を100枚近く持って食卓に戻って来た。


「貴光。これ見て。」


…これは酷い!


…テストじゃないか?


『ははは。どのテストの点数にも、たまごっちのマークが書いてある。先生もジョークがユニークだな。笑える!実に面白い。』


「タカ!あんたよく0点ばっかり、こんな取れるわね!なんでこんなくしゃくしゃなの?」


『0点ばっかり?そんな事ねー!。5点や10点だってある!全部がたまごっちなわけじゃねー。人には得意、不得意、があるんだ!しょーがねーじゃん!

テストなんか貰った途端ゴミ箱に向かうように体が出来てる!トイレ入って水流すだろ?テスト貰ったら、捨てるんだ!』


「あんたよくお母さんの前でそんな事いえるわね!」


『ハルねぇが母ちゃんだったら、0点のテスト100枚持って帰ってきたら、嬉しくないだろ?見ても嬉しくないならゴミに捨てたって一緒じゃんか!』


「貴光。」


『なんだよ母ちゃん。』


「別にお母さんは、あなたが弁護士になりたいって言うなら、それがあなたが幸せでそれになりたいなら、それを応援するけど、人に流されてとかなら、やめといた方がいいと思うわ。

貴光さっき、人には得意、不得意があるって言ってたけど、あなたには人にはない、心の優しさがある、でもそれとは反対で勉強の方はちょっとじゃない?でもお母さんは貴光が幸せならそれでいいから、貴光が本気で弁護士になりたいって、それが自分の幸せになるなら、本気で応援するわよ。その前にまず、100回以上連続してる赤点をストップさせるとこから始めたらどう?貴光見て見て、つい2ヵ月前くらいのこのテスト!赤点連続100回目の記念のテスト!」


『そんなに前からずっと40点以下なのオレ?』


「お母さん、初めは少し悲しかったけど、鈴木さんが、パート先に毎回持って来てくれるようになって、貴光の赤点テストがたまるようになって、50枚越えたあたりから、もうどこまで続くのか、逆に楽しみになったわ。100回目の時はレジ打ちながら鈴木さんが来た時はドキドキしたわね?どうだった鈴木さんって聞いて、あの子レジの前でバッと、テスト広げて、0点って書いてあって、鈴木さんに、聞いて聞いて鈴木さん。これで100回連続の赤点って言ったら笑ってたわ。

おめでとうございます。これからも持って来ます。捨てる場所はだいたいわかってますから。家に帰る帰り道ですし、って言ってたわね。懐かしい!!」


「タカ!あんたうちのお母さんじゃなくて、他の家なら勘当されてるよ!きっと。」


『そうか?まぁ感動してくれたからいんじゃね?』


「タカ!何今オレうまい事言ったみたいな顔してんのよ!」


「まあまあ貴光も遥も食べましょ。貴光!学校のお金の心配なら大丈夫だから、気にしなくていいから。やりたい事を悔いないようにしっかりやりなさい!」


『わかった。ありがとう母ちゃん。』


…うめぇな。母ちゃんの唐揚げ。


…こんなに美味かったかな。


…いい母ちゃんだな。



オレは食事を終え、自分部屋に帰って来た。


そして机の前の椅子に座り、鍵をかけた引き出しを開け、スキルの本を、机の上に置いた。


『さて、どうするか?』


頭がよければ、色々考えるのだろう。


大丈夫だろうか?とか、


頭がよくないオレは直感を信じるしかない!


…行くか?更に4ヵ月前に!


…オレの為だけだ、この4ヵ月は。


…誰の為に使うわけじゃない!


…4年は戻る為のみんなの理由があり、目的の為にわけあった。


…この4ヵ月は全く個人の為だ。


オレはボールペンを取り机の上で立てて、上を指で押さえた。


…右に倒れたら、過去に飛ぼう!


…左に倒れたら現状だ!


オレは指を離した。


ペンは左に倒れた!


『はははは。行くなって事か?これは?まさかな』


もう1度ペンを立て、指を離した!


『はははは。まだ左かよ!はははは。』


もう1度ペンを立てて、指を離した!


『ほら出た右!右!』


当たり前だ右に倒れるように指に力をいれて離したのだから。


もうこんな事やっても95パーセント行くと心に決めていたから、


はっきり言って無駄だったのかもしれない!


オレは未来から来た服に着替え、

リュックに荷物を入れ、


覚悟を決めて開こうとした時、ある事を気が付いた。


本来の目的を、それはみんなの時系列!


これだけは忘れちゃいけない!


もう1回白紙に全員の予定を書き出して見た。


…さすが天才だ!


…このテストだけなら毎回100点だ!間違いない!


…っていうか、やろうと思えば出来るんだな!


…めんどくさいから、やらないだけだったかもしれない!


…高校1年のままだったら、小学生の勉強をやり直すなんて絶対やるわけねー!


…でも小学生だ!今は!


…今ならやり直せる!


…弁護士に向かって、歩く道が正解かわからない!


…勉強しないで、バイクで遊んで喧嘩してきた道も色々辛い事はあったけど、あれはあれで、不正解じゃないと思う!


…辛い事もあったけど、楽しい事もたくさんあった。あの道に進まないと、わからない感覚もたくさんあった。


…あれはあれでオレが進んだ人生の結果だから。


…でも今は努力してみる人生の道の先を見て見たい!


…恐れる事はねー!


…自分の信じた道に真っ直ぐ進め!


…進めば進んだ先の未来が待ってる!


『さて今何時だ?』


『時刻PM 8:24 か、過去に飛んだ先は7月5日か?』


『ちょっとまてよ、11月4日から飛んで、なんで11月5日になったんだ?』


『4年!4年に一度!あー!うるう年の1日が足されたせいかな?まぁいいかそんなのどうでも!そこらへんの1日や2日!さぁ!行くか、さらなる小学生へ!行った先は夏だな!』


オレはリュックを背負い


秋葉原の時に願ったお願いのまま、

4ヵ月を念じて、スキルの本を開いた。


絶対この願いだけは変えてはいけないと思った。


この願いの先には変えられない!救えない未来が待ってるとしても。








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