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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
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10話



栄えてる訳でも無く、さびれてる訳でも無い発展途上なこの街の、田んぼ道の脇を通りながら、色々話しながら歩いていた。


『なぁ、鈴木さんさぁ、自分を変えたいって思った事ある?』


「あるよ。だから、学級委員になったんだよ。」


『なぁ。オレ母ちゃんに楽させてやりたいと思うんだけど、どうしたらいいと思う。』


「うーん。いっぱいお金を稼げる仕事とか、どうかな?それで、いっぱい楽させてあげられない?」


『医者とかか?無理だろ?』


…まてよ。今小学生だろ?


…これヤバイ!高校1年の脳まま、小学生になったんじゃん!


『鈴木さん!テストなんか持ってない?』


「持ってるけど。」


『ちょっと貸してくんない?歩きながら解いてみていい?』


鈴木さんがランドセルから、テストを出してきた。


…理科か?


…おっ!100点かよ!すげー!さすが学級委員!


オレは鈴木さんの回答を見ないように

何問出来るかやって見た!


…えっ?


…えっ?


…えーー!?


『たった3問かよ!20問あって3問って何点?』


「15点、、、。」


『15点?たった15点?自分が馬鹿過ぎてガッカリするわ!マジで』


「そう?二桁なだけ、いんじゃないかな?」


『オレいつもそんな悪かったけ?』


「木戸君テスト学校のゴミ箱に捨ててるでしょ。いつも一桁だよね。私が木戸君のお母さんに届けてるんだよ。」


『えっ?そうなのか?だから母ちゃんが、、、。』


「んっ?どうしたの?」


『いや、でも母ちゃんテストとか何も言ってなかったけど。』


「木戸君のお母さん優しいから、わかっていても、言わないんじゃないかな?」


『そうか、、、。』


オレは夕日が差し込む歩道の上を石を蹴りながら色々話を続けた。


『なぁ鈴木さんってさ、頭いいけど、何かなりたいのがあんの?』


蹴っていた石が車道に落ちる。


「弁護士になりたい。お母さんみたいな人を助けたいの私。弱い人を助ける仕事につきたいと思う。医者もいいなと思うけど、私の家お母さんと2人暮らしでお金無いから、弁護士で人を救いたいなって。」


…弁護士かぁ、、。


…弁護士ねぇ、、。


…バイクで暴走しない未来か、、。


…いいのか?みんなに託された未来だけど、オレの未来を変えて、みんなに会えるのか?


…いいよな!みんなの為に頑張るんだから!自分が少し変わったって。


『鈴木さん。オレも、変わりたいんだ。』


「何に?」


『オレも弁護士になれるかな?』


「うーん。相当努力しないと、無理だと思う。」


『そうかぁじゃない!オレやる!オレも弁護士になる!』


「木戸君!やっぱり今日変だよ。それに弁護士になるにしても、ならないにしても、ちょっと遠くても頭のいい学校には行った方がいいよ。」


『鈴木さんは違う中学に行くの?』


「うん。受験してステップアップするんだ。」



…ちょうど、いい!


…あの中学に行かなきゃ、悪友と知り合う事もなければ、優子がオレの前で痛ぶられる事もない!


…みんな変わっていったんだ!


…オレだって変わったっていいだろ?


…もう優子みたいに悲しむ女性をオレのせいで周りに作りたくない!


…そうすれば、女性へのトラウマも少し減るかもしんないし、罪の意識も減るかもしれない!


…やろう!オレの人生だ!


…もともと、ダメダメで一桁のテストばかりだったオレだから、失敗しても、今以上悪くなる事なんてないだろ?


…やれるチャンスがあるなら、


…やってみっか?オレの人生だからな。


『じゃあオレも行くよ!そこ!』


「ふふふ。木戸君。今年1番面白い冗談だね。」


『変わりたいんだオレも!』


「でも、願書の受付が1ヶ月前に終わってると思うよ。もうそこ家だから今調べて持って来るからちょっとそこの公園で待ってて。」


『わかった。』


夕日がだいぶ沈み、街灯がメインに明かりを照らす公園で小さくなった体でブランコに乗ってみた。


…1ヶ月前に終わってたら。あの中学に行くのか?



…じゃ、結局優子が痛めつけられるレールに乗るのか?


…でも結局1人じゃどうにも出来ないしな!


1人で、ブランコを、こぎながら考えていた。


『よし決めた!』


「何を決めたの?」


鈴木さんが歩いてきた。


『どうだった?』


「やっぱりね、1ヶ月半くらい前に締め切り終わってたよ。でも、一緒の学校に行けなくてもその思いが大事だとおもう。」


…やっぱり締め切り終わってたか。じゃあ聞くしか無いな!


『ねぇ、、鈴木さんってオレの事好き?』


「えっ、、、、えっ、、、何?何?何言ってんの?木戸君!、、き、今日の木戸君絶対変だって。」


『鈴木さん!オレ真面目に聞いてるんだけど。』


「、、、、、、、、、、、、、。」



「、、、、、、、、、、、好き。」


下を向いて隣でブランコをこいでる鈴木さんが、凄い恥ずかしそうだ!


『それいつから?』


「それを言ったら、付き合ってくれるの?」


…マジで?


…疑問から疑問返しで来たか?


…どうするか?告白とかそう言う意味で聞いたわけじゃ無いんだけどな?


『じゃあその質問を変えていい?』


「何?」


『もし、4ヶ月前のオレが鈴木さんに好きだって告白して、鈴木さんと同じ学校に行きたいから毎日一緒に勉強したいって言ったら鈴木さんオレの為に勉強教えてくれる?』


「もちろんだよ。教えるよ。毎日でも。一緒の学校に行ってくれるって言ってくれるだけで嬉しいもん。」


…なんだよ。かわいいじゃねーか?


…メガネなのに。


…ちょっと、ドキッと、ズキっと来たじゃね?


…相手は小学生だぞ!


…オレは高校だったんだぞ!


…小学生と恋愛!無いだろ!


…でもオレは今小学生だから、小学生同士だから、問題ないのか?


…でも、脳は16なんだ!やっぱり犯罪なのか?


『あーーーー!!』


「ちょっと木戸君!?どうしたの?大丈夫。」


『悪い、鈴木さん。ちょっとドキドキしたから、帰るわ。』


「あっ、、、うん、、、そう、、、。私も生まれて1番ドキドキしたよ。」


…そういうこというな。


…メガネだろ?おまえ。


…メガネ、、、。かわいいじゃねーか、、、。


『鈴木さん!また、明日。』


「うん。」


公園の外に向かい歩いて行った


『鈴木さん。おまえ、いいやつだな。もっと早く話してれば良かった。』


「木戸君!!大好きーー!!」


後ろからあまり大声を出さなそうな鈴木さんが


まさかの


まさかの!!


告白!!


…マジか?


…なんだ、恋かこれ?


…恋していいのか?


…優子と出会わない未来で、優子が傷つかなければ、オレは恋してもいいよな?


『あー!オレもだ!じゃあ明日な!』


オレは振り返らず後ろ向きに手だけあげて公園を後にして家に向かった。


…青春してんな!オレ。


…いいね青春!


…恋グッジョブ


…意味なんかねーけど、走るか!


…なんか走りたい気分だ!


『グッジョーーーブ!!』


オレはなんだか凄いほっこりした気持ちで、家に帰った。


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