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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
151/534

9話(3/7挿し絵追加)



「はーい。あら鈴木さん。どうしたの?」

挿絵(By みてみん)

「木戸君に、渡さなきゃいけないプリントと、宿題を教えに来ました。」


「ちょっと貴光ー。鈴木さんが来てるわよー。」


『最初の会話から聞こえてるよ。ちょっと待って。』


オレは靴下を履きながら

この鈴木さんって人の事を思い出していた。


…誰だっけ?


…わかんねー。でもなんかあったな。昔鈴木さんって人と。


オレは結局思い出せないまま玄関に向かった。


『おう!お待たせ。』


「木戸君いきなり、帰っちゃうから、どうしたの?」


…知ってる!


…オレの記憶に、こいついる!


…いる!いる!


…小学生の最後のバレンタインに、オレにチョコレートくれながら告白して来たやつだ。


…確か、オレあの時あんま女の子に興味無いし、全然オレとタイプ違うから、気持ちわりーんだよ。メガネブスとか言ったんだ!


…なんだ、オレ優子の前にも女の子に酷い事してたんだな。


…一生懸命告白して来た相手にメガネブスとかは無いよな。無いわー!


…自分の言葉に自分でマジひくわー。


『あっーーー!!マジ酷い!。』


「ちょっと木戸君。」


「貴光?どうしたの?やっぱり今日あんた変よ。」


『鈴木さん。家どっちだっけ?』


「反対方向だけど、、、。」


『母ちゃんオレ送って来るわ!』


「はいはい。いってらっしゃい。鈴木さんいつもありがとうね。」


…いつもありがとうなんだ。


…いつも鈴木さんが来てくれていたのか?全然気にしてないから知らなかったな。


「ちょっと、、いいよ、、別に、、送るなんて、、、」


『オレが送りたいんだ。それに話もしたいし。』


「そうなの、、?」


『ちょっとチャリ持って来るから待ってて。』


オレはチャリを取りに行くと、

カマキリハンドルの自転車のハンドルが絞られ、


リアの荷台はカチ上げられていて、

ハンドルにはパフパフのラッパが付いていた。


『ははは。マジどんなセンスだよ!』


チャリを見ながら昔を思い出していた。


『やったなーこれ!単車に憧れて、ハンドルは鉄パイプ入れてハンドル絞って、なかなか右と左がおんなじ位に曲がらなくて、原チャリが羽カチ上げてんの見て、チャリのキャリアカチ上げて、乗ってた、乗ってたわ!おもしれーな小学生の頃のオレ!でも自分でやった事だから、共感できるんだよな!ははは。あっ!やべー鈴木さん待ってるんだった。』


『わりぃ!チャリ人乗れなかった。』


「そう。それなら、私は帰るね。」


オレは鈴木さんの前に大の字で立ちはだかった。


『ダメだ!今日は送っていく。そう決めた。』


「どうして?いつも、私の事迷惑そうにしてるじゃない?」


『いつもって言うほど話もしてなかったろ?』


「そうだけど、、。」


『今日はちょっと話がしたいんだ。』


鈴木さんがちょっと困ったような顔をしたまま、少し下を向いていた。


「おーい!タカ!家の前でなに、女の子泣かせでるんだ?」


『泣いてねーし。』


「あんたなんか口が悪くなったね。どうしたん?」


『色々ある年頃って事にしといてくれ。』


「お母さん中にいる?」


『あー!母ちゃんオレが、学校さぼったせいで、パート早く上がって、学校に呼び出されたから、もう家にいるよ』


「タカあんた最近不良に憧れてるの、薄々わかってたけど、お母さんに迷惑かけちゃだめでしょ!」


『わかってる!』


「わかってればいいや。どっかいくの?」


『彼女を家まで送ってくる。』


ビックリして、鈴木さんと、遥姉さんがこっちを見てる。


…んっ?なんか変な事言ったか?


「あんた、彼女出来たの?」


『違う!そういう!彼女!じゃない!よくナンパする時に言うだろヘイ彼女!の彼女だよ。』


「あんたナンパするの?」


『しねーし。しねーだろ!小学生で、ナンパして、茶店でも行ったらおかしいだろ!』


「茶店?なんかあんた今日変!」


…またそれか。


…母ちゃんにも言われたな。


『そんな事ねーよ。早く家行けよ。』


「誰だかわからないけど、タカと仲良くしてやってね。」


「はいっ。」


「お母さーん。タカが頭おかしくなったよー!」


ハルねぇが家に入って言った。


「お母さんもそれ思ったけど、元々頭悪かったからね貴光は、これ以上悪くならないと思ってたんだけどね。」


『聞こえてっからー!全部聞こえてっから!』


「貴光!聞こえるように話してるのよー!」


『あー!そうかい!』


「ふふふ。」


『ははは。変な家族だろ?』


「木戸君のさっきあの人お姉さん?」


『あー!遥姉さん。ハルねぇ中学2年生だ。』


「そうなんだ。木戸君の所も、お母さんだけだったよね。」


『鈴木さんもだっけ?』


「そう。お母さんと2人暮らし。」


『そうか、、。とりあえず立ち話もここじゃなんだから、とりあえず行こうか?』


「うん。」


2人は鈴木さんの家に向かい歩き出す。


こうして、初日から、過去は改変されていった。

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