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ゴブリン魂  作者: チャー丸
第2章 キッド’s side story
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6話

「わかった。では聞いてくれ。私と、ケンスケ、今リアルで同棲してる、リアルカップルだ。

私は子供が本当に出来にくい体だった。運がよくて1回出来ればいい、そんな体質だ。

ケンスケの親にも子供が出来ない嫁なんかと言われ、

結婚に踏み切れないまま、数年が続いたある日、奇跡的に私は妊娠出来た。私は嬉しくて、嬉しくて、大切にお腹の赤ちゃんを育て、だんだんお腹も大きくなった。

一生出来ない可能性もあると言われたあの日から、赤ちゃんがお腹を蹴ってくれる所まで、大きくなった。

お腹を蹴られる度に、幸せを感じた。

生きてるよ。

僕はお腹の中で元気でいきてる。

早く逢いたい。そうお腹の中で言ってる様な気がした。

だから、蹴られる事すら、嬉かった。

妊娠した瞬間から私の中の全てが、輝いて見えた。

ちょっとした事が幸せになった。

この靴下かわいいから、産まれたら履かせてあげたい。

七五三じゃ、どんな感じに写真を撮ろうか?

考える全てが薔薇色な日々だった。

でも産まれてこなかった。

私はケンスケとショッピングモールでショッピング中に、階段から、落ちる子供をかばい一緒に落ちた。

私と、かばった子には、大した怪我はなかった。

ただ、もう1人私の子供はそのせいで産まれてこなくなった。

あんなに産まれて来てほしかったのに、

あんなにお腹を蹴っていたのに、

病院で麻酔が終わり気がつくと、

お腹は普通の大きさになっていたんだ。

私はそれから、子供をみると憎くなってしまった。

あんなに子供を欲しがっていた私が、子供に嫌悪感しか抱かなくなった。

そんな私がまた子供を作った所で自分の子供を愛せるかわからない。

ましてや、一生出来ないかもと言われ、神様が奇跡的にくれたチャンスを棒に振ってしまった。

私は、毎日やり直したい、やり直したい、と神に祈っていたら、異世界に行く事になった。

そこで、モンスターを狩った。私の赤ちゃんの仇と思い斬って、刺して、殺しまくった。でも私は異世界にいても、救われない。私は赤ちゃんに会える以外救われる道がない事に気がついた。それでも、なにかあるんじゃないかとケンスケと頑張っていたとこに、みんなとあの池で出会って、今日まで至るというわけさ。

だから、マイがジュンの為に一生懸命になる気持ちは私もよくわかるんだ。

私はそれが私の赤ちゃんの為なだけ、だから、私は救って貰えるなら、赤ちゃんの為とケンスケの為だけに生きる。異世界にはもう来ない。赤ちゃんが泣いたら1秒で対応したい。夜中2時から6時まで絶対起きない状態で、赤ちゃんなど、育てられるはずがない。

だからもし、赤ちゃんが助かった未来があり、私とケンスケが異世界に来たら初日に自害して、異世界をリタイアして、人間界で、生きるつもりだ。あの子のために。」


『ケンスケもそれで構わないんだな?』


「あー!ちょっと真面目な話だから真面目に話していいか?

オレはレイが幸せならその未来を一緒に歩みたい。

オレも子供が産まれなくて悲しい思いはしたが、レイほどは絶望には落ちなかった。

っていうか、レイの変わりようが凄くて、それが見てて何も出来ないのが悲しい。

元々もっと女の子っぽい喋り方だったんだ。レイは。

子供がダメになり、異世界から帰って来た朝、いきなりハサミでバッサリ髪を切り、女をやめると言い出した。

オレはどうしたらいいかわからないから、しょうがないから、キャラで付き合うくらいしかなかった。後はあんな感じさ。ぶはっはっは、、、、はっ、、、はっ。」


『ケンスケ笑いに元気が無くて、キャラがぶれてるぞ!』


「まぁ、こんな話をしてるんだ。そういう日もあるだろ?」


『シン組はどうする?』


「オレは大したトラウマじゃないし、ジュンと話し合って和解したから、このままでいいかな?」


「私も、変えなくても、いいけど、なんか希望になる何かがあれば欲しいかな?その当時は結構辛かったから。」



『あのさ。』


マイミが立ち上がった。


『前この場所に来るときに、洞窟のそばを通った時に、ジュン君が言ったんだけど。ジュン君はその洞窟でセシルさん達に殺されたんだって。

あっ!違う別にみんなを攻めてるわけじゃないの。最後まで聞いてみんな。

そこで、ジュン君が言ってたの。

““““

あの時、オレ右も左もわからないし、初めて話せるゴブリンを見つけたけど目の前で殺されたし、結局それが次の日知り合ったマイだった訳だけど

その時はなんで体が光るかもわからない状態で、毎日殺される事に、絶望と、不安しかなかったからさ、

そんな6日前の自分に、その苦しみは無駄にならないから、未来にみんなと話せる楽しい未来があるから、今は辛いけど頑張れって言ってあげたくて、あの時、先が不安な未来に泣いてばかりいたからさ。先に笑える未来があるってもしわかっていたら、その時は辛くても頑張れるじゃん!

だから、そこで死んだ6日前の自分に、頑張れって、思ってたんだ””””


そう言ったの。それで思ったんだけど、未来を変えない程度に自分には未来があるんだよ!頑張れって手紙を自分に出したらどうかな?』


「私が手紙を受け取ったら、異世界に来れ無くなっちゃう可能性もあるよね?」


『リンは異世界に来てどんくらいなんだ?』


「4ヶ月くらいかな?」


『異世界に来てから手紙を渡したんじゃ遅いか?』


「遅いかな。私のピークは小学生から中学1年くらいだから、別に手紙はいいかな。」


「そうだな。オレもいいわ!そのまま、未来を受け入れる、その変わりジュンを異世界に必ず連れて来てもらわないと困る!オレと、リンは、ジュンが過去の俺らのことを悔いて悩んでるのを知って、もういいやって思えたから!」


『わかった。シンはどうする?』


「僕は、、、。どうしようか?」


『どうしようとか自分の事だろう?』


「そうだけど、もし、過去に行って同じ未来を歩むなら、僕はそっとしといて欲しい。」


みんなが不思議そうにシンの顔を見ている。


「おい!シン!おまえなにか、人間界であってるかもしんないだろ?そのままでいいのかよ?」


「カズキ、もしかしたら僕は死んでいるのかもしれないとは自分で薄々思っていたんだ。まだいまだにわからないけど、ただそれを確認して欲しい!

ただそれだけだったんだ!

異世界ってみんなの心の傷を癒す為にあるんでしょ?

僕は僕のわがままで、体がどうなってるか、探してもらったら、ジュンが死んで、ケンスケは意識不明になって、僕だけが異世界に来なきゃよかったってなってるんだ。

だから、僕の周りの人間が不幸にならなきゃそれでいい。

それでも、もしわがままを聞いて貰えるならあの日何があったか見て来て欲しい。見るだけで構わないから。」


『わかった。シン!じゃあオレに任せるな?』


「キッドに任せる!みんなで笑って異世界をクリア出来る未来を頼む。」


『わかった!シン!』


オレは立ち上がった。


『みんな聞いてくれ!このスキルは、スキルを使って戻ってる間、未来を変えてる事をバレてはいけない!

正確に言えばバレていいのは3人までだ。4人目で4回目のスキル同様、異世界から帰れなくなる。

逆行してる本人に、未来を知ってるような発言をされたらアウト!そういう事らしい!

逆に言えば3人まで仲間を集い未来を変えていく事が出来るんだ。

とはいえ、3人を仲間にして、1人に勘付かれたら終わってしまうから、

もし1人で辛くなったら、その役割2人を、カナとユイにお願いして、後1人は気づかれた時用に取っておこうと思ってる。

まぁお願いとは言えコンタクトを取るのは2人が異世界に来てからだから、まだ大分先になる。それまでは1人で頑張る!1人で出来るならそれで頑張るその方がバレた時に、人数のカウントが少なくて済む!ユイとカナはそれでいいか?』


「いいよ。ユイに出来るなら協力するよ。」


「私もやるよ。」


『頼む。明日会う時に本人しか絶対知らない情報を書いて来てくれ、オレがいきなり未来から来ましたって言っても信じないだろ?まぁ、異世界に行ってる頃に困ったら誘う予定だから、その時なら意外と信じるかもしれないけどな。』


「わかった。」




『他にも明日自分に手紙を持ってくるやつは、誰がこの手紙に関与してるのか気がついてもそれを本人に言わない事!言ったら救われた未来が水の泡になり、今より100倍辛い未来が待っていると必ず書いてくれ!

そして、セシルさんに限っては、必ず異世界に行けるように毎日祈るそれが恩返しになると書くのを忘れずに。

そして、みんなの行動表もよろしく頼む!

いつ異世界に転生される。

いつそのトラウマに会う。

特にレイとセシルさんは詳しく頼む。

オレはその行動表を作りそれに沿って動く。

オレはやはり、出来ればこのメンバーで異世界を終わらせて、人間界でも誰も死なない未来を目指して4年前に戻り頑張る予定だ。オレはオレが出来る事を頑張ってみる。4年!がむしゃらにやってみる!その中で異世界に来れない者がいたらそれはしょうがない!』


オレはレイと、ケンスケの前に来た。


『必ず!2人の子供を救う!』


「私はこうやって救われる為に、異世界に来たのかもしれない!頼んだぞキッド!」


『なぁ、子供の名前とか決まっていたのか?』


「あの時は決まってなかったけど、男ならキッドで女の子ならマイでつけるよ」


『わかった!レイとケンスケは必ず会って現場で助ける!たとえ、それにより2人が異世界に来れなくても、必ず助けるから!』


「キッド、、、子供が死んでから、泣いた事無かったけど、少し泣いていいか?」


『涙は子供が産まれた時に取っとけよ。何もわからないスキルなんだ、うまくいく可能性なんてない!結果的にうまくいった時まで涙は取っといた方がいい。』


「わかった。」


『セシルさん。オレが出来る限りフォローする!そのレールに乗らないように。』


「よろしくお願いします。」


ガッチリ握手を、交わした。


『マイ!オレはなんとか過去に行きながらみんなを助けながら、必ず今のまま、おまえとジュンが知り合い、幸せになれるようにそのレールに乗れるように努力する!恋するマイミは輝いていて、おまえを見てるとオレも恋してみたいなと思った!でもまだ、過去の腹切りから大して経ってないから、すぐその気分にはなれない!でも、マイミとジュンを見てればそのうちオレも救われそうな気がする!だから、必ず2人をくっつけて、ジュンが死なない未来を持って来てやる!』


『キッド、、、お願い、、、。』


『どいつもこいつも泣くんじゃねー!まだ何も始まってねーんだ。泣くのはみんなが笑って異世界を終わらせる4年後だ!』


『わかった、、、。待ってる。』


『明日みんなが顔合わせした、秋葉原の駅前に、朝10時集合だ。みんな大丈夫か?』


みんなが頷いていた。


気がつくとオレとマイミの体がいつの間にか光っていたが、誰も襲って来るやつなんか、いなかった。


その日は体が光ったまま異世界を終了した。













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